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インフレーション理論

NHKでインフレーション理論の紹介がありました。 この理論では光の速さを超えて膨張したということですが従来の理論との整合性はどう考えればいいのでしょうか? 例えば宇宙の膨張は加速的と従来はしていたのですがインフレーション理論では収縮する場合と加速する場合の中間的な値としていましたが観測結果が変わったのでしょうか?

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回答No.2

この宇宙は、約138億年前に始まったと考えられています。全てが一点に集まっていましたが、ビッグバンにより膨張したとされています。 今、宇宙が出来てから138億年経過しています。そうすると、138億光年離れているもの同士間には、因果関係はないことになります。なのに、お互いに138億光年以上離れている宇宙の場所から届く宇宙背景放射(宇宙の全ての場所から届くマイクロ波)は、10万分の1の精度で同じです。お互いに因果関係が無いのに、何故同じマイクロ波を発しているのでしょうか。 これが、「地平線問題」です。地平線とは、ビッグバンが起こった時と場所から光速で広がる球体の表面のことです。138億光年以上離れた2つの地点同士は、地平線が交わらないので、過去に因果関係は存在しないことになるのです。しかし、その2つの地点から発するマイクロ波が同じと言うことは、過去に因果関係があった(同じものが飛び散った)ことになります。ここに、従来のビッグバン理論は解決出来ない問題を抱えていました。 インフレーション理論とは、ビッグバンにより宇宙が出来たごく初期の時、宇宙が10^-36秒間に10^26倍に急激に膨張したとする理論です。通常、何ものも光速を超えて移動することは出来ないと考えられていました。従って、従来のビッグバン標準理論では、宇宙の膨張の速度も光速以下と考えられていたのです。 しかし、インフレーション理論の様に考えることにより、地平線問題は解決出来ました。宇宙が一時光速を越えて膨張したので、138億光年以上離れている宇宙同士でも、過去一緒であったことが可能となったのです。一瞬の光速を越える膨張の後は、ビッグバン標準理論通りとなったのです。 ものの速度の限界は光速であるとする「相対性理論」は、宇宙が相転移して現在の状態で適用できる理論です。相転移する前は、光速を超えて移動できたと考えます。 ビッグバンにより膨張しているのは何でしょうか。物体が四方八方へ飛び散っているのでしょうか。それとも、宇宙空間自体が膨張しているのでしょうか。 1929年に、ハップルによって、遠くにある天体程地球から速い速度で遠ざかっていることが判りました。天体の遠ざかる速度は、その距離に比例していました。これを「ハップルの法則」と言います。「ハップルの法則」は、次の通りです。 v=Hr H = 71 ±4 km/sec/Mpc 1Mpc(メガ・パーセク) = 326万光年です。つまり、326万光年離れた天体は、地球から毎秒71kmの速度で遠ざかっています。不思議なのは、あらゆる方向の天体がそうだと言う点です。 宇宙は、約138億年前に、ビッグバンにより誕生しました。それ以前、あらゆるものは一点に集中していましたが、未曾有の大爆発により宇宙は膨張を始め、現在も膨張を続けています。現在の地球が、まだビッグバンの中心辺りにまだあるのであれば、「ハップルの法則」は成立します。あらゆる方向にある天体は、ビッグバン地点から放射状に広がります。この時、全ての天体は、距離に比例して地球から遠ざかって行きます。 しかし、現在の地球が、ビッグバンの中心から遠く離れていたらどうでしょう。天体はビッグバン地点を中心に、放射状に広がります。地球とビッグバンを結んだ方向(横方向)にある天体について言えば、一応天体は地球から遠い星程速く遠ざかると言えます。しかし、地球から見て上下左右方向(縦方向)の天体はどうでしょうか。地球と天体は、ほぼ同じ方向へ向けてビッグバン地点から遠ざかっています。この場合、天体はほとんど地球から遠ざからないことになります。 従って、「ハップルの法則」が成立する為には、地球がまだビッグバン発生地点の極近くにあるか、宇宙全体が、2倍3倍となるような形で膨張しているかのどちらかしかありません。スイカを例に説明します。種が天体です。スイカが2倍3倍と生長すれば、種と種との間隔も、2倍3倍と開きます。これで、上手に「ハップルの法則」を説明することが出来ます。 天体が移動していると考えると、ビッグバン地点から放射状に膨張するすることになり、上手に説明することが出来ないのです。ですから、空間全体が2倍3倍となる形で膨張していると考えます。 現在、地球がビッグバンの中心にはないとしたら、「空間自体」が全ての方向へ等しく膨張しているとしか考えられません。ここから、ビッグバンにより宇宙空間そのものが膨張していると考えられています。 しかし、本当に宇宙空間自体ば膨張しているのでしょうか。光は波としての性質を持ちます。波は、それを伝える媒体を必要とします。空間自体が膨張しているのではなく、光を伝える媒体が膨張しているのです。このことを、以下で説明します。 例えば、プールの波を考えます。ここに、長さ1kmプールAとBが接しています。プールBの中を、波長1mの波が伝わっています。このプールBを急速に2kmに伸ばします。当然、水の深さは半分となるので、底をその分上げます。すると、プールBを伝わる波の波長は、1mから2mとなります。この波が、私の居るプールAに伝わって来ると、私は2mの波長と測定します。 この様に光の媒体自体が膨張していることが、宇宙論的赤方偏移の原因です。プールが伸びたのです。決して、それを見て空間自体が伸びたとは言いません。 質問者さん、以上のように、光は媒体中を光速で伝わります。しかし、媒体自体が膨張しているので、光速を超えて膨張していると見えるのです。

122610
質問者

お礼

本格的なご回答誠にありがとうございます。 私は全くのシロウトなのでお答えをすぐ理解することはできません。 関連の事項を調べながら時間を掛けて解読に取り組みます。 貴重な情報ありがとうございました。当分頭の体操をすることになりそうです。 でもその価値は十分あるものと信じています。 できれば質問等でてきた場合、ご指導頂ければこれ以上の幸いはございません。

その他の回答 (3)

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.4

>ウーン、インフレーション理論では1/10の何十乗秒という時間で一点から銀河以上の大きさに 話が分かってますか? どんなに速くても同じことです。10cであろうと、1無量大数cであろうと、観測者が観測すると、必ず光速度以下に観測されるけれど、理屈の上ではそれより速く動いている、というだけのことです。

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.3

>この理論では光の速さを超えて膨張したということですが従来の理論との整合性はどう考えればい 従来の理論というのは、相対論の「どんな物体も光速より速い速度に加速することはできない」のことを言っているのでしょうね。 ここで言う「速度」とは、観測者から見た「相対速度」のことを言っています。(以下光速度をcで表します。) たとえば、観測者aから見て0.7cで遠ざかる星があり、その上に観測者bがいるとします。さらに観測者bから見て同じ方向に0.7cで遠ざかる星があったとすると、観測者aから見ると1.4cで遠ざかるはずですが、実際にaが観測すると0.94cにしかなりません。あくまで観測者aにはそう見える、という話です。 インフレーション理論の「光速度を超える」は、この例の1.4cのことを言っています。だだそれだけのことです。

122610
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 ウーン、インフレーション理論では1/10の何十乗秒という時間で一点から銀河以上の大きさになるということなのでやはりなにか別の力が働いていると考えた方が良さそうですね。

回答No.1

うーん、最先端なので、専門家でも意見が分かれちゃいます。 そもそもインフレーション理論は例えば星と星の距離が光の速度を超えて 離れることを説明するのに、「時空自体が光速を超えて」拡大する、なら 光速の上限とは矛盾しない、程度の「いい加減なもの」です。 だから >観測結果が変わったのでしょうか 観測は莫大な人数が行いますから、一人が主張しても「無駄」 この場合、「理論」の方をいじります。 理論は紙の上だから、何も起こらない、偉い先生でも、 「あ、あれ、何だか気に食わない、シミュレーションのファクター変えてみよう」 程度で変わっちゃう、物理、化学、生物では無いから、誰にも「事実」は分からない。 だから天文学や理論物理は誰も雇ってくれない。 だって役立たずなんだもん。

122610
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 超ひも理論、M理論がこれからの理論の基礎になって発展していく、と思っていましたのでインフレーション理論は驚きでした。 日本人が発案のようで誇りに思います。 でもまだまだ私達は初歩的な段階にいるのですね。 iPS細胞の山中伸弥教授が『我々は細胞の掌の上で遊ばせてもらっているだけだ』と言っていますが宇宙についても同じことが言えそうです。

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