• 締切済み

ロールズを真のグローバルジャスティスにするには?

ロールズの正義論は学会では多大な影響力を与えたようで、実際私も大変魅力ある学説だと思っていますが、コレってちょっと乱暴に大雑把に言ってしまえば、 弱者の立場に立って考えよう、社会的弱者の立場を少しでも有利な位置に確保しよう、ということを学問的に言っているだけですよね? これはすごく抽象化して考えれば従来の左派、マルクス主義とあまり変わらないんじゃないか…?と思うのですが。 マルクスが資本主義を分析したのに対して、ロールズはあくまでも正義の論に終始していると思います。その点で社会的インパクトがどうしてもマルクスに劣るのではないかと… そこでロールズ哲学の影響力をもっと広げる、世界レベルに拡張するのであれば、現代経済学、あるいは国際政治学などとミックスしたメタ理論を構築しない限り成功しないんじゃないか?と思いますが、いかがでしょうか?というかそういう説得的な理論が登場していないから、影響力がアカデミズムの世界に留まるだけで、現代アメリカ社会は超格差社会に堕しているんじゃないですかね? ロールズの後継者たちは、そういうメタ理論の構築にトライしているのでしょうか?

みんなの回答

  • kurinal
  • ベストアンサー率10% (128/1195)
回答No.5

こんにちは。 >「現代アメリカ社会は超格差社会に堕しているんじゃないですかね?」 「格差」は、どう、にしても、 「人権侵害」に至ってなければ、 ということは、あるのかな、と思います。 ・・・例えば、年収10兆の人と、年収100万の人が、同じ生活をしている、 10兆の人は、好き好んで、その生活をしている、 一方、100万の人は、選択の余地なんて無い。

  • kanto-i
  • ベストアンサー率30% (180/596)
回答No.4

分かりやすいように主義に当てはめて言えば、自由主義と社会主義と民主主義を足して 善に繋がる部分をすくい上げたような理論になると思います。 これは自らが自由を執行し、内面の自由を手に入れないと 行動に移すのは難しいですよね。 やりたいことはイメージとして分かりますが、システム構築できる人間が 最低必要な人数として現れないと現実化に移す手立てが・・・。 少なく見積もっても、後数十年はかかるかと。 しかし、正義という名前は変えた方がいいと個人的には思います。 正義と云う名を前面に押し出すと、争いの元になりかねないです。 政治も宗教戦争と同じことを始めようとする人が出てしまいます。 自分のジャスティスに自分を従わせるでなく 自分の思うジャスティスに人を従わせようとする。 基本的諸自由であるに、人権と尊厳の保証はひとまとめでしょうが あえて明記しないと危ない気はします。 でも、試行はちょと見てみたいです。

  • wiz0621
  • ベストアンサー率42% (182/430)
回答No.3

マルクス主義は、弱者が取るべき態度、つまり団結と闘争を促す思想です。 強者はすべて悪辣な存在であると定義し、弱者の立場を騙されている 人々であるとするのですから、双方に協力の余地はなく、 根源的には人間の対立、ひいては武力闘争を煽る志向であるわけです。 ただ、歴史が何度も証明して見せたように、武力闘争によって 弱者が為政者となれば、それは新たな(悪いことにより苛烈で残虐な指向を示す) 強者となるだけであって、事実、共産主義国家は中世以前の世界と 見まごうばかりの退行をもたらす。 これは共産主義を構築する原理が抱える欠陥であって、 自然に発生し、修正はできないのです。 この共産主義の絶対的な誤りに気づくまでに人類が流した血の量が、 そのまま共産主義のインパクトとなっているだけではないでしょうか。 しかし私はは必ずしも、それが望ましいインパクトとは思えないのです。 共産主義のような血の量を競うセンセーショナリズムに与する必要はないですよね。 一方でロールズの正義論は、為政者(あるいは強者、分配権者)の取る態度 としての論理であって、社会的弱者の救済という題目は同じであっても、 その本質的な部分、行為者が異なるのです。 ロールズの思考は、実は既に広く取り入れられていまして、 経済理論であれば「公共経済学」などに色濃くその思想が表れています。 通常の経済論理のみであれば非効率と判断され誤りと判定される福祉事業も その枠外として正当化することに成功していると言えるのではないでしょうか。 公共経済学の内容については、日本では公務員試験に出てくるくらい一般的 ですので、実は社会に与えた意思決定への影響であれば、こちらの方が 大きいとも言えるでしょう。 それでは、いまだ格差社会が無くならないのはなぜか。 もちろん質問者さんが指摘するような一般に周知が進んでいないということも あるかとは思われますが、少なくとも公務員が全員知覚しているような 基本的項目ではありますので、それでもなお改善していないという事実に 目を向ける必要があるのではないでしょうか。 私は理由はさらに二つあるかと考えています。 一つは構造的な限界。ロールズの目指す最悪の改善が実現すれば、 別の位置がシーソーゲームのように最悪(比較劣位)となるから ではないでしょうか。 人が共産主義者が持つような人間不信・猜疑心といった心の負の部分を 克服できるのであれば、ある程度の位置までは改善できるでしょう。 しかしそれでもなお、人間の持つ評価価値が変動し続ける以上、 正義論の立場は完全な解決を目指すものではありえず、 "妥当な位置"を模索し続けるものであるのです。 二つ目は時間的な限界。平等を強権的に、急速に行えば そこに生まれるのは共産主義的な粛清の嵐でしかありません。 社会の急激な変化が人の不幸をもたらす以上、その変革は 共産主義のような暴力であってはならず、 ゆっくりと時間をかけて、妥当性の立証を続けながら行う必要があるのです。

kgat0769
質問者

お礼

なるほど… しかしよく言われることだと思いますが、ソ連やかつての中国の体制はマルクスが言ったことそのままの体制じゃないですよね?マルクスは資本主義が行きつくところまで行ったときに共産主義革命が起こるだろうと言ったわけで、前近代的な農業中心経済の社会で共産主義政府を作ったソ連や中国は、正しくはレーニン・スターリン体制、毛沢東体制とでもいうべきものじゃないでしょうか? レーニンやら時の政治家が都合よくマルクス思想を利用しただけで、マルクス思想が即危険につながる、現実味ゼロ、というわけではないと思いますがね… 私もマルクスを広く理解してるわけではないですが、かなり幅広い議論をしていると思うので、この部分とこの部分は応用価値なし、でもこの部分とこの部分は使える…というふうに、マルクスの思想を細かく吟味すれば現代へのヒントとして利用することは十分できるんじゃないか?と思っています。そう感じる人が一定数いるからこそマルクス関連の書籍が現代でもそこそこ売れてるわけですよね? アインシュタインは一応平和主義者だったらしいですが、それでも理論は原爆に応用されてしまいましたよね?それでも相対性理論の価値は科学界で一つのインパクト、発展の一つの段階を成し得ていると思います。 ロールズが公共経済学に活かされているというのはなるほど、と思いました。そういう活かし方がどんどん増えていって欲しいと思います。 ただ改善しないのはなぜかというのは…難しい観念的な話じゃなくて、ただ単に新自由主義的な風潮に政治も経済も染まって、公共事業が減った、正規雇用が減った、欧米で言えば金融が膨張しすぎた、その新自由主義に対抗できるだけの力のあるイデオロギーを、他の哲学・経済学が形成し得なかった、ということじゃないんでしょうか? だからこそ正義論は経済ともっとタッグを組む必要があるんじゃないか?と思ったんですがね…グローバル~というなら、国際政治学とも組んで欲しいと思いますが、あんまり言うと総花的に過ぎるかもしれません。

回答No.2

こんにちは。 ☆弱者の立場に立って考えよう、社会的弱者の立場を少しでも有利な位置に確保しよう、ということを学問的に言っているだけですよね? ◇有名な《格差原理》、つまり、もっとも不利な状況の人々の状況の改善のために役立つときにのみ社会的不平等・格差は正当化される、を念頭においての質問ですよね。 たしかに、そういう面もあるのでしょう。 しかし、同時に勝者、強者が、現在の地位や財産などを失い、弱者の立場に転落することもあり、その時、この格差原理がセーフティーネットの役割を果たすわけですので、 その意味において、普遍的な原理である、 と言えるのではないでしょうか。 そして、 《格差原理》が学問的なものかどうかは、かなり疑わしいです。 《格差原理》の導出には、 原初状態、無知のヴェール、人間は理性的に考えて判断を下せる存在である、 などのフィクション的仮定が必要なので。 ☆これはすごく抽象化して考えれば従来の左派、マルクス主義とあまり変わらないんじゃないか…?と思うのですが。 ◇マルクスをヘーゲルとすれば、ロールズはカントから思想的影響を強く受けています。 どちらも、ドイツ観念論の系統ですので、似ているといえば似ているのでしょうね。 ☆マルクスが資本主義を分析したのに対して、ロールズはあくまでも正義の論に終始していると思います。その点で社会的インパクトがどうしてもマルクスに劣るのではないかと… ◇確かに、インパクト、迫力においてマルクスの思想に劣るのでしょうね。  物・金VS良心 の対立。物や金は人々の生活に直接かかわるので、マルクスに軍配が上がるかも。 ☆そこでロールズ哲学の影響力をもっと広げる、世界レベルに拡張するのであれば、現代経済学、あるいは国際政治学などとミックスしたメタ理論を構築しない限り成功しないんじゃないか?と思いますが、いかがでしょうか? ◇日本の政治や経済、福祉政策などに、結構、ロールズの考え方は反映されていますよ。 たとえば、 ロールズの思想は、日本の累進課税制度の理論的支柱の一つになりますので。 ☆というかそういう説得的な理論が登場していないから、影響力がアカデミズムの世界に留まるだけで、現代アメリカ社会は超格差社会に堕しているんじゃないですかね? ◇本家のアメリカのことですかい(笑い)。 アメリカという超格差社会を目の当たりにし、そのアンチテーゼとして、ロールズの思想が生まれたのではないですかね。 当時もっとも資本主義が発達したイギリスの現状を目の当たりにし、それを分析し、マルクスの『資本論』が誕生したのとよく似ているのかもしれませんね。 そして、そのお膝元では、社会改革の大きな原動力にならなかった(笑い)。 ですが、現在世界を席巻している経済のグローバリズムの大元の思想になった、アメリカの《リバタリアニズム》は、 ロールズの正義論に対する反対論として生まれた。 財産権は、いかなる理由があろうとも、侵害してはいけない。金持ちの同意がなければ、税金を課してはらない。 国は、警察などの必要最低限のことをやってればいい。これ以外は、自由経済の発達の阻害になるから、してはいけない。民間でやれることは民間で行なうべきだ。国はこれらの事業から手を引き、民間に渡せ!! 福祉、弱者救済? ひょっとしたら、俺たち金持ちがお情けとしてやるかもしれない。 しかし、これは金持ちの義務ではなく、あくまで自発的な行為として行なうものである。 日本では、さらに《負け組》、《自己責任》という言葉などが加わります(ポリポリ)。 実際は、結構、ロールズ的な思想は、アメリカの政策に反映されていたし、います。 たとえば、アメリカの人種政策、少数民族政策など・・・。 だから、その反動として《リバタリアニズム》が生まれた。 ☆ロールズの後継者たちは、そういうメタ理論の構築にトライしているのでしょうか? ◇この件については、知りません。 ですが、過去の遺物となりつつあった政治哲学という分野を復興させたのは、 ロールズ!! ロールズの思想への反対、賛成にかかわらず、ロールズの影響を何かしら受けているのは事実です。 その意味で、現在の政治哲学者は、ロールズの後継者といえるのかもしれませんね。

回答No.1

社会正義などを持ち出す時点で、西洋の宗教的モラルを バックグラウンドとした、物質主義的修正主義を感じます。 1.「弱者」とは?社会生命としての一体性において、唯一   の「強弱」の判定基準は、社会全体の機能の最大化で   あり、無理に弱者を同等レベルに遇しようというのは、   社会全体の劣化を意味し、幾ら組織内でそのルールを   維持しようとしても、その組織自体が淘汰される事で、   社会全体は、その方向からは離反する。 2.人の生きる目的が物質的豊かさではなく、精神的充足   の最大化である時、弱者はその社会的貢献において   自ら救われ、物質的に過剰な豊かさを追求した強者は、   その利己主義において自ら敗者となる。 3.量子論的世界像において、有限的な存在性は認識され   る事によって派生する=宇宙は心の中にのみ存し、   その「自己存在の成立のための相補としての環境性」   の認識の深まり=博愛において、一方で自己の社会   生命的自覚化による自律的社会行動によって、最大の   社会貢献における最大の精神的充足は得られ、もう   一方では、相互に助け合い、その愛において成る社会   の感受における充足感と、その愛による肉体的自己の   限界を越える意志において、死の限界を越える充足を   もたらす。 ニュートン力学的な絶対時空や外的存在(その背後にある 絶対神)をベースとした西洋古典哲学は、今や歴史的価値 しかありません。

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