点を取る人と、パスを出す人とどちらが偉いのですか

質問

サッカーでは、点を取る人と、パスを出す人と、
どちらが偉いのでしょうか。

回答No.16

IXTYS

こんにちは。　とても面白い質問です。

『偉い』を『評価が高い』と置き換えて考えてみました。　私は『点を取るひと』だと思います。　この世の中は万事結果で評価されます。　どんな立派なことを言ってみても、結果が残せなかったら評価されません。　やっぱり結果を残せる人間が評価を受けるのです。　

私は今年70才になりました。　人生を振り返った時、結局何を残せたのか。　これに考えが行きつきます。　世の中には立派なパスの出せる人は『ゴマン』といます。　それは政治家の方々を見れば明らか。　みんな言うことは『ご立派』　でもいざ総理大臣をやらせてみると、残念ながら賞味期限は精々『三か月』　それが現実です。　

やっぱり結果を残せる人間は違うのです。　『何か』を持っているのです。　そういう人は違うのです。

私は『点を取れる人』としてカズ選手を挙げます。　彼に関するとても好きなエピソードを紹介します。　

それは1993年の秋の話です。

翌、1994年米国で開かれる予定のワールドカップ出場を目指して、アジアの六つの強豪がカタールのドーハに集まりました。　日本は緒戦、サウジアラビヤとオーオの引き分け。　第二戦、イラン戦はチームの大黒柱であるラモス選手が相手DFの徹底マークに逢って動けず、1-2と手痛い敗戦。　第三戦はカズの活躍で何とか北朝鮮に3-0。　次が白眉の韓国戦でした。　韓国はここまで無敗で来て、出場切符に王手。　これまでの日本に対する圧倒的な戦績からも韓国が有利と言われていました。

その天王山を控えた前日、ひとりで黙々とサッカーシューズを磨く選手がいました。　エースのカズ選手です。　日本の期待を一身に背負っての重圧はそれほどだったでしょう。　彼がマークされることは誰にもわかります。　それでも彼には『点』がすべてだったのです。　大試合を控えて、こころを落ち着かせるため、黙々とシューズを磨いているカズ。　きっとこれが彼の『秘密の精神統一』だったのでしょう。　翌日の日韓戦、彼が取った一点を守って日本が勝利しました。　

今でも語り継がれている、あの『ドーハでの日韓戦』の勝利です。　結果は決して偶然ではありません。　努力し、苦労した選手が取るように出来ているのです。　期待されながら、大一番になると力が半分も出ない選手はたくさんいます。　しかし、大一番に普通の力が出せる選手ってそう多くはありません。　

今のフル代表の選手を見ても、指折り数えて二、三人というところです。　それほどに『点を取る』のは難しい仕事なのです。