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フロイトローズ付きギターのチューニングの仕方

noname#12265の回答

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noname#12265
noname#12265
回答No.4

 フロイド・ローズのチューニングにお困りの御様子、御察し致します。フロイド・ローズが発売された当時、我々弦楽器デザイナやリペアーマンでも、ちょっと悩んだ方がいらっしゃったのではないでしょうか?  クラシックやフォークギターの様に、普通のギターのチューニングしても、機構的な問題で6本全ての弦が合う事は絶対にありません。  densuke1017様は既にお悩みなので、フローティングトレモロシステムの致命的な欠陥にお気付きの事と思われますが、他の御解答者の方々はその点にお気付きでは無い様なので、『でしゃばり』とは思いますが、解説させて頂きます(設計者の意図通り使われていないギターを見ると、悲しくなってしまいます・・・・)。  フロイド・ローズはスプリングと6本全ての弦の張力の和をバランスさせた完全なフローティングトレモロで、その為すごいアームUPもDOWNも思いのママですが、その構造の為に完全にはチューニング出来なくなってしまいました。  今1弦をチューニングしたとしましょう。そして次は2弦・・・・とすると、弦6本全体の張力が変わり、ユニット全体が動いてしまいます。全弦が緩い状態でチューニングを始めたとすると、2弦を合わせた瞬間、ユニットが引っ張られ1弦がフラットします。しょうが無いのでまた1弦を・・・・とやると、今度は2弦がフラットします。で、また2弦を・・・・  弦が2~3本しか無いならなんとなく妥協点が見つかりますが、6本もあるとちょっと捨て置けないほど全体のチューニングが狂い、いつまでたっても堂々巡りです。プロの皆様はこんないい加減なチューニングの状態でステージに立ったりレコーディングしたりはしませんし、アマチュアの方々も、絶対音感のトレーニングの為にも可能な限り正確なチューニングで演奏された方がよいと思います。  そこで、フロイド・ローズ・ユニットのチューニングには、ちょっとした手順と治具が必要になってきます。説明が異常に長くなりそぅですが・・・・。 1.まず、ファイン・チューナがついているなら(最近のフロイド・ローズ系にはどれにもついています。トレモロ・ユニット側にある、ナナメ上に向いたネジです。これをねじ込むとチューニングが高くなるはずです)、このネジを全て緩み方向に回しておきます。ゆるみ方向一杯に回しておくと今度はチューニングを落としたい時に対応出来ませんので、1~2回転程度残して緩めておくのがヨイでしょう。  尚、この状態では、ロックナットを緩め、弦もある程度緩めておき、また、ユニットの裏にあるスプリングも、ある程度緩めておきましょう(ブカブカにする必要はありません)。 2.ウラのスプリングを外してもヨイですし、手でユニット全体をギコギコ持ち上げてもヨイですし、またユニットをボディに止めているスタッドを回すなどして、自分に合った弦高やユニットの作動範囲(ドロップでどのくらい、アップでどのくらい、など)を大まかに確認し、その位置でユニットを仮固定出来る治具を用意します。  この治具は木片(板或いはブロックなど)でオッケーですが、要するに、ボディトップとユニットの間か、若しくはボディ裏の穴に見えているユニットのカウンタウエイトとボディの間に差し込んで、ユニット全体を仮に固定しておくモノです(ここで仮にボディトップとユニットの間に挟む治具をAタイプ、ボディ裏の穴のカウンタウエイトとボディの間に挟む治具をBタイプ、としましょう)  弦のテンションが緩いこの段階ではBタイプ治具だとうまく挟まりませんが、それは無視。あとで剥がせる位置を考えて、セロテープなどで脱落しない様に仮止めしておきましょう。  さてAタイプ治具ですが、ボディトップにアームUP用のキャビティがあって、ユニットの下にガラガラの空間があるなら、板やブロックでなくとも丸棒でもオッケーですので、寸法が合えばサインペンの軸などでも代用が可能です。勿論、ある程度以上剛性のあるモノでないと、バネの力でドンドン潰れてナニを合わせているか判らなくなってしまいますが。  あともう一つ。Aタイブ治具を使うと、場合によっては治具がボディにメリ込んでボディトップを傷めてしまう事もあります(弦のゲージが太く、対抗するウラのスプリングも強力にかけた場合など)。治具の、ボディ側に当たる面はなるべく広く取り、場合によってはウェスを1枚挟むなどの気遣いが必要です。 3.さていよいよチューニングです。  上記2.で作った治具を挟みながら、弦をチューニングします。  チューニングをしていくと、ユニット全体が持ち上がります。  Aタイプ治具では、治具がブカブカになって脱落する様になります。そこで、ウラのスプリングを締め込んで、治具寸法キッチリになるように調整しながら、弦のチューニングを進めます(決して、治具を強く挟み込むところまでスプリングを締めてはいけません)。  Bタイプなら反対に、治具がボディとカウンタウエイトに強力に挟み込まれます。その場合は、治具が手でギリギリ抜けるぐらいの感じになる様に、ウラのスプリングを調節します。こちらのタイプの場合はまず弦をチューニングしてしまい、その後治具が抜けるようにスプリングを締めてやればオッケーです。  弦をチューニングしてもユニット全体が持ち上がらない場合は、この逆、即ちスプリングがキツ過ぎるワケですので、やはり各治具がキッチリになるようにスプリングを緩めます。 4.さて、これでチューニングは完了です。  ウラのバネの調節と弦のチューニングをウマく同時に進められたなら、ここで治具を抜いてもユニットはほとんど動かない位置でバランスしているはずです。もし治具を抜いた瞬間、ユニットが弦側かスプリング側にグラリと動いたなら、また治具をハメてチューニングのやり直しです。 5.全てが終って、軽く弾いてみて、弦高やアームの作動範囲が不満な場合は、またやり直し、治具から作り直しです。  尚、この状態でオクターブが合ってない事が発見される場合が多いですが、その場合、また治具を挟んでおき、オクターブを合わせる弦を一旦緩め、ブリッジコマを動かした後チューニングして様子を見ます。  厳密に言うと、オクターブを合わせると弦高や弦のテンションが変わりますが、その程度の誤差なら許容範囲、とゆぅ事があります。も一度最初からやり直し、とヤケッパチにならず、試しにオクターブだけを合わせてみる事をオススメします。勿論、それで弦高などがガマンならないほど変わってしまったなら、残念ながらまた最初からやり直し・・・・。 6.最後に忘れてはいけません、ロックナットをロックします。適正にセットアップされたロックナットなら、ロックした瞬間音程がロコツにシャープする事はありません(設計者はそれほどマヌケな設計はしていません)。  ロックナットには「ロックするとチューニングがシャープする」とゆぅ風説がありますが、これはロックナットのセッティングミスによるモノです。  ロックナットよりペグ側には、ストリングテンショナがあるはずです。このテンショナを下げ、弦がロックナットに完全に沿う様にしてください。ロックナットより弦を下に引っ張るぐらいテンショナを低くしてもよいぐらいです。弦が完全にロックナットのベースに沿っていないと、ロックした瞬間弦が引っ張られ、音程がシャープします。  また、ロックナットを死ぬほど締め込む必要はありません。「これぐらいならネジが緩まないだろう」的な感じで十分ロック出来ます。これも「ロックすると音程がシャープする」とゆぅウワサの、原因の一つになっています。  手順が前後してしまいましたが、チューニングする場合は、まずこのテンショナの状態を確認する必要がありますね。 7.さてナットをロックした後のチューニングは、専らファインチューナに頼ります。最初のチューニングの段階で弦を十分伸ばしておけば、このファインチューナの作動範囲でだいたいケリがつくはずです。  もしこのファインチューナの作動範囲以上に弦が伸びてしまった場合・・・・弦を新品に交換して、やっぱり最初からやり直しです・・・・。  ・・・・いや~長くなりましたね~。フロイド・ローズのセッティングには、これだけの手順が必要です。ま、文章にすると長いですが、慣れてくればチャカチャカッと合わせられます。しかし今でも、チューニングが全て終って「ん~やっぱ弦高がな~もちょっと落としてよ」などと言われると、思いっきり脱力してしまいますね~。  尚、最後に。  この治具を使ったアームユニットのチューニング方法は、フェンダ系のオリジナルユニット(いわゆるシンクロナイズド・トレモロ)にも使えます(と、申しますか、そもそもこれはシンクロナイズドのチューニング方法でした)。  シンクロナイズドではユニットを止めているネジ(フェンダのオリジナルなら6本もありますね)のセッティングやユニット側の穴加工、或いはナット溝やスプリングのセッティングなどに一工夫必要ですが、基本的にはこの方法でチューニング出来ます。  シンクロナイズドでアームUPしたい方は、一度お試しください。

densuke1017
質問者

お礼

すごい!ライブの前はこの方法できっちりチューニングします。熱心なお答えありがとうございました。

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