古典的に平均自由行程を求めた結果と量子論的な考え方の違い

このQ&Aのポイント
  • 銅の中の伝導電子の平均自由行程を古典的に求めた結果、量子論的な考え方と大きく食い違うことが明らかになりました。
  • 古典的な考え方では平均自由行程が極めて小さくなる一方、量子論的な考え方では値が約100倍大きくなることが分かります。
  • この食い違いの理由についてはまだ解明されていないため、詳しい説明は難しいですが、量子論的な考え方の方が銅イオンの半径をより正確に考慮している可能性があります。
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古典的に平均自由行程を求めてみたのですが・・・・

銅の中の伝導電子の平均自由行程を古典的に求めてみました。 考え方は、伝導電子の密度をnとし、銅の中の電子の進む方向に沿って半径rの円を考え、その中に平均一個の銅イオン原子心が含まれるように円柱の長さhをとることで、平均自由行程はhと同じだから h=1/(nπr^2) という具合です。銅イオンの半径が0.96×10^(-10)として計算してみると4.07×10^(-10)という結果になりました。 ところで、量子論的な考えに従って求めたサイトを発見し、そこで得られていた値は私が求めた値の約100倍の大きさでした。 なぜ古典論的な考え方で解くとここまで大きく値が食い違ってしまうのでしょうか。うまく人に説明できません。 教えてください。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

ブロッホ波が解ってしまえば疑問も氷解することになります。 簡単に説明します。 金属中の自由電子は波(平面波)として存在しています。 また、(金属)結晶中の原子(自由電子を除いた陽イオン)は周期的に並んでいます。 周期的な原子は周期的なポテンシャルを作ります。 自由電子はその周期的なポテンシャルの中を動き回る訳ですが、 ポテンシャルが完全に周期的なら一切邪魔をされません。 つまり、平均自由行程は無限大です。 しかし、現実の結晶に完全な物は存在しません。欠陥があります。 また、原子は振動しています。温度が上がると振動はより強くなります。 これらのせいで、周期的なポテンシャルがゆがめられて、自由電子の動きは邪魔をされます。 ここまで説明をして、自分の勘違いに気づきました。 これでは質問者さんのご質問への回答になりません。 ご質問は絶対零度でかつ完全結晶の場合ですね。 この場合に効いてくるのは電子の遮蔽とパウリの排他律です。 すみませんが、また回答します。 もしくは固体物理の本を読めば大体載ってると思います。 「キッテル」の索引で「平均自由行程」を探して見てください。

shin-mind
質問者

補足

委曲を尽くしてくださってありがとうございます。 薦めてくださった本も探して読もうと思います。 また回答してくださるということで、ご迷惑をおかけします。

その他の回答 (2)

回答No.3

お待たせしました。 まず、質問者さんの計算だとあわない理由は 前回私が説明したように、ブロッホ状態になるためです。 ただし、それだと平均自由行程は無限大になります。 実際にはそうはなりませんが、その理由は格子に欠陥がある事や 原子が振動している(フォノンによる散乱)事にあります。 他に電子の動きを邪魔する物としては電子自身が挙げられます。 電子電子衝突です。 しかし、これはパウリの排他原理と電子間のクーロン相互作用の遮蔽により減少しています。 パウリの原理とは、ある種の粒子(フェルミ粒子)は一つのエネルギー準位には一つの粒子しかいられないというものです。 遮蔽は周りにある陽イオンの存在のために、実際の相互作用の大きさが小さくなるという物です。 だいぶざっくりとした説明になってしまいました。 詳しくは固体物理の教科書をご覧ください。

shin-mind
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 う~ん、読んでみると果てしなく難しそうですね。 せっかく書いてくださったのに、今の私では理解できません。 薦めてくださった固体物理の教科書を読んで勉強しようと 思います。 時間を割いてくださってありがとうございました。助かりました。

回答No.1

ブロッホ波はご存知ですか?

shin-mind
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。初耳です。まだまだ初心者の学生なのですが、そのお話が分かっていないと説明は難しいのでしょうか。よろしければ私の質問に関する、もしくは近い(仰ったブロっホ波についても含めて)説明のあるサイトや図書を紹介していただけないでしょうか。 あるいは、自分で用語を調べて勉強したいと思うので、遠慮なくこの場で理由を説明していただくということも願いたいのですが、お願いできますでしょうか。

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