染色について

このQ&Aのポイント
  • 染色体をシマシマにする染色法のプロトコールなんですが、染色体が膨化してしまい、短くなってしまうため、染色体番号順に並べるのが難しいです。
  • 染色体をきれいに見せるためには、染色前の準備工程から注意が必要であり、慎重な取り扱いが求められます。
  • 人の染色体の写真のようにきれいな染色体の標本を得るためには、より効果的な染色法やトリートメントを試すことが有効です。
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染色について

染色体をシマシマにする染色法のプロトコールなんですが、 トリプシン処理法 1.標本作製後、37℃で一晩乾燥する。 2.0.25%トリプシン溶液をPBS(-)で10倍に希釈し、0.025%溶液を作製する。 3.標本にPBS(-)で希釈した0.025%トリプシン溶液を0.5mlマウントし、15~30秒放置。 4.PBS(-)に浸しトリプシンの反応を停止する。 5.50%メタノール溶液でメタノール媒染(マウントして5分間)し、37℃で乾燥させる。 6.(pH 6.4)PBSで希釈した5%ギムザ染色液をマウントし3分間染色する。 7.RO水で洗浄して37℃で乾燥させる。 8.ソフトマウントとマニキュアで封入し、室温で1時間ほど乾燥させる。 9.顕微鏡で観察する。 この方法で染色を行っても染色体が膨化(フヤフヤ状態)してしまい、また染色体がかなり短くなってしまいます。中にはうっすらシマシマに染色されているものもあるんですが、このレベルでは染色体番号順にならべるにはかなり難しいっぽいです。よく人の染色体の写真が教科書などに載っていますがあんな感じにきれいな標本を得るにはどうしたらいいのでしょうか??なんでもいいので助言をよろしくお願いします。  

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

こんばんは. >よく人の染色体の写真が教科書などに載っていますが >あんな感じにきれいな標本を得るにはどうしたらいいのでしょうか?? >なんでもいいので助言をよろしくお願いします。 蔵書の表題『染色法のすべて』の,『VII.染色体検査』(P228)から, ご質問に該当する下記染色法の部分を転載します. ちなみにこの書籍の発行所は『医歯薬出版(株)』で, 多くの医師や臨床検査技師による共著です. 医学系臨床の現場で使用されているもので,改訂版も出ているようです. Qバンド染色法(Q-band staining method) 【目的】 染色体を濃淡に染め分けて,分染パターンから染色体の識別と同定を行うのが本染色法の目的である.蛍光染色法とともに代表的な染色体分染法であり,ギムザ染色によって分染されるので,この染色バンドは,G-bandsともよばれる.ここでは,AGS法(Acetic/Saline/Giemsa法)を紹介する. 【原理】 この染色法は,染色体標本を塩類溶液中で加熱した後,ギムザ染色する方法である.この染色法が開発された時には,熱処理によってDNAが変性(denaturation)したり,再構成(reassociation)する際の塩基対の間での温度差を利用した方法であると解釈された.したがって,濃染される染色バンドはグアニン・シトシン(CG)対の豊富な部分,あるいはGG対の極度に重複した部分と考えられた.しかし,蛍光パターンとよく一致するなどの矛盾があり,やはりAT対豊富な部分を濃染していると現在では考えられており,分染の機能はまだよくわかっていない. 【準備】 作成した染色体標本を塩類溶液中で加熱処理をする.染色体標本をステンレス製の枠に入れ,さらにSSC液(0.3M NaClと0.03M クエン酸ナトリウムの混液)を満たした染色ビンの中に入れる.それを,恒温水槽の中で温度を上げて60℃で6~20時間(一晩)加熱放置する.それから,スライドを室温の純水中で1分間よく洗浄し,すぐ染色する. 【手技】 ギムザ染色液はGurr’s R 66 Giemsa ( G.T.Gurr社,第一化学薬品取扱)が分染に最も好いとされている.緩衝液はGurr’s buffer tablet, pH6.8で調整したものを使用する.この2%ギムザ液(1mlのR66Giemsaを50mlの緩衝液に加える)で,60~90分間染色ビンを使用して染める.それから,純水で軽く洗って乾燥させる. 【コツ・注意点】 標本は作成直後(よく乾燥させた後)か,または1~2日以内の新しい標本が最適である.古い標本の場合は,SSC液に1日漬けてから60℃の加熱処理をすると好い.標本を作製しないで固定液中で細胞を保存し,必要に応じて標本を作製し,すぐ分染を行う方法は未染色の標本を保存するより優れており,分染もきれいである.保存固定液は氷酢酸:メタノール=45:55の割合として,氷室内で1年以上の長期間保存する事ができる. 【鑑別法・染色態度】 G-bandパターンによる個々の染色体の識別と同定(図1)は,1971年のパリ会議による模式図に従って行う.G-band法は蛍光によるQ-band法と異なり,永久標本とすることができる利点がある.  AGS法とともによく使われるG-band法の1つとして,トリプシン法があるのでここで紹介する.標本を37℃の0.25%トリプシン液(組織培養用として市販)に5~20秒間漬ける.75%,95%アルコールを通して乾燥,染色は通常のギムザ液の20倍希釈,pH6.4で10分間染める.この方法は最も簡単であるが,トリプシン処理時間が微妙で安定した結果を得る事が難しいのが欠点である.トリプシン処理時間は,標本の新しさや保存状態・期間によって微妙に異なるので,時間を変えながら1枚ずつ処理するとよい.とくに,古い標本のほうがこの方法に適しているようである. 24年もさかのぼる昔に学んだ関係書物の内容でした. 今の私にとってはこの知識も現在の古生物の研究には, 薄片試料を染色する必要が無いため直接役に立っていません. つまり知識の更新が行われていませんのでご了解ください. なお図書館で『染色法のすべて』を読まれることも考慮してください. お役に立てばと, 今夜の仕事を終わって急いでキーボードを叩き,一気に作成しました. それでも現在時刻は午前2時を過ぎています. 明日のこともあり読み直す暇がありません. 脱字や誤字があることも考えられますが, その際は機知にてご判断されご笑納ください. この回答が, ご質問者さまの疑問解消の一助になれば幸いです.

ontheplanb
質問者

お礼

お忙しいい中とても詳しく丁寧に回答していただきありがとうございます。トリプシン処理をしないで染色を行うと、バンドは見えないのですが、染色体はきれいに観察できます。もう一度、バンドが出現するメカニズムを調べなおして解決の糸口をみつける努力をしようと思います。

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