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【民法】代理人の権利濫用について

民法総則の代理人の権利濫用についての質問です。 事例は、本人Aから土地売却の委任契約を受けた代理人Bが、 代金着服のつもりで土地をCに売却し、 Cから代金を受け取った後、Bは代金を持ち逃げした。 なお、Cは取引の時点でBの意図について悪意である場合です。 参考書では、 ・本人に効果帰属させる意思 ・自己の利益を図る効果意思 との間には、心裡留保類似の関係が認められるため、93条但書を類推するとなっているのですが、 なぜ心裡留保と類似であるのかがわかりません。 不慣れでわかりにくいと思いますが、よろしくお願いします。

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noname#139478
noname#139478
回答No.5

この場合、本人と代理人を一体としてみるからです。本人を内心的効果意思、代理人を表示意思としてみれば、心裡留保と同視することができるからです。 

回答No.4

代理権濫用事例における、心裡留保説の理解については、いくつかあるようです。 とりわけ、「本人と代理人を一体と考え、その不一致に類推の基礎を見出す」とする理解(予備校説?)をよく耳にしますが、通説とは異なるようです。 通説(我妻) [民法判例百選I総則・物権 第三版p82参照] は、代理人の意思は、本人に帰属であり、表示は、本人のためであるから、意思と表示が一致しており、心裡留保ではないが、「相手方が濫用行為について『悪意』の場合には無効になるという一般法理」[同p83]を類推するに過ぎない、と考えているようです。 (一言で言うなら、「相手方保護不要」の一般法理の類推、と私は理解しています) 心裡留保説を採用した、最判S42.4.20は、単に、法理だけを示し、理由は述べていません。その意図を理解する上で参考になるのが、大隅裁判官の意見です。 同裁判官は、心裡留保説を採用していませんが、心裡留保説を採用した多数意見を次のように評価しています。 「多数意見は、この場合に心裡留保に関する民法九三条但書の規定を類推適用しているが、…心裡留保は表示上の効果意思と内心的効果意思とが一致しない場合において認められる。しかるに、代理行為が成立するために必要な代理意思としては、直接本人について行為の効果を生じさせようとする意思が存在すれば足り、本人の利益のためにする意思の存することは必要でない。したがつて、代理人が自己または第三者の利益をはかることを心裡に留保したとしても、その代理行為が心裡留保になるとすることはできない。おそらく多数意見も、代理人の権限濫用行為が心裡留保になると解するのではなくして、相手方が代理人の権限濫用の意図を『知りまたは知ることをうべかりしときは、その代理行為は無効である、』という一般理論を民法九三条但書に仮託しようとするにとどまるのであろう。」

  • minpo85
  • ベストアンサー率64% (165/256)
回答No.3

 代理権の濫用の場合において、判例は93条但書類推適用によって、本人を保護しています。これはあくまで代理権の範囲内の行為であることから、原則効果帰属、例外効果不帰属を導くために心裡留保の規定が最も適していたからです。  これに対して、代理人の意思は、法律効果を本人に帰属させることであり、その点に関して不一致はないから、心裡留保類似の関係にないという批判がされています。  それに対しては、内田先生はNO.2の方のように、本人と代理人を一体として捉える説もありますが、代理人は本来本人のために行為するのに、本人に利益を帰属させるのではなく、自己に利益を帰属させようとしており、その点に心裡留保類似の関係はあるから、類推の基礎はあるという説明がされています。

  • SDAOHR
  • ベストアンサー率100% (3/3)
回答No.2

心裡留保は表意者が表示行為に対応する真意のないこと知りながらする単独の意思表示です。 代理人の権限濫用は代理権の範囲内で自己あるいは第三者の利益を図る代理人の行為です。 代理人の権限濫用の場合、代理人は代理行為の効果を本人に帰属させる意思を持っているので、代理人には表示行為に対応する真意があることになり、心裡留保と類似の状況がありません。 そこで、本人と代理人を一体として捉え、本人=代理人は表示行為に対応する真意(本人の利益を図る)のないことを知りながら意思表示を行ったと考え、この点で心理留保と類似の状況があると見るのです。

回答No.1

有名な最高裁判例がありますね。最判昭和42年4月20日民集21-3-697ですね。 有名な判例ですから、現物の判決や判例評釈、教科書での取り上げがたくさんありますので、それらを確認して欲しいのですが、簡単に言うとこんなことです。 (1)BはAから代理権を得ていて、その代理権の範囲内の法律行為を行っているわけですから、本件行為は有権代理である。となると、この売却は有効である。 (2)だが、あくまでBはAの真意とは異なる意図で当該法律行為を行っている。Bは本人Aの真意と異なる意思表示を行ったと見ることができる。 (3)真意と異なる意思表示を行った場合のルールとして、心裡留保があるので、それを類推適用することが可能である。要するに、悪意であるCをAの犠牲の元に保護する必要はないという価値判断である。 という論理でしょう。あなたの参考書の用語法はなかなか難しいですね。

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