原子力って本当に危険？

質問

１、原子力で動いていると言われている原子力潜水艦や空母が爆破されても放射能が漏れないように安全設計されているのでしょうか？
２、原子力発電所は、爆破されても安全設計されているのでしょうか？
３、最近、新潟で大きな地震がありましたが、そのため原発工場は潰れたようですが、その原子力発電所から、放射能は漏れなかったのでしょうか？

回答No.14

moonliver_2005

質問者さんの問題の立て方は、正しくないように私にはみえます。

バートランド　ラッセルというイギリス人の哲学者が「世の中には絶対に答えが無い質問が存在する」と書いているのを私は読んだことがあって「ナルホド」と私は思ったことが有ります。彼はその例として「地球はなぜ丸いか？」という質問を挙げています。

バートランド・ラッセルは「すべての数学は公理を前提にしていて、公理が変われば、全ての数学的証明も変わってしまう」みたいなことを証明してみせて、人類の知性の向上に大いに貢献した哲学者として有名です。たとえば「平行線は絶対に交わらないという公理のもとで、ユークリッド幾何学（学校で教えている幾何学です）が成立するわけで、平行線は交わるという幾何学の元では、すべてのユークリッド幾何学の証明は誤りとなる」となるわけで、その具体例が球面幾何学で、例えば地球上に引いた平行線は、絶対どこかで交わりますから、彼の言っていることが正しいことは誰でもすぐに理解できます。

これを前置きとして「原子力って本当に危険？」という問題の答えを考えてみます。

バートランド・ラッセルの証明によれば、この答は、その答が前提とする「公理」によって、いかようにも変わり得て、「世の中には絶対に答えが無い質問が存在する」という質問の一種になります。

具体的には「絶対安全の公理」と「相対安全の公理」の違いです。我が国においては、社会主義者、悪く言えば左翼の人達は「確率論的思考法」ができない傾向がありました。彼らの教祖であるカール・マルクス
が「歴史的必然」みたいな思考法を「公理」に掲げてそこから演繹して「資本主義社会は崩壊する」という主張を正当化したため、確率論的思考法ができなくなってなんでもかんでも「歴史的必然かどうか？」でしか物事を考えられなくなってしまったためです。彼らにすれば「地球は丸いのは歴史的必然の結果である」とすぐに答えが出るでしょう。彼らにすれば「原子力は資本主義国家のアメリカが使用する限り、危険であり、社会主義国家のソ連、中国、北朝鮮の原子力は安全である。」という結論がすぐに、導かれます。

私の勝手な予測ですが、質問者さんは「ソ連、現在のロシア、及び中国、北朝鮮の持つ原子力は絶対安全である。アメリカ及びEU諸国、日本国が運用する原子力安全だけが危険である？」とひょっとして考えておられません？そうでないことを、私は祈りますが・・・。

残念ながら、私の経験では原子力は危険であるという人は「ソ連、現在のロシア、及び中国、北朝鮮の持つ原子力は絶対安全である。アメリカ及びEU諸国、日本国が運用する原子力安全だけが危険である？」という人ばかりです。

「絶対安全の公理」とは、「少しでも危険の要素があれば、それは危険である」という思考法です。例えば、道を歩いていて交通事故に合う可能性があれば、その道路を歩くことは危険であって、その道路は危険な道路であるという考え方です。「相対安全の公理」とは、安全かどうか危険かどうかは、ぞの事態が起こりうる確率に依存するという考えです。例えば、道を歩いていて交通事故に合う可能性があっても「そういう死亡事故は10年に１度起きるかどうかの話です。私には関係ないです。」みたいな考え方です。

原子力発電を認めるかどうかの国会協議の過程で、左翼政党が「原子力発電は絶対安全か？」と質問して、売り言葉に回言葉で「原子力発電は絶対安全である」と通産省や政府自民党が回答しましたが、マスコミがこういうやりとりのバカバカしさを見抜けず、今でも平気でこういう議論を蒸し返しています。

質問者さんは、「安全性に関する物事の判断は奥行きが深い」ということが、ご理解いただければ幸いです。

補足

『私の勝手な予測ですが、質問者さんは「ソ連、現在のロシア、及び中国、北朝鮮の持つ原子力は絶対安全である。アメリカ及びEU諸国、日本国が運用する原子力安全だけが危険である？」とひょっとして考えておられません？そうでないことを、私は祈りますが・・・。
残念ながら、私の経験では原子力は危険であるという人は「ソ連、現在のロシア、及び中国、北朝鮮の持つ原子力は絶対安全である。アメリカ及びEU諸国、日本国が運用する原子力安全だけが危険である？」という人ばかりです。』
いや～そうじゃないのですが、昔は、長崎、広島の原爆被害者の問題やチェルノビルの問題で漠然と、日本の原発も絶対危険なものだと思い込まされていました。しかし、冷静に考えると、阪神大震災の時も、新潟大地震の時も、現実に原発工場潰れても、そのような大問題が発生しても、放射能汚染の問題は、全くなかったので、逆説的に安全が立証されたと。そうすると、これは、昔、ソヴィエトや中国や北朝鮮が素晴らしいと言っていた人たちのデマゴギでもあると断定しました。
又、理論的科学的に安全だと立証されているのがわかりました。といっても人為的ミスで問題は発生はするでしょうが・・・・・。絶対性といえども相対性ですから。