>音大卒業者は演奏家のほかに、具体的にどのような職業に就いているのでしょうか?
【演奏に関わる仕事】
■プロのオーケストラや吹奏楽団などに就職した演奏家
本当に上手な人達。こういう人たちは音大入学時から別格。つまり、高校生の時から別格。
こういう人達は教える仕事もする。
大体は世間の並以上の収入がある。一部は1000万円以上の高年収。
普通の会社に就職するのと同じなので、所属団体が倒産しない限りは安定。
ただし、演奏能力を維持出来ないと解雇される可能性はある。事故や病気などで演奏出来なくなった場合も退職を迫られる。
■音大、音高の先生
教える仕事の中で最上級なのがこれ。
オーケストラの団員などではこういう先生をやっている人も多い。
音大や音高で教える人は演奏家レベル。プロとしての演奏活動もしている。
大体は世間の並以上の収入がある。一部は1000万円以上の高年収。
こちらも演奏能力が無くなると契約解除、解雇される。
■音楽教室の楽器の先生
レベルのバラツキがある。演奏家レベルの人とそうでない人がいる。
もちろんトップクラスの演奏家も多いが、演奏での仕事は無いような人もいる。ここまでは「プロ」と呼べる。
収入にバラツキがある。世間の並以上の人から、低所得者層までいる。
■自宅教室での楽器の先生
これも同様。プロの演奏団体の人は学校の他にも自宅で個人的に教えたりもする。
だが、演奏能力が非常に低いにも関わらず自宅で教室を開く人もいる。「プロ」と呼べるかどうか怪しい人達も多い。
収入にバラツキがある。世間の並以上の人から、低所得者層までいる。
■フリーランスの演奏家
自分の演奏会、プロの演奏団体の助っ人の仕事、CMやテレビ等の録音の仕事、単発の演奏会の仕事、教える仕事などをこなす。
プロの演奏団体の演奏家と同等の人も多いが、相当レベルの低い人もいる。収入も非常に差がある。年収1000万円オーバーから年収200万円以下のワーキングプアまで様々。
個人的に演奏の仕事が来る。依頼が来ない人は仕事が無い状態。
どんなに優秀でも、仕事が来る人脈を作れないと無職。
音大卒業後にフリーランスでやっていける人は、ほとんどが在学中から演奏の仕事の依頼がある。逆に言えば、在学中に仕事の依頼が来なければ卒業後にも仕事は無い。在学中から仕事をしたければ在学中にプロとしてのレベルが求められる。下手だけど音大で頑張る!音大に入っていっぱい練習して上手くなりたい!という感覚だと、在学中には仕事が来ない。よって卒業後にも仕事は無い。
音楽教室との契約をしていない人は、本当に何の後ろ盾も無い状態。
手帳に書いてある仕事が収入の全て。怪我をしたり病気になったら仕事が出来ず、収入が無くなる。この状態が長く続くと信用を失い、仕事が来なくなる。そうなると収入を得られる見通しが無くなる。
クレジットカードが作れず、ローンを組めない人もいる。
家や土地なんて絶対買えない、車も買えない、結婚も出来ない、っていうのがリアルな人達も多いです。
中途半端に上手だから夢を諦めきれず、いつまでも続けてしまった人に多い。
(音大在学中にあまり上手になれず、卒業後にも演奏の仕事があまり無いまま夢を諦めずに演奏活動を続けてしまうと、上記のようになる可能性が大きいです。演奏に自信が無いのであれば、音大に行かない、音大に行っても大学3年で就活を始め、演奏家にはならないという決断をする勇気も必要です。マジで首をくくるハメになります。)
【演奏には関わらないけれど音楽と関係のある仕事】
■普通の学校の音楽の先生
■楽器店、楽譜店等の店員さん(社員、非正社員)
■プロの演奏団体の職員
■音楽事務所の社員(正社員、非正社員)
■ホールなどの音楽に関係のある施設の職員
■オーケストラ等の裏方専門の会社の社員(正社員、非正社員)
この人たちは、大学在学中もしくは卒業後に演奏家を断念した人達。
普通の会社と同じような生活をしている人もいれば、超零細企業まで様々。
音大は就職のケアが無いので、自分の人脈をフルに活かし、自分の力でなんとかしたのがこの人達。
思い切って見切りをつけ、まともな人生を歩む方を優先した、勇気のある人たち。
【音楽に全く関係のない仕事】
■これはほんとに色々
この人達も、演奏家を断念し、なんとか頑張った人たち。
思い切って見切りをつけ、まともな人生を歩む方を優先した、勇気のある人たち。
普通の会社員からバイト、派遣社員、ニートまで様々。
>また、何か先生とか他の職業をしながら演奏活動をしているような人っていますか?
沢山いますよ。
ここで肝心なのは、お金を貰う演奏活動なのかどうかということです。
音大卒業生は、普通の仕事をしながら趣味として演奏活動を続ける人の方が殆どですよ。もちろん一切楽器を辞めてしまう人もいます。
>できればどの音大がどのくらいのレベルなのか、ということも教えてほしいです。
最近はAO入試を行なっている音大も増えてきたので、簡単な曲を1曲吹けるだけで入れる音大もありますよ。おそらく、殆どの吹奏楽部員は1浪すればどこかの音大に入ることが出来ると思います。
ただし、入れるだけです。
こういう感じで入学できる音大はたいてい大人数の学校なので、学内の演奏会などの出演者は成績優秀者の選抜になります。
なので、大きな本番に1回も出れないまま学生生活が終わる可能性も十分にあります。かろうじて入学した人は特に可能性が大きいです。
音大というのは、下手な人を上手にしてくれる場所ではないんです。
入学の段階ですでに上手な人に対して、プロになるチャンスを与える場所なんです。
この点を理解しておかないと後悔しますよ。
無責任に音大進学を勧める人は結構いるんです。
大学卒業後はどうしたいですか?経済的に親から自立したいですか?
音大に絶対行くなとは言いません。集中して音楽を学べる貴重な場所です。一生モノの勉強も出来ます。ただし、収入や将来への安定には結びつかない可能性の方が大きいんです。今の時点であまり上手でないと自覚しているのならばなおさらです。
音大は勉強だけと割り切り、卒業後はどこかにきちんと正社員で就職するという決意も必要です。
とにかく後悔しないでください。
他にも情報が必要ならば、分かる範囲で提供します。
投稿日時 - 2008-06-04 23:51:50