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なぜ一夫多妻でなければならないのでしょうか?

Yusuraの回答

  • Yusura
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回答No.8

 逆にお聞きしたいです。大昔から生きてきたわけではないので、私には昔の人間が一夫多妻制であったかどうか、わからないので。  もし古代、人間がまだ今より毛深くて明瞭な言葉ももたず、群れをなして簡単な道具で動物をしとめたり冬に備えて果実をもいだり採集したりして細々と生活していた時代に、一夫多妻制だったといのなら、それは「制度」であったというよりも、単純に男性の数がより少なかったから、かもしれないと私は思います。特に、危機を乗り越えるだけの知識と経験をもち、リーダーシップを振るえるほどに成熟した男性の数ともなると、より少なかったのではないかと思います。  だって、人間が繁殖の単位を考えるとき、石器時代を想像していたとしても、ある程度まとまった少人数の家族で考えるのではないかと思うからです。一夫多妻制なら、もっと違った形(男女全く別で四季のほとんどを過ごすとか、何十人もの大家族とか)で想像してみる事だってできたはずです。  別に、生物学的な視点から一夫多妻制に傾かなかった理由もいくつかあります。一つには、人間のメスはそうぽっぽこ子供を産めない点です。子供は長い妊娠期間(メスは身重の間、動きが鈍く、餌をとるのにも不自由するようになります)を経て生まれた後も、かなり長い年月保護しないと独り立ちできるようにはなりません。  多くの一夫多妻制の動物、あるいは父親が育児に参加しない動物の場合、はっきりした特徴があります。一つには、メスが餌をとるのが簡単なこと(周囲に餌が豊富でわずかな労力で得られる、せめて雑食性であるなど)、次に子供の成育期間が短いことです。オス・メスの両親がそろって子育てをする、あるいは群れ全体でバックアップする動物の場合、母親一人で子育てするよりも圧倒的なメリットは、成熟した一人よりも二人以上に守られることで、成人率を飛躍的に高められる傾向にある、と考えられています。  要するに、生みっぱなしの子供の場合、小さいうちに食べられてしまったり死んでしまったりするので量を生まなくてはなりません。しかし、一人の子供を育てるのに大変な労力はいるわ子供はいっぺんにたくさん産めないわという動物の場合、量より質作戦で子供を守らないと、子供の死亡率が高い場合、種として長続きしにくいとは思いませんか?  また、もう一つ、一夫多妻制の動物の場合、オス側から見ても特徴があります。一夫多妻制の動物の場合、メスの数が多くなればなるほど、オスの君臨期間は短く、メスとの体格差がより大きく、戦いはシビアに、なのにメスの浮気はより激しくなる傾向にあります。  ぬくぬくした文明社会にいる男性から見て、若いメスをたくさん抱えられるなんてハーレムだ・・・と嬉しくなるものかもしれません。  しかし、お考え下さい。現実の世界では、オスのほうがより多く(男:女=53:47ぐらいのはずです)生まれてくるんです。男性のほうが数が少ないのでもない男女比がほぼ1:1の状況では、多くの女性を一人で抱え込む男性ばかりだと、あぶれる男性のほうが多くなります。そのため、ハーレムを抱えられるオスというのは常に複数のライバルから虎視眈々とその座を狙われることになります。その座につけるのは少数です。しかも、メスの数が増えれば増えるほど、その扶養負担は倍加していくことになり、結果それを扶養できるだけの能力を備えたオスも少なくなります。その上、自分の娘との婚姻を避けるため、またはそれほど長い間全盛期の力を維持できるものではないため、ハーレムのボスとして君臨できる期間は短くなります。  人間で言うと、お金持ちで容姿もよくて頭が切れてそつのない性格をして勇気があってケンかも強い、そういう男性だけが女性と十数年ほど結婚できるようになります。(・・・ちょっと現実的じゃないですね。)また、そういう動物はメスが若いオスと突発的な浮気に走りやすいという報告がいくつかあります。別のオスの遺伝子に分散させようという戦略なのでしょうか?  一夫多妻制の動物は、人間の男性の目から見たらうらやましいこともあるかもしれませんが、実際にはオスは使い捨てという側面も持っているんです。  人間の子供のことを考えれば、一夫一妻制に近くなったのはかなり現実的なことだと私は思います。実際に、浮気はオスだけの専売特許ではありませんしね。  メスは子供を育てなければならない(自分のおなかの中で)という負担が課せられたかわり、生んだ子供は絶対に自分の子供だという保証があります。一夫多妻制では、自分の子供を確保するためにメスを囲ったはずが、実際にはその保証は薄れていると考えられています。  オスが自分の子供を確保する方法は二つ、メスをたくさん囲って量を確保するか、メスとの間にしっかりした絆を確保してメス自ら他のオスを拒むようにしむけることです。一夫多妻制では、後者の絆は薄くなりがちです。  実は、仰るような疑問は今までの学者の頭にも浮かんだようです。60年代と70年代、生活共同村落で計画的な雑婚の形が模索され、一夫多妻制、または多夫多妻制が試されましたが、いずれも失敗に終わったそうです。理由は、人間の嫉妬です。女性が男性への浮気に苦しむこともあれば、同じ女性をねたむこともあり、男性もより好みのパートナーを持つ同性を妬んだり、他の男性のパートナーともなっている女性への嫉妬などがあって結局、村落そのものが瓦解したそうです。  一夫一妻制は問題のある制度かもしれませんが、合理的・現実的には軋轢を起こしつつもこの制度がまだ一番ましなんだということかもしれません。  回答が長くなっていますが、最大の疑問が残っています。人間の子供は、ご存知のように手厚い保護が必要です。そのために両親が協力して子育てにあたることでその子供の生存率を高めるのが一夫一妻制の目的であれば、両親の絆の崩壊は子供の生存にとってきわめて大きな脅威であるはずです。それにも関わらず、なぜしばしばあっけなく男女の絆は壊れるのか、という疑問です。  これは私にはわかりませんし、人間はずっとわからないほうがいいかもしれませんね。ただ、人間の行動は四角四面のものではなく、大きな柔軟性と順応性を備えたものです。生存のために、これは強い味方だったのではないかと思います。だから、今ここでご質問なさっているように、一夫一妻制は多くの人間にとって不完全なものに映るのかもしれません。そしてこれからもそうかもしれません。  実を言うと、K戦略とr戦略ということが言われています。  男女の別を問わず、人口の一定の割合は貞淑型と放埓型に分類できる、とするものです。これは、一夫一妻制ががっちり守られていると、実は浮気が多いタイプは鳥のカッコウのように、自分の子供を他人に育てさせることができるということになります。そうすると貞淑型(一夫一妻制)は不利ですよね。自分の子供のつもりが他人の子供を育てているということは、長い年月自分の子供をもてないことになります。しかし、そのため浮気型が増えると、子供の生存率が下がる(片親が子育てをするため)ことになり、確実に子供を育て上げる貞淑型のほうが有利になる、という説です。  これはまあお遊びの説だとしても、時代ごと、階層ごとに実際にそのように見えるラインを描いている社会があるのも確かです。  回答が長くなりすぎて、ちょっとわけがわからなくなっていますが・・・私がいいたいのは、一夫多妻制が本来の人間の姿かというとそうとは思えませんということです。これから女性が一人で子供を育てるのにもっと負担が減れば、人間は一夫多妻制に移行していくのかもしれませんね。

noname#2623
質問者

お礼

なんてすばらしいのでしょうか! こんなにも一生懸命に回答してくれるなんて、それだけでもものすごく感動しました。 制度ではなく必然であったのではないか?という説には同意します。 人間という生物がいくら理性的であったとしても、言語も不明瞭だった時代に「制度」が生まれうるとは考えられませんからね。 生物学的視点の意見についてなのですが、これには多少疑問が残ります。 種としての性質から行動(一夫多妻か否か)が必然として定められるのと同時に、行動に適応するために種の性質が適応していかなければならないと思うのです。 つまり、二人(オスとメス)で子供を育てて成人率を高めようとするならば、徐々にであってもそれに適応していくはずです。オスは少なくともパートナーが妊娠し子育てをしている期間は他の女性への性欲が弱まらなければならないはずです。しかし、現実はそうなっていません。もしかすると我々は過渡期にあるだけで、あと数千年もすればオスの性欲はそのように適応するのかもしれませんが。 Yusuraさんの回答には進化という概念がすっぽりと抜けているように思うのですがどうでしょうか? もし本来一夫多妻は本来の姿でないならば、なぜそのように人間は適応しきれないのか?という疑問が残るのです。具体的に言えばオスの本能を十分に説明しきれないのです。 が、そもそも「適応するために進化する」という考え自体が誤っていて、進化というものは偶発的にしか起こりえないものかもしれません。もうすこし僕も進化について勉強する必要がありそうですね。 (注:これは批判であって、非難ではありません。よりもっともらしい結論を得るために建設的に批判させて頂きます。Yusuraさんの回答自体には大変感謝しております) ありがとうございました。

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