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(閑さや岩にしみ入蝉の声)「閑かさや」?、「閑けさや」?

kimosabeの回答

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  • kimosabe
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回答No.5

以下の文献で、「しづかなり」「しづかさ」、および「しづけし」「しづけさ」の例を拾ってみました。 「しづか」系は、以下に示す(数字はページ・行)24例の所在が確認できましたが、「しづけし」系は1例もありませんでした。 ここからどうお考えになるかは、質問者様にお任せするとして、私はデータを提供するだけで失礼いたします。なお以下に挙げる各例はまったく吟味しておりません。芭蕉以外の人物の使用例も含まれています。同じ句が重複していることもあります。いちいち例文を挙げればよいのでしょうが、さすがに面倒なのでやめました。あしからずご了承ください。 日本古典文学大系45巻『芭蕉句集』 46・8 102・11 173・8 348・5 374・4 406・3 429・2 457・2 497・2 513・5 日本古典文学大系46巻『芭蕉文集』 76・14 83・3 87・3 145・2 147・15 156・13 174・1 179・15 182・11 184・8 186・7 189・2 213・15 419・11

sono-higurashi
質問者

お礼

救世主現わる、です。詳細な至れり尽くせりのお膳立てには頭が下がります。短兵急に決め付けてよいのか否か判りませんが、お蔭様で受け売りでなく自分なりの現時点での結論をもてました。 調べて下さった24例は”しづか”を「閑」、「静」、「しづか」、「閒」の何れかで書き表しています。それぞれ参考になりましたが、今回の質問に最も直結すると思われる用例についてのみ触れておきます。 日本古典文学大系46巻『芭蕉文集』、P419・11に「しづかさやゑかゝる壁のきりぎりす」があります。これは「閑さや岩にしみ入蝉の声」と句想(というのか、感動というのか)が全く同一です。この作品から芭蕉はこの種の閑寂から受ける感動を「しづかさや」と表現していた事が判ります。よって「閑さや」は「しづかさや」と仮名を振り「しずかさや」と音読されるべきだと判断しました。 たった一例から結論付けて良いものやら心配です。が、同一人物の元禄4年と元禄2-4年の作ですから、この件に限っては結論づけて良いのだと思います。こんな結論をもちました。 素人の暇つぶしみたいな質問に正面から時間を掛けて下さって感謝しています。実証とはこういうことだと教えられた気がします。 毎度のことで有り難とうございます。またの機会にもよろしくお願いします。 なお、 >>「しづけし」系は1例もありませんでした。 この件は全く、その通りでした。 休日になれば回答してやろうという方があってはいけないので20日(日)24時までは締め切らないでおきます。ご了承下さいませ。

sono-higurashi
質問者

補足

何の疑問もありませんが手間暇の掛かったお答に対して、あまり素っ気無いお礼はできない気がしますので疑問の生じた背景を記します。 急がば回れで「静かさ」と「静けさ」から始めます。 1 「静かさ」と「静けさ」は似て非なる単語で、私の感覚では、ア)とウ)は自然だが、イ)は不自然である。 ア)A車とB車、どちらが静かだろう、「静かさ」を比べてみよう。 イ)A車とB車、どちらが静かだろう、「静けさ」を比べてみよう。 ウ)C基地とD基地、最近どちらが静かになっただろう、「静かさ」を比べてみよう。 つまり、 「静かさ」は静かな状態の度合いであって幅があり騒々しいものにも適用できる場合がある。 「静けさ」は極めて静かな状態の度合いであって幅が狭く静かでないものには適用できない。 2 翻って芭蕉の時代の「閑かさ」と「閑けさ」に差異はなかったのか。現代人の私の感覚では、エ)とカ)は自然だが、オ)は不自然である(エは異論があるかも)。 エ)縁日のE寺と縁日のF寺、どちらが閑かだろう、「閑かさ」を比べてみよう。 オ)縁日のE寺と縁日のF寺、どちらが閑かだろう、「閑けさ」を比べてみよう。 カ)雪の日の深夜と雪の日の明け方、どちらが閑かだろう、「閑けさ」を比べてみよう。 つまり、 「閑かさ」は閑寂な状態の度合いであって幅があり、全く閑寂な状態から閑寂でない状態まで適用できる場合がある。 「閑けさ」は極めて閑寂な状態の度合いであって幅が狭く閑寂でないものには適用できない。こういう事情がなかったといえるのか。 3 2がはっきりしないと判らないが、芭蕉の感動は立石寺境内の絶対の閑寂にあるのだから「閑けさや」ではないのか。 4 芭蕉は「入」と書いて「いる」と読ませている。「閑さや」と書いて「しづけさや」と読ませる位のことはしなかったか。 以上が疑問の発端でした。 形容動詞「閑か/静か」には名詞「しづかさ」があって、形容詞「静けし」には名詞「しづけさ」が見つからないことには関心をもつべきなのか否か、形容動詞の造語力なんぞというものと関連があるのかないのか、今は判りません。

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