一次元の箱中の光子

このQ&Aのポイント
  • 共役ポリエンを一次元の箱とみなすと、ブタジエン、ビタミンA、カロテンの色の違いは共役鎖の長さによるものです。
  • ブタジエンは短い波長しか吸収できず、ビタミンAは部分的に可視光を吸収して橙黄色になり、カロテンは赤色領域だけを残して他の波長を吸収してルビー赤となります。
  • ビタミンAの332nmでの最も強い吸収は、ビタミンAの電子遷移のエネルギーに関連しており、この値を用いてビタミンAの共役鎖の長さを推定することができます。
回答を見る
  • ベストアンサー

一次元の箱中の光子

共役ポリエンは近似的に直線状一次元的な箱とみなせる。ここで三つのポリエン、すなわちブタジエン、ビタミンA、カロテンを考える。共役鎖(箱とみなすことのできる部分)の長さはブタジエン<ビタミンA<カロテンである。 これらのポリエンの色はブタジエンは無色、ビタミンAは橙黄色、カロテンはルビー赤である。共役鎖の長さに基づいてこれらの化合物の色を定性的に説明せよ。(注:対象となってくるのは吸収される光であって放射される光ではない) このような問題で自分は以下のように考えたのですが正しいのでしょうか。 ブタジエンは箱が小さいため短い波長しか吸収できず、そのため可視光部分の波長の光は吸収できないために無色になる。 ビタミンAは3つのなかで箱の大きさは中くらいであるが、可視光領域の波長の一部分を吸収するため橙黄色となる。 カロテンは箱が大きいため可視光の赤色領域だけを残してそれより短い波長をすべて吸収してしまうため、ルビー赤となる。 また、もう一問あるのですが、 ビタミンAには332nmで最も強い吸収がある。この値を使って電子遷移のエネルギーを求め、ビタミンAの"箱"の長さを推定せよ。 このような問題なのですが、この、「332nmで最も強い吸収がある」というのはどういうことなのでしょうか?とりあえず、この最も強い吸収がなぜあるのか、また、何を意味しているのかが分からないため手がつけられない状況です。どなたかこの意味を説明していただけないでしょうか。 どなたかお分かりになる方、ご教授いただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

  • Phis
  • お礼率92% (71/77)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • astra0641
  • ベストアンサー率64% (34/53)
回答No.1

前半の問題はともかく、後半の問題まで考えると半定量的な理解が必須だと思います。 考えなければいけない要因は2つあります。一つは文中にある箱の長さです。もう一つは、箱の中にある電子の数です。一番低いエネルギーの光の吸収は、電子が占有しているもっともエネルギーの高い状態(いわゆるHOMOというやつです)と電子が存在していないもっともエネルギーの低い状態(LUMO)の間の電子遷移になります。共役ポリエンの場合は、HOMOもLUMOもπ電子由来の軌道から生じます。π電子は共役あたり2個あり、パウリの排他原理より一つの軌道に入れる電子数は2個ですから、それぞれの物質について、二重結合の数を数えれば、下から何番目の軌道まで占有されているかが求められます。あとは、その軌道と一つ上の軌道のエネルギー差を(1次元井戸型ポテンシャルのエネルギーレベルの式を使って)求めてやれば、それが、非常にあらい近似したでの吸収は長を与えます。このあたりの話は、アトキンスの物理化学(上)の演習問題で見た記憶がありますので、そのあたりを探されてはいかがでしょうか。 質問文中にしめされた前半部分の回答は、箱が小さいと吸収が短波長側になる理由が示されていないので、私の個人的な感覚では定性的な説明としては不充分であると思います。(何故もっとも長い吸収は長が箱の長さに依存するのかが示されてないです。箱の長さが長くなると、1次元井戸型ポテンシャル中の粒子のエネルギーが低下することと、一方ででHOMOの量子数は大きくなりエネルギーは高くなるけれども、全体としてはHOMOとLUMOのエネルギー差は共役の個数が増えるに従って小さくなることを示さないといけないでしょう)

Phis
質問者

お礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。 しかし、お答えいただいた解答を参考にしながら何とか解くことが出来ました。本当にありがとうございました。

関連するQ&A

  • オゾンの光吸収波長について

    オゾンは260nm付近の紫外線を吸収しますが、それ以外でも吸収すると聞きました。(可視・赤外領域)オゾンの正確な光吸収波長を調べています。正確な波長がわかる方宜しくお願いします。

  • 人参に含まれているビタミンA、βカロチンについて

    人参に含まれているビタミンA、βカロチンについて 生化学の実験で人参中に含まれるビタミンA、βカロチンの濃度を測定しました。 吸光度はβカロチンの測定に用いられる453nmでは高い値を示し、ビタミンAの測定に用いられる325nmではごく低い値を示しました。 その吸光度を計算して、にんじんの中のビタミンAの濃度を割り出したんですが9(μg/dL)程ありました。 でも、ビタミンAはβカロチンという形で人参の中に含まれていて、体内で変換されますよね。今回の実験結果だとにんじんの時点でにビタミンAがわずかに入っていたという事になりますが、これってやはりおかしいんでしょうか? 実験結果に素直にビタミンAの濃度を書いていいのか迷っています。 βカロチンは325nmでも少しは吸収すると思うのでそのβカロチンの吸光度から濃度を割り出したと考えていいんでしょうか??

  • 物理の問題

    カロテンは451nmの光を吸収する。 1)451nmの光エネルギーを計算せよ 2)この吸収はn=11→12のエネルギー差に等しい。下式からa(電子の自由に動ける領域の長さ)を計算せよ En=(nh)^2/(8ma^2) m=9.11×10^-31、h=6.63×10^-34 上の問題がわからなくて困ってます。 1)は解けるんですが、2)をどのように解けばいいかわかりません。 どなたか解答お願いします。

  • エチレンとブタジエンの波長

    エチレンとブタジエンの波長は ブタジエンのほうが長い波長の光を 吸収するらしいのですがどうしてか教えてください。 お願いします。

  • 可視光領域外の光が見える!?

    ある研究室の先生の話なのですが、可視光領域外の光が見えると言っています。具体的には、ラマン分光計を使った研究をしているのですが、測定波長である785nmと1064nmのレーザー光を何と目で確認しながら測定していると言ってました・・・ 人の可視領域は380~780nm付近なのですが、この先生は超人的な視力の持ち主ということでしょうか?それとも訓練次第では可視光以外の光を見ることが可能ということなのでしょうか? ちょっと驚きの事実だったのですが、調べてもわからないので質問させていただきました。よろしくお願いします。

  • グリシンを合成したのですが・・・

    実験で、グリシンを合成しました。 ニンヒドリン反応なども行い、グリシンということは確認できたのですが、UVの測定器にかけたところ、200nm以上の可視光領域に吸収はほとんど見られませんでした。 これは本当にグリシンなのでしょうか? グリシンだとしたら、何故可視光領域に吸収がないのかを教えていただけると助かります。

  • 化学

    ある錯体のd-d遷移の極大吸収波長が450nm付近に観測された。可視光の吸収領域にd-d遷移が観測されるとすればこの錯体は何色に見えるか?

  • 光伝導性の問題です。

    半導体、絶縁体のバンドギャップは Si (Eg=1.9×10^-19J), Ge (Eg=1.3×10^-19J), Cds (Eg=3.8×10^-19J)である。 どの物質が可視光の波長全体にわたる光伝導性をしめすか? ただし、可視光の波長領域は450nm~600nmとする。 という問題なのですがどうやって解いたらいいのかわかりません。 誰か教えて下さいおねがいします。

  • 光 色 問題

    可視光の中で波長の最も短い光は何色か。その波長をnm、um、m単位で示せ。 (1)その波長をnm、um、m単位で表わせ。 (2)可視光の中で波長の最も長い光は何色か。その波長をnm、um、m単位で示せ。 解き方お願いします。

  • 光の波長についての質問です

    光の波長を細かく見ていくと種類があります X線、紫外、可視、赤外領域、マイクロ波、超短波、ラジオ波 これらは波長に長さによって名前が変わっているのだと私理解しています。 ここで質問なんですが 10⁹~10⁷がX線の光の波長 10⁻³~10⁻⁵がラジオ波の光の波長 と書いているのですがnmやμmに直すにはどのような計算で直すことができるのでしょうか? 10⁻³とは逆数で1/10 × 1/10 × 1/10と考えればいいのでしょうか? 詳しことがわかわないので教えてください