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漢語の形容詞/形容動詞/連体詞への割り当ての規則

英語にとっての「形容詞 (adjective)」が日本語で形容詞、形容動詞、連体詞に割り当てられる様を動態的(ダイナミック)に記述しているものはありますか? たとえば、漢語が日本語への受容の過程で上の3パターンのいずれかに割り当てられますよね?これは恣意的なものなのか、ある程度規則があるものなのでしょうか? たとえば、大きな、小さな、おかしななどは連体詞とされていますが、漢語が連体詞になることはあるのでしょうか? また、漢語が形容詞になり、形容動詞にはならないケースは?その際の規則はありますか?その逆パターン(形容動詞になり、形容詞にはならない)はどうですか?

noname#41299
noname#41299

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回答No.1

「の形容詞」の項で回答申し上げたものです。 今回ご指摘の点は、いずれも国語における大問題(通時的・共時的に)ばかりであり、素人が思いつきを述べるには、敷居が高いと考えます。 私も、ここでは、回答を差し上げるというよりは、現状の自分の感想や狭い知見を、箇条書き的に述べることしかできません。あしからず。 1 まず、冒頭でお尋ねの書籍、または論文ですが、決定版といえるものを私は知りません。あれば私も読んでみたいと思います。この1点だけでも、改めてご質問なさったらいかがでしょうか。 2 次に、漢語は、もちろん名詞として日本語の」中に入っています。「エ(絵)」「ニク(肉)」「(ウ)マ(馬)」などは、漢語に由来しますが、現在では訓読み(つまり和語)と思われており、国語学的にも和語に分類されるまでになっているようです。 また「非」「不」「的」「性」「化」などの接辞も日本語に取り入れられ、広く使われています(→後記参照)。 さらに、漢語の中にはサ変動詞の語幹になるもの(心配+する=心配する)もあります。 また、漢文における書き下し文や和漢混淆文(漢字仮名交じり文)においても、当然、漢語は大きな影響を日本語に与えています。 よって、日本語における漢語受容を、連体修飾的語彙(形容詞・形容動詞・連体詞)に限って見ていこうとするのは、研究論文のテーマとしては非常に興味深いと思いますが、少し視野が狭いかな、という気もします(妄言多謝)。 3 連体詞の成立過程 連体詞は形態から五つの型に分けられます(便宜的、かつ学校文法レベルでの話)が、そのほとんど(すべてといえるかもしれない)が、他の品詞からの転成です。(以下、完璧な語誌ではありません。) ・(代)名詞+助詞「の」・・この、ほんの、など ・(代)名詞+助詞「が」・・我が、たかが、など ・活用語+助動詞「た」・・たいした・とんだ、など ・形容動詞の連体形など・・大きな・小さな、など ・動詞、動詞+助動詞「ゆ」・・ある、きたる、さる、いわゆる、あらゆる、など 以上を見ると、「ほんの」には「本」、「たいした」には「大」という漢語が見られますが、そこに漢語ゆえの法則性はないと思います。 4 上に「心配する」という語例を挙げましたが、「心配」は形容動詞の語幹にもなります(心配だ)。このような漢語はごく少数で、他には「安心」などがあるぐらいで、ぱっとは思いつきません。 そこで、どんな品詞の語幹になるかという観点から整理すると、漢語(特に二字熟語の場合)は、 (1)サ変動詞・形容動詞両方の語幹になるもの・・ごく少数 (2)サ変動詞だけの語幹になるもの・・多数 (3)形容動詞だけの語幹になるもの・・多数 (4)いずれの語幹にもならないもの・・多数 に分けられます。 (4)は、連体修飾語になるときには助詞「の」を下接しますが、(1)~(3)の漢語も、助詞「の」を下接することがあります。この問題については、詳しく述べた本・論文・URLがあったと記憶していますが、今、はっきりしません(確か飯間ーいいまーさんという専門家のHPにもあった)。 5 4に関連し、どのような漢語が4(1)~(4)に分類されるのか。これは、各漢語の意味構造にかかわってきます。もちろん、「~する」という動詞的意味を含んでいる漢語はサ変動詞の語幹になるし、「~な」という様子・状態的な意味を含んでいる漢語は形容動詞の語幹になるといえます。ここから逆算すると、「心配」「安心」などの漢語は、上記の二つの意味を含んだ両義的な少数派だということができそうです。 さらに、この点に関しては、漢語の構成という概念・範疇分けが有効だと考えます。 漢語の構成(詳細は漢和辞典などの付録等をご覧ください。つきつめれば中国語の語構成の問題になるのかもしれませんが)のうち、上の漢字がしたの漢字の目的語になっているものは、サ変動詞の語幹になりがちです。 例えば「握手(手を握る、と下から上へ読む)」は「握手する」となります。これらは、漢語自体に動詞を含んでいるので、当然といえば当然です。 仕事ある身であり、また浅学菲才の身でありながら分不相応なことを論じていることもあって、今日はこのぐらいにしたいと思います。 もしこのご質問を開いておいていただけるなら、九月杉に後半を述べたいと思います。 後半の内容は、 6 「し」と「な」の造語力について・・形容詞と形容動詞の比較 7 接尾語(的・性・化など)と造語力 8 「の」の意味・用法 9 前項の訂正・補足・・形容詞と形容動詞の違い 以上、個人的な感想の覚え書き程度のことしか書けず、重ね重ね、お詫び申し上げます。

noname#41299
質問者

お礼

もちろん、9月過ぎになっても開いておきます! 詳細に解説なされているにもかかわらず、読みやすかったです。 おかげさまでかなり近づきました。 本当にありがとう御座いました。

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