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電力会社に聞いても判らないので・・

kenchinの回答

  • kenchin
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回答No.10

決して非難なんて気持ちはありません。 ただひたすらに「電力として正しい情報をお伝えする 努力が足りていない」ってところに恐縮しながら、これ を書いております。  ※:結局、この努力の不足はdagakki1さんの場合    (1年放りっぱなし)と同じな訳ですね。 また、何かの資料もしくは誰かの話を元に、そのような 事を記憶されたのだとも推測するのですが、その資料の 訂正の意味を含めて駄文を書かせていただきます。 □ edogawaranpoさんがご理解いただいている事について。 確かに「原子力には保安電源が必要」ということは事実 でして、こいつを喪失すると、最悪は炉心溶融という シナリオも見えてきます。  ※:実際はそうも単純では無いのですけども、そこ    までテキストだけで説明すると、辛すぎる量に    なりますからご勘弁ください。 □ で、「原子力の保安電源確保のために水力の出力を増減 することがあるか?」といいますと、これは現実的には 発生しないんですね。  ○第一に遠近感を考えてみます。   浜手にある原子力の事情で、山にある水力側(恐   らく送電系統も別でしょう)の出力増減ってのは   ちょっと考えにくいんです。   それだけ長い系統なら、間には他の火力発電所等   が沢山ぶら下がっている訳でして、わざわざ低コ   ストの水力を絞ったりしなくても、火力を絞れば   事足りますから。  ○次に「水力の出力を絞る」って事です。   簡単に云うと、発電所も運転中には電力を消費し   ているのは事実でして、これは、その発電所が   送電系統に繋がっていれば、送電系統に充満して   いる電気をちょっと拝借して賄います。   ところが、水力で出力を絞る(発電系統以外で水を下   流に流す)ってのは、要するに    |その送電系統には電気が充満しすぎているから    |そのままでは送電線容量の問題等が出るので    |水を捨てても出力を落とさなくては仕方ない。   って状態でして、結局、送電系統には電気が余って   いる状態なんですね。   で、この時に片方で「保安電源の確保」という   「電源が足りない」状態があるとしたら、これは   矛盾した状態な訳です。   (片方では足りない、他方では余っている) ですから、ご理解いただいている内容は実は「ほぼ起こ り得ない」状態なんですね。   ※:確かに、複雑な送電系統の運用上、一瞬たり     ともあり得ないとは断言できませんが、常用     されることは考えられないです。 □  ○原子力が乗っている送電系統の需要が多すぎて   電力が不足している。 だから水力を動かす。  ○何らかの理由で、原子力が今までに水力が送ってい   た送電系統に入ってきた。   そのままでは送電線が過送電(造語ですが)状態   になって送電線が溶けちゃう。   かといって原子力は負荷追従しにくいし、停止し   てしまうと、uni050さんの書かれた様な理由で   再起動しにくい(再稼働までに電力需要が急に   上がったら、停止している原子力分の不足で停電   が発生する)なんて理由から、一時的に水力に   しわ寄せが行って、水力が発電停止する。    ※:この時にバイパス系統で放流しなくては      ならない理由は、他の方のご説明の通り。 □ 次に、保安電源(所内電源)の供給方法について。 まずは以下のような送電系統があると考えてください。  原子力--A--発電所変圧器----B--変電所--C--ご家庭  火 力--A--発電所変圧器----B----↑  ("↑"は火力が原子力と同じ変電所に入る意味) この系統のA~Cのどの部分で事故が起こっても、発電所 の電力を消費してくれるご家庭と発電所は切り離されま すから、発電量を捌ききれない状況になりまして、発電 所の出力を少なくしつつ、自分で消費する電力は、どこ からか調達する必要があります。 【例えばCでの事故なら】  出力については、絞っても良いのですが、変電所から  別のお客様に電気を振り替えて、振り替え先の送電線  に乗っていた負荷追従の容易な水力をや、水力の次に  負荷追従が容易(最悪は、送電先が全くなくても運転  しておける)火力の負荷を落として捌きます。  で、重要なのは、「この場合なら、原子力の運転or  安全な停止に必要な電力、変電所を経由して他の発電  所から貰うことも可能」ってことですね。 【例えばAやBでの事故なら】  この場合、発電所は外部の送電系統から全く切り離  された状態になりますから、先の様に送電先の振り  替えも不可能ですから、原子力自体も出力を絞る  事になります。(実際は停止ですが)  で、重要なのは「送電系統と切り離されているので  所内で使う電源も外から貰うことができまない」と  いうことです。  このため、原子力(に限らず火力もですが)では  これに必要な最低限の所内発電設備を持っている  わけです。 ですから、「どんなに無理をしても自前の電力は供給 しなくては行けない」ってのは、真実ではあるんですが 自前では供給できるんですね。   ※:自前の発電系統の事故は?ってのは、また     別の話になります。 □ で、ご回答の中にあった「保安電源用」の発電所の 話ですが....。 これまた上の図になるんですが、B点などで送電を切った 場合、これは   |発電所所内単独分の電力しか需要(負荷)が   |ない状態、すなわち「所内単独」と呼ばれる   |状態。 でして、定格出力からこの状態まで出力を急激に変化さ せると原子炉は停止せざるを得ません。 他方、火力ではこの急激な変化に追従できる可能性は あるのですが、成功するかどうかは火力発電所の運転 員の腕一つで、必ずしも成功するとは限りません。  ※:それまでガンガン蒸気を出してタービンを    回していたボイラが、急に「蒸気いらねー」と    云われるんで不安定になるんですね。    そうなると、短時間で自動停止回路が働く様な    状況に落ちちゃいますが、そこで腕の良い運転    員は、色々な調整操作を行ってボイラをなだめ    すかしながら低出力に安定させます。 つまり、「大きな火力を横に作っても、急激な負荷の 減少が起きると、火力も倒れちゃう」って事なんです。 で、対策としては  1.大きな出力の火力を、常に絞って運転する。  2.小さな火力(原子力の保安電源相当)の火力を    常にフル稼働させておく の二種類の対策がありますが、  ○1については不経済過ぎて、こんな不経済な状態   でないと原子力を動かせないなら、別の意味で   お客様に申し訳ない状態でして、これは採用しに   くいです。  ○2については東電の発電所構成を見ると、相当する   発電所はない様です。   また、「この方式を採用しないと安全じゃないだ   ろう」って理屈が出てくるかもしれないんですが   そこまで小さいものなら、わざわざ原子力の所外   に作る必要もなくて、現在のように「所内にその   ような非常電源装置を作る」って話にながれる   ほうが、原子炉と非常電源装置の間に余分な   送電線等が入らない分、故障確率が低くて良い   ですよね? ってことが言えるんですね。 □ まとめますと.....。 原子力(に限らず火力も)種々の装置のために保安 電源が必要だが、それは自分の中で供給できるように 所内に非常用の発電機を持つことが必須。 って事が言えますね。 ちなみに、スリーマイルの場合は配管系統の故障が 発端で、それに操作員のミスなどが加わった結果でして それ以上の機器故障等が加わっていたら、確かに炉心 溶融なんてシナリオもあり得たでしょうね。  ※:但し、「それ以上の機器故障まで」くる確率は    低いってことです。 確かに、起こり得ないこと    ではありませんから、この面から、そろそろ他の    エネルギー源への転換ってのは納得もできるん    ですけどね。    また、事実として、その当時の操作員ってのは    あとで経緯を見ると、「よくこれで操作員を    やってるな....」って感じでした。    日本のように、終身雇用制で同じ企業の同じ仕事    に一生を尽くす(それだけに誇りと努力が存在    するんですが)って習慣が薄い事が原因なんです    かね.....。

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