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消費貸借契約が片務契約であることの意味

 お世話になります。以下の4点についてご教授いただきたく存じます。 (1)消費貸借契約は片務契約であるとのことですが,借りたお金は当然返さなければなりません。とすると消費貸借契約とは,金を貸す側には金を渡す義務,借りる側には期限がきたら金を返す義務が発生する双務契約であるという風には考えられないのでしょうか? (2)消費貸借契約が片務契約とされる理由を自分なりに考えてみました…消費貸借契約は片務契約であると同時に要物契約でもあることを考慮すると,金を貸主から受け取った時点で,その消費貸借契約は完了すると考えるのでしょうか?また,もしそうであるならば「貸した金を返してくれ」というのは,消費貸借契約とはまた別の話になるということでしょうか? (3)貸した金を相手が返さない場合には債務不履行責任を問われると思うのですが,その際の責任というのは消費貸借契約の不履行ではなく,支払請求権に対する弁済の不履行について問われるという理解でよろしいのでしょうか? (4)貸した金を返せ!という権利は,民法が規定する消費貸借契約によるものではなく,あくまで当人同士の「お金を貸すから後日返してくれ」という約束によって発生する権利ということなのでしょうか?    変な質問ばかりですみませんが,よろしくお願いいたします。

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noname#21572
noname#21572
回答No.1

「金を貸す側には金を渡す義務」 とあるのですが、 金銭消費貸借契約は、金銭の交付を成立要件としていますから、もはや、契約成立後の貸主には、さらに、金銭を交付すべき義務は存在しないという感じです。 すなわち、要物契約ではないでしょうか。そうすると、貸主・借主との間の権利・義務については、借主が、約定とおりに貸主に金銭を返済すべき義務だけが残ることなり、この意味で、双務ではなく、片務契約となるのではないでしょうか。 「金を貸主から受け取った時点で,その消費貸借契約は完了すると考えるのでしょうか」 そうだと思います。すなわち、金銭を現実に交付された段階で、契約そのものが成立するという感じです。 「消費貸借契約の不履行ではなく,支払請求権にに対する弁済の不履行について問われるという理解でよろしいのでしょうか」 との点に関しては、 債務が存在するためには、基本となる契約関係の存在が前提となると思います(不法行為等を除き)。そうすると、債務の不履行は、その契約の内容、すなわち、金銭消費貸借ならば、金を返すという旨の約束を履行しなかったのですから、これは、すなわち、消費貸借契約の不履行といえると思います。支払請求権にに対する弁済の不履行と仰ってますが、これは、そもそも、同契約の内容をなす部分ではないでしょうか。 たとえば、内容が多岐にわたる場合、A債務については、履行があったが、B債務については、約旨に従った履行をなさない場合、これは、基本となる契約の不履行となるのであって、B債務の不履行というといった言葉的な表現はしないのが通常ではないでしょうか。いっている意味は同じで表現の仕方が異なるといった感じだと思います。 「民法が規定する消費貸借契約によるものではなく」 との点については、民法は、典型的な契約についてのみ、契約当事者間の意思表示の内容が不明等の場合、これを補充する目的で設けられた任意規定ですから、契約で同法の任意規定と異なる定めがある部分については、その定めが優先されるものと思います。ですから、契約関係に基づく請求権については、あくまでも、当事者の合意の内容によって、債権・債務が定まるのですから、 法規の存在を前提とした債権、たとえば、労基法20条の解雇予告手当請求権(もっとも、これを否定する見解もありますが)などは、「労基法に基づく」という言葉的表現を用いますが、 契約による権利の場合、「民法に基づく消費貸借契約に基づく請求権」といった表現はあまりせず、単に、「消費貸借契約に基づく請求権」というのが通常だと思います。 これは、あくまでも表現上の問題だと思われます。

zbh20978
質問者

お礼

 意味不明な質問だったかと思いますが,非常に丁寧にご回答くださり,ありがとうございます。extra-wandererさんのおかげで,大分頭の中が整理できました。確認させていただきたいのですが,つまり(消費貸借契約について)片務契約の「片務」というのは,「借主が,貸主に対してお金を返す義務」を指すということですよね?  実は私もそのような理解をしていたのですが,最近友人に聞いたところ,「消費貸借契約というのは要物契約だから,片務ってのは『貸主が借主にお金を渡す義務』のことだ」という回答をもらったんですね。そのような背景があったもので,「じゃあ片務契約っていうのに,借主がお金を返す義務が残るというのはどういうことなんだろう」という疑問が涌いてしまい,今回のような質問をさせていただいたのですが…  あと,加えてもう一点「民法は、典型的な契約についてのみ、契約当事者間の意思表示の内容が不明等の場合、これを補充する目的で設けられた任意規定ですから…」という部分を非常に興味深く感じました。近代私法の原則として「契約自由の原則」があるにもかかわらず,なぜ民法は典型契約についての規定をわざわざ設けているのか?という点について,もう少し詳しい解説をいただければ嬉しいです。厚かましくて申し訳ありませんが,もしよろしければお願いいたします。  長文,失礼しました。

その他の回答 (1)

noname#21572
noname#21572
回答No.2

「なぜ民法は典型契約についての規定をわざわざ設けているのか」 とのご質問ですが、民法の典型契約として定めの存在する売買、委任、贈与、寄託その他については、契約当事者間で、これらの任意規定については、お互いの意思の不明な場合や、取り決めのない点について、これらの任意規定を排除する意思がない限度で、当事者の契約の内容を補完する、と言った感じでしょうか。 文献等を何も見ずに書いてますので、正確な表現ではないかも知れません。 なぜ、典型契約についてのみ、これらの任意規定が存在するかについては、売買、雇用(これについては、労基法による修正を受ける)、賃貸借、消費貸借等の契約がもっとも、頻繁に取引界において、締結されるからではないでしょうか? 以前、新聞か何かに載っていましたが、今後の改正後の民法の契約法は、典型契約の内容を現代にあわせる形にする、例えばリース契約なども盛り込む方向だとのことです。

zbh20978
質問者

お礼

 リース契約についての件は,私も新聞で読んだ記憶があります。なるほど…頻繁な取引が予想される契約事例について,スムーズな取引の実現をサポートしているって感じなのでしょうね。ご回答くださり,ありがとうございました!

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