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シリコン型太陽電池について

旧来の太陽電池である、シリコン型太陽電池について質問です。光が当たる部分はP型半導体とN型半導体を抱き合わせて作るということが書いてあったのですが、電極に到達してしまった正孔は中央に戻ることはありませんよね。では、中央付近の正孔の大部分が電極に到達してしまう時点で、シリコン型太陽電池の寿命(耐用年数)を迎えるということになるのでしょうか? それに対して、「シリコンの結晶に光があたると,自由電子とホールが生じる」という記述を見かけたのですが、これは正しいのでしょうか?もしこれが正しいとすると、半導体に加える微量に加えるホウ素やリンはどのような役割なのでしょうか? そもそも、太陽のエネルギーはどのような形に変換され、電気エネルギーに変えられるのでしょうか?(色素増感型の場合は色素の電子遷移ということで分かりやすいのですが…)

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  • tetujin3
  • ベストアンサー率47% (116/246)
回答No.1

>中央付近の正孔の大部分が電極に到達してしまう時点で、シリコン型太陽電池の寿命(耐用年数)を迎えるということになるのでしょうか? 太陽電池の表面近くに作ったP-N接合部に太陽光が入ると,すぐにそこに電子,ホールが発生し,その数は太陽光の強さに比例します。時間がたつと電子,ホールはすぐに結合して消滅しますが,光が当っている間中,電子,および,ホールを発生し続けます。したがって,ホールの数は有限ではありません。 >「シリコンの結晶に光があたると,自由電子とホールが生じる」という記述を見かけたのですが、これは正しいのでしょうか? 正しいです。これが太陽電池の基本動作機構です。 >半導体に加える微量に加えるホウ素やリンはどのような役割なのでしょうか? シリコン原子の一部をリン原子と入れ替えると,リン原子の数だけ自由に動ける電子がシリコン基板内に現われます。この半導体をN型半導体といいます。 また、ホウ素原子と入れ替えると,その数だけ自由に動けるホールが現われます。この半導体をP型半導体といいます。 N型半導体は自由電子にとってたいへん居心地が良く,電圧が加わるとこれらの電子が+極方向に移動します。一方,P型半導体は自由ホールにとって居心地が良く,電圧が加われば、これらが-極方向に移動します。 一般の太陽電池は,P型半導体板とN型半導体板が合わさったP-N型接合構造をしています。P-N接合面には電子をN型側に,ホールをP型側に引っ張る超強力な電気力(電界)が発生し,電子,ホールの荷電粒子を居心地の良い方へ引き込むことになります。つまり,P-N接合の役割は,電子・ホールの分離です。 >そもそも、太陽のエネルギーはどのような形に変換され、電気エネルギーに変えられるのでしょうか? 上で述べましたが,光はシリコン原子に当ると,シリコン結晶の中に入っていてシリコン原子に拘束されている電子にぶつかり,電子を自由にすると同時に,その抜け穴(ホール)も自由に動けるようにします。すなわち,光はにより自由電子と自由ホールを発生させることが,シリコン型太陽電池の発電機構です。

その他の回答 (1)

回答No.2

「中央付近の正孔の大部分が電極に到達してしまう時点で、シリコン型太陽電池の寿命(耐用年数)を迎えるということになるのでしょうか?」→No. 電流が流れている状況は次のように考えればよいかと。 正孔が電極から汲み出される=電子が電極から注入される。 電子が他の電極から汲み出される=正孔がその電極から注入される。 即ち電流が流れることによりやがて電子や正孔が枯渇してしまう、などということにはなりません。 「「シリコンの結晶に光があたると,自由電子とホールが生じる」という記述を見かけたのですが、これは正しいのでしょうか?」→正しい。 「半導体に加える微量に加えるホウ素やリンはどのような役割なのでしょうか?」→P領域とN領域を作りPN接合部に拡散電位差を作るためです。この拡散電位差が無いと、シリコン内に自由電子や正孔が生じても外部へ取り出せる起電力は生じません。 「そもそも、太陽のエネルギーはどのような形に変換され、電気エネルギーに変えられるのでしょうか?」 →うーん、色素増感型を理解しておられる方に今更基礎的なことを説明するのもどうかと思いますが、やはりダイオードおよびフォトダイオードの教科書を再見されることをお薦めします。

Milk2005
質問者

お礼

ありがとうございました。色々質問を書きましたが、私が疑問だったのはひとつでした。ホールと電子を作るためにホウ素やリンを加える必要があったわけだから、太陽電池を使用中に新たに電子とホールを容易に作り出せるわけではないと勘違いしていました。 太陽の光は、シリコンから束縛電子を自由にすることができ、微量のホウ素とリンによってP領域とN領域に分けられていると、それが電気エネルギーに変わるのですね。

Milk2005
質問者

補足

ダイオードについてインターネットで少し調べてみましたが・・・。 普通のダイオードは、初めに微量に加えたホウ素やリンの数(mol数)を超えるだけの電子が流れることはないのですよね。でも太陽電池では太陽のエネルギーで新たにホールと電子のペアを作り出すことが出来るわけですね。

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