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明細書のクレームについて教えてください

noname#4746の回答

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noname#4746
noname#4746
回答No.4

 では、解説を。    その前に、特開2000-198049号公報の請求項3~7のように、他の請求項を引用する項を「従属請求項」といい、請求項1、2、8のように引用しない項を「独立請求項」といいます。  で、従属請求項の役割ですが、inoue-toro さんがいい例を挙げて下さってますので、これを使わせて頂いて説明します。  A+B が発明を構成するために必須であり、C、Dは「これがあるとさらに良い」とする場合は、  全部を独立請求項にして  【請求項1】A+B  【請求項2】A+B+C  【請求項3】A+B+D  【請求項4】A+B+C+D にしても構いません。しかし、こんな事をしていたら、例えばEがさらに加わったときには、Eが加わった独立請求項をいくつも作成しなければならなくなります。「それはそれで構わない」というなら差し支えはないのですが、日本では、請求項の数が多いと、審査請求時やその他の手続きの際にそれだけ手数料が高くなりますのであまりお勧めはできません。  ところが、従属請求項を作成すれば、請求項の数はぐっと減ります。上記の例なら、請求項3に「請求項1または請求項2記載の椅子において、さらにDを有する・・・」と記載すれば、請求項1の椅子は A+B で、これにDを有する場合が含まれることになりますから、請求項の数は3つでよいことになります。Eを加えたいなら、【請求項4】で「請求項1、請求項2または請求項3記載の椅子において、」とすればよいのです。    さて、本題の特開2000-198049号公報ですが、この公報に記載された発明は、段落【0003】によれば、「被加工物が分割あるいは合成されながら各工程を流れる生産工程において、その生産拠点が分散していても、工程間での品質情報の関連性などがわかり、したがって、品質改善や歩留まり改善に寄与できるロット管理方法」です(? 請求項8の「ロット管理システム」がなぜ記載されてないのでしょうか?)。  独立請求項には、これを達成するために必要な最低限の要素を入れればよいのですが、特開2000-198049号公報の場合、請求項1に記載されている手順と、請求項2に記載されている手順という互いに異なる2通りのアプローチがある、ということです。ただ、請求項2を読む限り、請求項2は請求項1の従属請求項にできるような気もしますが、請求項の記載は出願人が自分で決めるべき事なので(特許法第36条第5項)、この点は流しましょう。  そして、請求項3は、請求項1、2の従属請求項であり、請求項1、2の手順に「さらに、・・・工程間の被加工物の流れを制御する」という手順が加えられたものです。これが、「必須ではないけど、あれば好ましいもの」であり、No.2 で inoue-toro さんが説明されているものです。  次に、請求項4、5は、請求項1~3の従属請求項ですが、請求項3のような「要件の付加」ではなく、請求項1、2に記載されている「関連付け情報」として何が生成されるのかを具体的に明らかにしています。このような具体例を下位概念といいます。    なんでこのようなことをするのかというと、例えば、請求項4の記載事項をそのまま請求項1に移植したとすると、「関連付け情報」として他の情報を生成する場合、請求項1とは別の方法となるので権利侵害にならなくなります。言い換えれば、せっかく発明して世間に公開したのに、他人が抜け駆けするのを指をくわえて見守るハメになってしまいます。  【発明の実施の形態】では、ロット識別番号をロット識別情報としていますが、各請求項で「ロット識別番号」とはしていないのも同じ理由です。  なお、請求項4の「関連付け情報」と請求項5の「関連付け情報」を同時に生成することはできないので、請求項5を請求項4の従属請求項とすることはできません。  請求項6、7についても同様に考えて下されば結構ですので、割愛致します。  最後に、請求項8ですが、これは「管理システム」の構成です。よって、請求項1~7の「管理方法」と同一請求項に記載することはできませんので、別に独立請求項として作成しているだけです。  この説明でご理解頂けましたでしょうか?

ki-da
質問者

お礼

お礼が遅れてしまい、大変失礼しました。 kawarivさん、詳しいアドバイスありがとうございます。 クレームの基本的な構成と、 更に特許取得のために綿密に計画された構成があることがよくわかりました。 早速、クレームの構想を練ってみます。 今月中にアウトラインを固めようと思っています。 今回、自作する明細書においては、私にとって手始めであり、 「特許出願申請中」のタイトルをとりあえず取るというレベルですが、 まだ会社には沢山の出願したい内容がありますので、 ドンドン勉強していきたいと思います。 これからも、どうぞよろしくお願いいたします。 ありがとうございます。

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