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マルクス主義とナショナリズム

Adadadadaの回答

回答No.2

マルクス主義 簡単に言えば歴史を経済から(生産力と生産関係から)説明する考えかたです。 資本主義の登場によって 生産力が激増したが、社会には多くの矛盾も生まれた。 富めるものはもっと富み、 貧しいものはもっと貧しくなる。 これは間違っている、人間は平等でなければならないと考えたマルクスは、 その矛盾を解消した理想世界を、社会主義体制に求めました。 ゆえに、資本主義社会は必然的にいずれ社会主義体制になる、とマルクスは考えました。 社会主義とはどんな社会かといえば、 経済を人間の理性下でコントロールすることで、 貧富の差のない理想的で人間的な生活を実現するというものです。 ナショナリズム 訳語は「国民国家」 (民族国家では若干ニュアンスが違ってきます) 簡単にいえば、 「私は日本人である」 「私はアメリカ人である」 という感覚ですかね。 そしてそこから派生するアイデンティティだとか 誇り、プライドみたいなもの。 社会主義が誕生した20世紀前半、 世界の大部分は先進資本主義国にとって 都合のいいように動かされていました。 国際政治はアメリカやイギリスといった強国の論理で進められ、アジアや東欧の弱小国の利害は平然と無視されます。 これをレーニンやら毛沢東なんかは「帝国主義」なんて呼んで批判しました。 帝国主義は資本主義から生まれた体制で、 当時は貧富の差の拡大や公害問題、労働力の搾取といった資本主義の矛盾が表面化したこともあり、 「資本主義は間違っている」という考えが知識人を中心に強くありました。 そこでマルクスが共産主義なんていうとんでもない理論を生み出しちゃったんです。 マルクスの理論はどこから見てもカンペキに当時の人々には見えました。 少なくとも論理自体にはどこにも穴がなく、 矛盾のない体制だったのです。 マルクスの考えを知った後進の資本主義国や途上国の指導者達は、なるほど、そういうことか!と唸ります。 資本主義ではとてもじゃないが先進国にかなうわけがない、あれは強者がさらに富み、弱者はさらに搾取される原理である、 そんな体制は間違っている、 世界はもっと公平なルールで動くべきである、と考えます。 そしてその公正なルールという枠組みも、すでにマルクスはその著のなかで著しています。 それが社会主義体制です。 しかし、一国の体制を社会主義に一転することは並大抵のことではありません。 その時に革命家たちが唱えたのが、 「民族自決」の考え方。 要するに、 ロシアのことはロシア人が、 中国のことは中国人が決めるべきで、 アメリカやイギリスが口を挟むのはお門違いという主張です。 これは資本主義が生み出した「帝国主義」に対する批判の意味もこめられています。 そして、国民がこの主張に共感を持ってもらうためには、 「自分は中国人なんだ」 「私はロシア人である」 という意識がなければなりません。 そこで指導者達は懸命に煽ります。 もともと、帝国主義的な他国の侵略で、 内部においてそれに反発するながれとしてナショナリズムのようなものが形成されつつありましたが、 指導者達はそれに理論的バックボーンや正統性を付与したんですね。 結果、ナショナリズムが爆発的に生まれます。 「今の自分達の生活が貧しいのは、 自国の政治・経済を動かしているのが資本主義列強だからだ。 彼らは自分達の利益しか考えていない。 だからこそ、われわれ自国民が自国民の手で自国の政治を行う必要がある」 と、こう考えたんですね。 ただし、ここで注意が必要なんですが、 マルクス主義では国家は否定しています。 マルクス主義において目指すべきは国を超えた全人類的な平等で自由な社会ですから、 国家という人工的な枠ぐみはいずれなくなると 考えていました。 社会主義も実は内部にこのような矛盾を抱えた体制で、それを改善するには構造的矛盾がありすぎました。 結果、90年代にそのほとんどが自滅しました。 それにくらべ資本主義は、 内部の矛盾を補正しながら、徐々にそれを克服していったんですね。 マルクスが資本主義はいずれその内部に抱えた矛盾によって自滅するなんていってましたが、 実際自滅したのは社会主義のほうで、 資本主義はそのような矛盾を克服するプロセスが 社会主義よりも整っていたんですね。

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