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極性 -官能基-
アスピリンとサリチル酸での官能基の極性について質問です。 アスピリンのほうが官能基の極性が小さいそうですが、 http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=550055 ↑で官能基の極性は、-COOHのほうが-OHより大きいそうですが、 『カルボン酸(-COOH)にはイオン化した状態(-COO(-) + H(+))との平衡がありますので,極性は高いです。同じ理由から,酸性のフェノールが続きます。』 とありますが、その『同じ理由から』で、どうして-COOHのほうが-OHよりも極性が大きくなるのでしょうか?計算の仕方ってあるんですか? アスピリンの-OCOCH3の極性についても知りたいです。-OHよりも極性が小さくなるのはなぜですか?これも何かの計算からですか? よろしくお願いします。
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まず初めに-COOHと-OHの極性の話をアスピリンとサリチル酸の話と「混同」しないで下さい。要素は沢山あります。 まず初めに、 >>どうして-COOHのほうが-OHよりも極性が大きくなるのでしょうか?計算の仕方ってあるんですか? Ph-COOH(安息香酸)とPh-OH(フェノール)の極性の比較ですが、炭素一つ分前者が長いので直接の比較にはなりませんが、酸の解離定数を比較することができます。安息香酸はpKa=4.00、一方フェノールは9.82と大きく違います。すると少しでも解離する可能性のある環境では両者とも対応する陰イオンとの平衡状態にありますので、分子の濃度に占める陰イオンの濃度が、安息香酸の方が圧倒的に大きくなり、それだけ極性は高くなります。厳密な計算ではありませんが、「陰イオンになっている比率」を「分子の長さ」で割るとおおよその「分極度」が推定できます。 次に、 >>アスピリンの-OCOCH3の極性についても知りたいです。-OHよりも極性が小さくなるのはなぜですか?これも何かの計算からですか? 上記したようにフェノールは解離して酸として働きます、水素イオンを与える形でシリカゲルや水とも相互作用(水素結合)できます。ところがフェノールのOH基がアセチルオキシ基(-OCOCH3)に変わると、もう元のフェノール酸素上に水素結合や酸として解離する水素はありません、ほぼ全く「無極性」になってしまいます。 これはカルボン酸がエステル化したときに酸性が全くなくなるのとほぼ同じです。 ですので、フェノール性の-OHと-OCOCH3ではまるで極性が変わってしまいます。酸と何もナシとの比較です。 最後に、 >>アスピリンのほうが官能基の極性が小さいそうですが、 アスピリンはアセチルサリチル酸ですから、既にご存じの通りサリチル酸のフェノール部分がアセチル化されています。 サリチル酸にはフェノールとそれより強い酸のフェニルカルボン酸基(安息香酸残基)があります、一方アスピリンにではフェノール基が「中性」化された状態になっています。 実際にはサリチル酸の「分子内水素結合」があるため簡単に判断できませんし、濃度が高いとアセチル酸は分子間での水素結合をアスピリンに比べ非常に作りやすくなるために複雑な様相を示しますが、一般に、極性官能基がある距離離れて複数存在すると「分子の極性」は上がると考えられます。 特にアミノ酸などではアミノ基がアンモニウム型にカルボン酸がカルボン酸イオン型になっているため分子内塩となり極端に不思議な行動を示します、そのためこのような物質の分離の時は展開溶媒に酸を入れてカルボン酸部分を解離させないようにしてしまうなどの方法が採られます。 <(_ _)>
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- haukappu
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酸性ということはC6H5-OHとC6H5-O(-)+H(+)の平衡があるから、極性が高いということでしょう。 官能基は、電子を自らの側に引き寄せる基(電子求引性基)、反対に電子を押し出す基(電子供与性基)があります。 -O-CO-CH3は-O-と-CO-がともに電子を引っ張っていますので、CH3は少し電子が少なめになっています。しかし、-OHのようにすぐ隣の酸素が電子を引っ張るフェノールとくらべれば電子の偏りは少ないと想像できます。 (この場合の言葉の意味では単純に電子の偏りが少ない→極性が高いと考えます。) よって、フェノールよりアスピリンの方が極性が小さくなるだろうとなります。
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