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黒澤映画の異色作「どですかでん」について
valuestarの回答
- valuestar
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黒澤監督の映画作品はすべて壮大な実験作です。(ご本人の言葉です。)まずは山本周五郎の原作「季節のない町」読んでください。この原作と、黒沢監督の画家としての色彩感覚が織り成す幻想的な物語です。電車の運転手(車掌ではありません)になりきる少年と、彼に向かって電車馬鹿となじる少年たちを比べてください。電車馬鹿には永遠に変わらない、信じるものがあります。今の子供たちにはそれがあるのでしょうか。心の奥底に電車馬鹿をうらやむ気持ちがないでしょうか? それを否定したいがために、石を投げつけるのではないのでしょうか。 自分の生活とこの映画の複数の主人公たちの生活を比べてください。彼らは外界のことは知らずに、狭い空間の中を、精一杯生きています。人殺しや詐欺などが起こる空間でしょうか?皆さんの周りはいかがでしょう?この特殊な空間で生きる人々を象徴しているのが電車馬鹿六ちゃんです。そこへ、日本独特の落語の味付けが加味されているように思えます。 「どですかでん」は黒澤監督初のカラー映画です。黒澤監督は、周りの映画がすべてカラーになったあともいつまでも、白黒映画を撮っていました。(確か20年近く) その間カラーで撮らなければならない題材をずっと暖めていたのだと思います。しかし、興行的には失敗でした。このこともひとつの原因と思いますが、その後自殺未遂を起こしました。それまでの白黒時代劇が(世界的に)あまりにすばらしかったので、その期待とは全く別物の作品だったからでしょう。黒澤監督は、時代劇にこだわりを持たずに多方面の映画を作ろうとされていたようです。 電車の少年は「赤ひげ」ですばらしい子役を演じているので是非見てください。 黒澤監督はこの作品を機に、当たり続けた時代劇から脱皮し、次の方向へ向かって行ったのだと思います。そのひとつが山本周五郎の世界と黒澤明の世界の融合なのだと思います。「雨あがる」と最後の脚本がそれにあたるのでしょうか。 絵画と映画の融合ということが可能ならば、「どですかでん」「夢」がそれにあたるのでしょうか。「影武者」にもそんなシ-ンがあります。 話が広がってしまいましたが、黒澤明は世界に誇れる日本人です。是非1本づつ作品をご覧になってください。
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