• ベストアンサー

活性化エネルギーを求めたい

psa291の回答

  • ベストアンサー
  • psa291
  • ベストアンサー率83% (5/6)
回答No.4

アレニウス式中のexp(-Ea/RT)は0から1の値になることは、以前説明しました。 Tが40℃の時にその値が0.3になったとします。 ある過程に関与する分子(原子)の内30%がEaよりも大きなエネルギーを持ち、残り70%はEaに満たないエネルギーだということを示しています。 温度が上昇した時も活性化エネルギーEaは変化しないとして、exp(-Ea/RT)の値が0.6になったとすると、Ea以上の分子の割合が60%となります。 Eaはエネルギー障壁なので、温度上昇によってEa以上の分子の割合が30%から60%へと2倍になるわけですから、今仮定したある過程において40℃の時に比べ、温度上昇した時に2倍の速度で進むという事になります。 この時傾きは負になります。 Eaよりも大きなエネルギーを持つ分子の割合が重要だからです。 一方、粘度におけるアンドレードの式(アイリングの式も同様)では、活性化エネルギー以上の分子は流動し、活性化エネルギーに満たない分子が流動しない(流動を阻害する)ので、粘度は活性化エネルギーに満たない分子の割合が多くなるほど粘度は高くなります。 それ故、グラフの傾きは正になります。 通常、1つの現象が進行する場合、色々な複数の過程を経て進みます。 その中で最も進む速度が遅い過程が律速段階です。 温度変化させて抵抗値が変化するときに抵抗値が有限の値を示すということは何かの過程(電子が分子に衝突し分子周辺の電場に引きずられるなど)が速度論的に進んでいるとします。(その詳細は分かりません。) 現象の速度v その時の速度定数k 濃度因子Aとします。 温度T1 の時の速度式を v=kA^x x=反応次数 であるとして 温度がT2に上昇したときT1からT2の範囲では律速段階が変化せず T2でも同じ速度式 v=kA^x に従うとします。 ここで両者の比をとると v1/v2=k1A^x/k2A^x=k1/k2 となりますから、比の形にすれば反応速度定数kの代わりに実際の速度vを使うことに合理性があると思います。 一方、アレニウス式 k=Aexp(-Ea/RT)でも比を取ると  k1/k2=A1exp(-Ea/RT1)÷A2exp(-Ea/RT2) ここで頻度因子Aは温度変化技小さくA1=A2とします。 両辺を自然対数にすると ln(k1\k2)=(-Ea/RT1)-(-Ea/RT2)      =(Ea/RT2)-(Ea/RT1)      =Ea/R(1/T2-1/T1) となります。 実験値をアレニウスプロットして直線性を確認し、アレニウス速が成立してれば、上記式からEaが求まります。 させ、質問者さんのデーターでは温度上昇に従い、抵抗値が下がっているのですね。温度上昇に従い特性指標の数値が下がる場合、アレニウスプロットを作成すると傾きは正になります。 >温度が低くなるほど、抵抗器の示す抵抗が大きくなることはあり得るのでしょうか? それは、アレニウス則というよりも、実際に質問者さんが測定したデーターがそのような値を示しているのですから仕方がありません。 一般に金属の抵抗は温度上昇に従い上昇しますが、今回は金属の抵抗とは違うメカニズムの抵抗機構になっていることが伺われます。 また、半導体の場合、温度上昇によって指数関数的に抵抗が減少するそうですから、質問者さんが使った抵抗は金属的ではなく、半導体の性質を持っており、温度上昇によって数値が指数関数的に減少するので、アレニウスプロットの直線性が得られ、傾きが正になるということではありませんか? どうしてもプロットの傾きが負でなければ気が済まないのであれば、抵抗値をプロットするのではなく、電圧一定の時にその抵抗で流れる電流値をプロットすれば、温度上昇に従い数値は大きくなるので傾きは負になります。 傾きが正になる特性ではアンドレードの式のように k=Aexp (Ea/RT) とEaの符号を正にするだけです。 求められる活性化エネルギーは正の値になります。 今回の実験から、質問者さんの抵抗における作用発現機構が金属的なものではない事が推定できます。 活性化エネルギーの値が大きく変わった時もメカニズムに関する重要な指標となりますが、単純に数値だけからメカニズムを特定することは難しいと思います。

MARs_Ls
質問者

お礼

長らくご回答いただきありがとうございました。アレニウスの式の方を変えればよい(Eaの符号を正にしても良い)ということが知れてやっとスッキリしました。本当に助かりました。

関連するQ&A

  • 活性化エネルギーの求め方を教えて下さい。

    今,例題を解いています。 解答は,活性化エネルギーE=0.69eVとなっています。 アレニウスプロットから傾き3.87*10^-7が算出できました。 ここから先がいきずまっています。 ボルツマン定数R=8.31451(J/mol・K) E=3.87*10^-7/R どのように解くとE=0.69eVになるのでしょうか? よろしくおねがいします。

  • 活性化エネルギー

    過酸化水素の活性化エネルギーを求めたいのですが、アレニウスの図解法と積分法を行ったのですが同じ値になりません。なぜでしょうか?一応行った過程を記載します。 温度平均24.95℃ 速度定数平均7.84×10^-2 温度平均35.03℃ 速度定数平均5.74×10^-2 図解法では、縦軸に速度定数の対数、横軸に温度の逆数(K^-1)なので 温度平均1/298.00K^-1 速度定数平均-2.54 温度平均1/308.08K^-1 速度定数平均-2.86 となりました。 図解法では、傾き=Ea/Rなので、 -2.54+2.86/(1/308.08-1/298.00)=2909.09 Ea=241745.54 積分法では、Ea=Rln(k2/k1)(1/T1-1/T2)なので、 Ea=8.31ln(5.74×10^-2/7.81×10^-2)/(1/298.00-1/308.08)=2325.92 になってしまいます。計算ミスでしょうか?また、活性化エネルギーEaの単位はなんですか?

  • 活性化エネルギーと活性化自由エネルギーの違いは?

    活性化エネルギーと活性化自由エネルギーの違いを教えて下さい。 ある一次反応で、アレニウスプロットから活性化エネルギー(Ea)を求めました。 ここからEyring式(プロット?)を用いて活性化エンタルピー(△Hキ)、活性化エントロピー(△Sキ)、活性化自由エネルギー(△Gキ)を求める事が出来るとあったのですが、この場合、反応障壁として「活性化エネルギー=活性化自由エネルギー」ではないのでしょうか?違いがよくわかりません。 よろしくお願いします。

  • 活性化エネルギーの求め方

    1次不可逆反応の反応速度は、20℃で0.00162、60℃で0.251である。 活性化エネルギーを求めよ。また、40℃の反応速度を求めよ。 という問題で、活性化エネルギーの求め方がわかりません。 アレニウスの式を使うのですか?

  • 活性化エネルギーを作り出す分子構造

    活性化エネルギはアレニウスプロットから求められますが(1)化学物質が安定に存在できるために必要なバリアーだと考えることはできるでしょうか。(2)また具体的にはどういう構造によって活性化エネルギーを構成しているのでしょうか。 化学反応は初心者です。解りやすく教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

  • 固体イオン伝導体の活性化エネルギーの単位について

    セリアのイオン伝導度を温度を変えて求め、そのアレニウスプロットの勾配から活性化エネルギーを算出しました。 活性化エネルギーの単位はkJ/molですが、この時の「/mol」は何のモル数を表しているのですか? CeO2ですか?酸素イオンですか?電子ですか?

  • 活性化エネルギー

    受験生です。 N2Oが窒素と酸素へ分解する反応は二次反応である。その反応の速度定数kを三つの異なる温度で測定した。 k (K/mol s) : 1.87×10^(-3) , 0.0113, 0.0569 t (℃) : 600, 650, 700 この反応の活性化エネルギーを求めよ。 解答は240 kJ/molなのですが、自分がやった結果118 kJ/molになってしましました。 解答に解説がないのでなぜかわかりません。 詳しい方解説をお願いします。

  • 室温で超えられる活性化エネルギー

    室温で超えられる活性化エネルギー 有機化学を勉強していて気になったのですが、室温下では化学反応、異性化などでどれくらいの活性化エネルギーを超えられるのでしょうか? 例えばエタンのC-C結合の回転で、ねじれ形配座から重なり形配座を経由して、またねじれ形配座になるとき、活性化障壁(重なり形のときのエネルギー)は2.9kcal/mol=12kJ/molです。有機化学の教科書(ボルハルトショアー現代有機化学4版上巻)によるとこれくらいは室温で簡単に超えられるので常に回転しているようなことが書かれていました。シクロヘキサンのフリッピング(活性化障壁は10.8kcal/mol=45kJ/mol)についても同様のことが書かれていました。 どうやってこのような判断をするのでしょうか。 アレニウスの式に活性化エネルギーEと温度Tを代入して係数Aを文献で調べて、反応速度定数kを求めて、常識的に反応が進んでいると言えるかどうかで判断しているのでしょうか? もしそうとしたらkがどれくらいのときに反応していると言えるのでしょうか? ここまで読んで下さりありがとうございます。質問文に勘違いなど含まれているかもしれませんが、ご回答お願いします。

  • 高分子材料熱劣化の活性化エネルギーについて

    高分子材料(ABS,PP,POM他)の熱ストレスによる加速試験は、通常アレニウスプロットで行っていますが、かなりの時間を要する試験なので、その効率化を考えています。 アレニウスプロットの傾きが、活性化エネルギーですので、活性化エネルギーが既知であれば加速係数が求まり、かなり試験が楽になります。 そこで高分子材料特にABS,PP,POMの活性化エネルギーを調査したのですが、なかなか見つけることができず、材料メーカーに聞いても判然としませんでした。ご存知の方がおられましたら、ご教示いただけないでしょうか。 参考書・文献・URLでも結構です。 よろしくお願いいたします。

  • 活性化エネルギーの求め方が分かりません

    ある反応において、35℃における速度定数が25℃の2倍になったという。 この反応の活性化エネルギーはいくらか求めたいのですが、わかりません。 教えてください!