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薬品の安定性

薬品の安定性を時間を短縮して、実験できる方法を探しています。 恒温室などで温度プログラムなどをかけることで、安定性を短時間で確認したいのですが、そういった実験方法の指針などを教えていただけないでしょうか? よろしくお願いします。

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noname#230359
noname#230359
回答No.2

 自分が経験したことがあるのは、絶縁材料の温度や電圧による劣化に関する試験です。  前に書いた考え方を実際に用いている例として、電気絶縁材料の加熱劣化や耐電圧寿命の推定があります。化学反応による劣化時間の推定であれば、同じ考え方でいいと思います。  (1)加熱劣化  有機絶縁材料の耐熱寿命は、絶縁材料の熱分解によるガス化に伴う質量減少を指標として、寿命を規定します。元の質量に対する減少量が規定量に達するまでの時間を加熱による促進劣化過程で測定し、前に説明したとおり温度をパラメータとして式に当てはめると、この関係が成り立ちます。これによって一定温度の元で規定の質量減少量に達する時間を耐熱寿命とするか、または時間を規定して、この時間で所定の重量減少量に達する温度を最高使用温度としています。  参考規格としては、DIN 16942 や、IEC Pub.216 が挙げられます。  (2)耐電圧寿命  V-t特性とも呼ばれます。基本的な考え方は(1)と同じですが、絶縁材料の試片に電圧を印可し、絶縁破壊を起こすまでの時間をtとすると、  t=c E^(-n) c:定数 E:印可電圧(V) n:定数  という関係が成り立ちます。絶縁破壊は電圧印可によって材料表面に微少な放電が起こることによる部分的な炭化など、基本的には材料の熱分解現象によって引き起こされるため、入力に対する現象論は(1)と同様な考え方が成り立つということです。  いずれの場合も、印可条件(温度または電圧電圧)は一定の元で行います。加えた入力を時間積分することで、規定の劣化状態に達するまでの総エネルギーが得られるため、入力が変動しても加えられた総エネルギーが同じであれば同じように劣化するだろうという考え方でしょう。  また、特に固体の絶縁材料ではヒートサイクルを加えることで内部の熱応力が変動し、機械的疲労による熱劣化以外の影響が加わるため、現象が複雑になります。温度を変動させないと言うのは、純粋な化学反応による影響だけに注目したいということだと理解しています。  ご質問にある薬品がヒートサイクルにより劣化するかどうかはわかりませんが、基本的に特定の化学反応速度だけで寿命が決まると言うことであれば、同じ考え方で試験をしてみてはどうでしょうか。

noname#230358
質問者

お礼

丁寧に教えていただき、大変ありがとうございました。両津さんのアドバイスを踏まえて、ヒートサイクルによる劣化はないと考えることで、加熱による促進試験を行い、おそらく液の粘性や成膜性、性能などで劣化時間の推定をしてみようかと思っています。一度じっくり実験系を考えてみます。本当にありがとうございました。

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noname#230359
noname#230359
回答No.1

 恒温槽内の薬品の劣化状況をモニタすることができ、劣化限界に明確な基準が設けられるのであれば、温度加速による促進劣化試験は可能だと思います。    化学反応速度と物性についての考察から、次の式を導くことができます。  log te = A + B/T   A,B:定数    T: 絶対温度    te:劣化限界に達するまでの時間  恒温槽での温度加速は、試料を一定温度に保持しながら、劣化限界に達するまでの時間を測定します。  これを複数の温度条件に対して実験し、上記の式で近似してやれば所定の温度のもとで劣化限界に達するまでの時間を推定することができます。  当然、試験温度は劣化限界までの時間を推定したい温度よりも恒温側で行い、温度劣化の加速を図ります。このとき、温度によって本来の薬品の劣化メカニズムとは別の反応が起こると上記の式に乗ってこなくなりますから、十分注意して温度設定を行ってください。

noname#230358
質問者

お礼

ご回答どうもありがとうございます。公式でのご説明原理的に非常に理解しやすかったです。何か実際にやられた促進劣化試験の例などあれば、教えていただけると助かるのですが。 温度プログラムなどを使い、朝昼夜、春夏秋冬の温度変化を含め、一日のサイクルを何度も繰り返して行うと考えていたのですが…。というのも温度の高いところから低いところへの変位によって影響があるのではないかと考えたからです。 今回のお話の様に温度の高いところで劣化は促進されるわけですが、両津さんは温度の変位による影響はどのように考えられますか?アドバイスいただければとても嬉しいです。

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