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手話における主語について

pokudaの回答

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  • pokuda
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回答No.4

そもそも手話の文法として、いまだ定説となっているものがなく、いくつかの案が提案され、それがなんとなく、世間に広まっているという現状があります。 あまり詳しく検討したことはないのですが、ほとんどの説は日本語と同じSOV形式であるといっています。 主語に関して言えば、日本語のように主語を省略することはあります。さらに、最後に指さしをすることで主格を強調したり、手の位置により主格を暗黙のうちに示すこともあるので、「主語がない」という話は何かの誤解だと思います。 ただ、他の方も述べられていますが、手話は大きく2つに分類できて、1つはろう者が昔から使ってきた手話、もう1つは日本語に強く影響を受けた日本語対応手話と呼ばれる手話です。現在、これらの手話は話し手や聞き手、状況によりごちゃまぜに使われており、一見しただけではなかなか識別できません。研究者によってはさらに細分化する説を唱える人もいます。そのようなわけで、前述の「日本語のように省略する」のが、日本語の影響なのか、手話本来の言語としての省略現象なのかは、個人的にはまだどちらとも言えないと考えています。語順についても同様な議論があります。 なぜ、「手話に主語がない」というような誤解が出てきたのかを考えると、思い当たることがあります。 ろう者が差別をなくし、一般社会に進出する上で「手話は言語であり、我々は言語障害者ではない。」という理論を掲げてきたという歴史的な経緯があります。その中で、かなりあやしい言語理論が誤解として広まり、それが伝わっている可能性があります。耳が聞こえないことで大学にもいけず、十分な知識のない中では理屈のおかしさに気が付かず、鵜呑みにして教えてしまっている可能性があるわけです。講師に悪気があるわけではないと思いますが、結果として誤解を広めていることはありえます。 もっとも、これは聴覚障害者だけの問題ではなく、健聴者でも、似たような話はあります。古い日本語文法には形容動詞というものがありますが、現代日本語では形容詞の変化系として処理した方が理論としてはすっきりしています。でも、今の日本語で形容動詞を含めて説明しようとする人はいます。これが、正しいことなのか、間違ったことなのか、それとも形容詞で説明する理論が間違っているのか。そのあたりからきちんと理解できて、議論できるだけの知見を持つ人が(日本人で日本語を話す人はたくさんいますが)、それほど数が多いわけではありません。手話でも事情は同様で、あまり、この手の話が得意でもないけど、仕方なく講師として、文法の話をしている人もいたりします。受講する方でも、少し気をつける必要があるかもしれません。 ちなみに点字は日本語の単なる別表現です。文字が点になっているだけですから、文法的に異なるものではありません。ただ、少々特殊な記法がありますので、点字を読むためには、点字の文字を覚えることと、その記法に関する勉強が少々必要です。

参考URL:
http://www.rr.iij4u.or.jp/~tokudama/kataro/
polnareff
質問者

お礼

 丁寧な回答をいただきまして感謝しております。  私は音声言語、手話、記号、古代語、現代語、方言を問わず言語一般に関心を持っているものですから今回このような質問をさせていただきました。  手話の分類がここまで複雑な事情を抱えているとは知りませんでした。大変勉強になりました。  日本における手話が日本語という別の言語の影響を受けてその文法的な性質を変えている、あるいは変えていく可能性があるということも、手話がひとつの独立した言語であるならば自然なことかとも思いますが、とても興味深いものを感じました。  点字に関してはやはり文字を点に代えているだけであって、点字文法として独立した文法を持っているわけではないのですね。

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