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弱酸の遊離

炭酸水素ナトリウムに酢酸を加えた場合、二酸化炭素が発生するのですが、どうして強い酸は塩になりたがるのか、または弱い酸は遊離するのかがどうしてもわかりません。もしよろしければ教えてください。

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  • ベストアンサー
  • rei00
  • ベストアンサー率50% (1133/2260)
回答No.4

受験生の方との事ですので,諄いかもしれませんがチョット丁寧に解説してみます。  まず,「酸」とは何かですが,アーレニウス,ルイス,ブレンステッド・ローリーと色々ありますが,カルボン酸の場合は H+ を出すものと考えて良いです。つまり,「酸」は元々 H+ を与える性質を持った化合物です。では,その H+ を与える相手ですが,水溶液などの極性溶媒であれば「溶媒分子」になります。以下,水溶液で説明しますが,他の極性溶媒でも同様に考えて下さい。   R-COOH + H2O → R-COO(-) + H3O(+)  ところで,ここで生じた H3O(+) ですが,中性の水分子が余分な H+ を受け取って電荷を持った状態ですので,可能なら H+ を他の分子に与えてしまいたいです。つまり,H3O(+) も「酸」です(というより,水溶液中で実際の酸として働くのはこの H3O(+) です)。今の場合,次式になります。   H3O(+) + R-COO(-) → H2O + R-COOH  つまり,平衡になりますね。   R-COOH + H2O ←→ R-COO(-) + H3O(+)  この平衡がどちら側に傾くかを表現したのが「酸」の強さです。強い酸はそれだけ多く水分子に H+ を与える(平衡が右へ片寄る)事になります。  さて,2種類の酸が共存した場合どうなるかを次に考えてみます。上記の様に,「酸」ですからどちらも水分子に H+ を与えようとして次の2つの平衡が成り立ちます。   R-COOH + H2O ←→ R-COO(-) + H3O(+) (1)   R'-COOH + H2O ←→ R'-COO(-) + H3O(+) (2)  ここで,「酸 R-COOH」が「酸 R'-COOH」よりも強い酸の場合,(1) 式の平衡が (2) 式よりも大きく右側に片寄ることになります。すると,ル・シャトリエの平行移動の法則にしたがって,(2) 式の平衡は H+ を減らす側(左側)に片寄ります。  お書きの「炭酸水素ナトリウム(炭酸)」と「酢酸」であれば,「酢酸」の方が強い酸ですので,「酢酸」が電離する結果,「炭酸」の電離が抑えられ(平衡が左に片寄り)ます。   CH3-COOH + H2O ←→ CH3-COO(-) + H3O(+)   HO-COOH + H2O ←→ HO-COO(-) + H3O(+)  通常の有機酸同士であればこれで終わりですが,「炭酸」には「二酸化炭素」との間の平衡も存在します。   CO2 + H2O ←→ H2CO3 (3)  前述の「酢酸」を加える事で「H2CO3 (= HO-COOH)」が増加する結果,(3) 式の平衡は「H2CO3」の増加を打ち消す側(左側)に移動します。  さらに,「CO2」は気体と水に溶解した状態との平衡で存在します。上記の平衡移動の結果「水に溶解した CO2」が増加するため,この平衡は「水に溶解した CO2」が減少する側に移動します。その結果,「二酸化炭素」が発生します。   CO2(気体) ←→ CO2(溶解)

ryoppi
質問者

お礼

親身に説明していただいてほんとうにありがとうございます。つまり、酢酸と炭酸が水に溶けている場合は酢酸は電離して、炭酸は電離しないということですね?!ただひとつ気になるのは炭酸水素ナトリウム(炭酸)のナトリウムはどこにいくのでしょうか?

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その他の回答 (3)

  • eimmy
  • ベストアンサー率0% (0/1)
回答No.3

私は去年高3でした。今大学生で薬学部に通っているのですが、化学は入試直前まで苦手でした。その頃の自分を思い出し、頑張ってほしいという応援の気持ちが大半でこの回答をしています。お力になれなくて申し訳ないのですが、高校の化学の先生が弱酸の遊離のことを『弱い酸は出て行け』だと言っていました。クラスの皆、これでおぼえました。問題に出たときには、「弱い酸は出て行けだな」ってつぶやいてみてください。電離度の違いなどあるんですけどね..

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  • Ichitsubo
  • ベストアンサー率35% (479/1351)
回答No.2

弱酸と強酸で、何が違うか、それは電離度でしたね。 HCl → H^+ + Cl^- の反応はほぼ全て右側に反応するのに対し、 H2O + CO2 → H^+ + HCO3^- は平衡反応です。右にも左にもすすむ反応です。 このあたりの詳しいところは化学IIの教科書で補足して下さい。 炭酸水素塩に強酸を加えると、 多量のH^+と多量のHCO3^-が存在していますから、 平衡は左にすすみ、二酸化炭素が出てきます。

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noname#21649
noname#21649
回答No.1

「強い酸」「弱い酸」の定義はご存知として. 酸解離定数を適当に仮定して.平衡状態を各種濃度で計算してみると雰囲気かつかめると思うのですが。 「ハード酸・ハード塩基」と「ソフト酸・ソフト塩基」ではないですね。

ryoppi
質問者

お礼

夜分遅くにありがとうございます。高3生なんで難しいですが、酸解離定数ってやつを調べてみます。ありがとうございました。

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