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夏目漱石とマルクス
zephyrusの回答
マルクスの名が直接出てくるものとして、一つだけ思い出すものがあります。(ほかにあるかは存じませんし、これ以上のことは私にはわかりません) 英国留学中の明治35年(1902年)3月15日付、義父(鏡子夫人の父)中根重一宛て書簡中の、次の箇所。(以下、引用は岩波書店『漱石全集』昭和41年から。< >内はルビ。引用者=私に責) 『カール・マークスの所論の如きは単に純粋の理窟としても欠点有之<これある>べくとは存候<ぞんじそうら>へども今日の世界に此説の出づるは当然の事と存候』 もっとも、このあとですぐに『小生は固<もと>より政治経済の事に暗く候へども一寸気焔が吐き度<たく>なり候間<そうろうあいだ>斯様<かよう>な事を申上候「夏目が知りもせぬに」抔<など>と御笑被下間敷候<おわらいくだされまじくそうろう>』と謙遜し断っています。(この3月15日付の書簡は、のちの『文学論』の構想を語っていることでも有名なものです) 「漱石山房蔵書目録」には1902年発行の「Marx(K.) Capital.Trans.」がありますから、このマルクスの主著『資本論』の英語版に目を通していたときに書かれたものと推察できます。
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