熱力学:気体の比熱の分子運動論的記述について

このQ&Aのポイント
  • 気体の比熱は分子の運動エネルギーと関連しており、内部エネルギーの変化を表します。
  • 分子の運動エネルギーは並進、回転、振動の自由度によって変化し、それぞれの自由度に対応する比熱が存在します。
  • 並進運動のみの場合、比熱は一定の値であり、回転や振動の自由度が増えるにつれて比熱は増加します。
回答を見る
  • ベストアンサー

熱力学:気体の比熱の分子運動論的記述について

 気体の比熱は1Kあたりの内部エネルギーの変化 (3/2)R=分子の運動エネルギー N m(v2)av /2(N:アボガドロ数、m:分子の質量、v:分子の自乗平均速度)と捉えることができ、例えばx方向の並進運動のみ(1自由度)に注目するとその1/3なので、結局比熱は1自由度あたりR/2(Rは一般ガス定数)と表されます。2原子分子について並進運動の次に特性温度を超えると量子効果により回転の自由度が2つ追加され(比熱は5R/2)、さらに次の特性温度を超えると振動の自由度がさらに2つ追加され比熱は7R/2となります。  さて、教えていただきたい点ですが、例えば回転の自由度ひとつあたりの1Kあたり内部エネルギー変化(比熱変化)についても並進運動の1自由度あたりの運動エネルギー変化(= N m(v2)av/2)と等しいのはなぜでしょうか。さらに振動についても。事実としてはそれでいいのですが、理論的な解釈を易しく解説して下さい。よろしくお願い致します。

  • 科学
  • 回答数2
  • ありがとう数2

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.2

>「エネルギー等分配則」というのは並進運動と回転運動を含めた等分配ということですね はい。 #1に少しだけ書いたように適用条件はありますが、古典的な系であればほとんどの場合に成り立つと考えて問題ありません。並進・回転に限らず振動でも、任意のポテンシャル中でも。

60masasan
質問者

お礼

 示唆に富んだ回答ありがとうございます。  先日突然回転運動の平均エネルギーも並進運動と同じく1自由度あたりkT/2となる保証など無いのではないかと、長年当たり前のように思っていたことに疑問を感じてご質問した次第です。比熱の分子運動論的表記の成功はことさらめざましく、これまでは、「かくのごとく物質世界は美しい。」あるいは「物質世界が美しいためにはかくあらねばならない。」と多分に感傷的な感慨を持ってきましたが、今後はもう少しクールに扱うよう心がけます。  とはいえ、つけ刃的に色々勉強してみましたが、やはり並進運動と回転運動の1自由度当たりのエネルギーが等しくならなければならないことについては直観的な納得は得にくいのが正直な印象です。引き続き勉強します。

その他の回答 (1)

  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.1

エネルギーが運動量(角運動量)の2次式である事を使うと、古典統計力学からエネルギー等分配則が導出されます。しかし定性的・直感的な説明をするのは難しいので必要なら統計力学を勉強するのがいいでしょう。 振動の場合には運動エネルギーからの寄与(RT/2)と位置エネルギーからの寄与(RT/2)を合わせて、振動の自由度1つ辺りRTのエネルギーになります。 位置エネルギーについてもRT/2になるのは位置エネルギーが位置の2次式である事が関係しています。

60masasan
質問者

お礼

「エネルギー等分配則」というのは並進運動と回転運動を含めた等分配ということですね?少し勉強してみます。ありがとうございました。

関連するQ&A

  • 気体分子運動論 2原子分子 3原子分子 なぜ振動は

    こんにちは、気体の分子運動論について確認させてください。また質問をさせてください。どうぞ宜しくお願いします。 気体の運動エネルギーを考える際、 単原子分子の場合、内部エネルギーの変化 ΔU = 3/2 nRΔT となりますが、この3の意味は単原子分子のとる自由度の数だと教わりました。 そしてその自由度とは、XYZ方向への並進運動とのことですね。 二原子分子の場合、これら3自由度の並進運動に加え、回転の自由度を加えるとのことでした。 回転は、二原子分子の線分をたとえば、z軸にそろえて載せた場合、X軸を回転軸とする回転、Y軸を回転軸とする回転の二つが加えられる。したがって、合計5の自由度があり、ΔU = 5/2 nRΔT となる。 Q1: もうひとつZ軸を軸とした回転(つまり鉛筆を両方の掌ではさんで回すような回転)については、他の二回転に比べて運動エネルギーが小さいため考えない、と理解しているのですが、いかがでしょうか。 Q2:並進、回転運動の他にも、自由度として振動が考えられますが、なぜこれは加えないのでしょうか。 また、三原子分子の場合は、二通りあり、直線分子の場合、非直線分子の場合に分けられると知りました。ただ、三原子分子の場合の内部自由エネルギー変化についての式が与えられておらず、考えてみました。 Q3: 直線分子の場合、二原子分子と同じ考えで、並進、回転運動の自由度の合計は5となりそうですが、どうでしょうか。ただ、ここでも振動をどう扱うのか分かりません。振動の自由同は、三原子直線型分子の場合、4つあるようですが、これらの振動は考慮しなくて良いのでしょうか。 Q4: 非直線分子の場合、回転の自由度は一つ増えて合計3になるそうですが、これは、先程、二原子分子の際に考慮に入れなかった回転、Z軸を回転軸とする回転、が無視できなくなった、ということでしょうか。すると、ΔU = 6/2 nRΔT となりそうですが、いかがでしょうか。 また、しつこいようですみませんが、振動はどうなのでしょうか。非直線分子の場合、振動の自由度は3あるそうですが、このことは内部エネルギー変化を考える場合に考慮に入れる必要はないのでしょうか? 以上となるのですが、私の理解があっているかどうかも含め、是非質問に回答頂ければ幸いです。どうか宜しくお願いします。 分かり難い記述があるようでしたら、訂正いたしますゆえ、どうか重ねて宜しくお願いします。

  • 気体の分子運動について

    気体の分子運動の分野で、 「運動の自由度が大きい気体分子は内部により多くエネルギーをためることができるため、温度が上がりにくい」 という説明を目にしたのですが、いまいち理屈がわかりません。 エネルギーをためる能力が高いと、どうして温度が上がりにくいのでしょうか? U=(3/2)nRT をみると、エネルギーがたまればたまるほど温度が比例しているように見えるのですが・・・ どなたか解説のほど、よろしくお願いいたします。

  • エントロピーと気体分子運動論

    エントロピーと気体分子運動論 いま学校の物理でエントロピーについて勉強しているんですが、 問題集の中に解き方がわからない問題があって困ってます。 その問題がこれです。 問題1:準静的な断熱変化ではエントロピーは変化しない。この事と温度T、体積Vのnモルの 理想気体のエントロピーS(T,V)=CvlogT+nRlogV+C1(C1は任意の定数)      を用いて、TVr-1=一定を導け。ただし、rは比熱比である。 問題2:一辺の長さがLの立方体の容器に入っている1モルの単原子分子理想気体について、     分子運動論に関する次の問いに答えよ。ただし、分子の質量をm、気体定数をR、     アボガドロ数をNaとする。 (1)i番目の分子の速度を→ci=(ui,vi,wi)とする。この分子の単位時間にx軸に垂直な1つの壁に   与える力積はmui2(2乗)/Lであることを証明せよ。 (2)分子の速さcの2乗の平均値<c2(2乗)>を用いて、気体の圧力pを表せ。 (3)理想気体の状態方程式を利用して、気体の内部エネルギーUを温度Tの関数として表せ。 教科書や参考書を見てもいまいち解き方がわからないので、解き方と答えを教えてほしいです。 よろしくお願いします。

  • エントロピーと気体分子運動論

    エントロピーと気体分子運動論 いま学校の物理でエントロピーについて勉強しているんですが、 問題集の中に解き方がわからない問題があって困ってます。 その問題がこれです。 問題1:準静的な断熱変化ではエントロピーは変化しない。この事と温度T、体積Vのnモルの理想気体の エントロピーを求めよ。 問題2:一辺の長さがLの立方体の容器に入っている1モルの単原子分子理想気体について、分子運動論に関する 次の問いに答えよ。ただし、分子の質量をm、気体定数をR、アボガドロ数をNaとする。 (1)i番目の分子の速度を→ci=(ui,vi,wi)とする。この分子の単位時間にx軸に垂直な1つの壁に与える力積は mui2(2乗)/Lであることを証明せよ。 (2)分子の速さcの2乗の平均値<c2(2乗)>を用いて、気体の圧力pを表せ。 (3)理想気体の状態方程式を利用して、気体の内部エネルギーUを温度Tの関数として表せ。 教科書や参考書を見てもいまいち解き方がわからないので、解き方と答えを教えてほしいです。 よろしくお願いします。

  • 気体分子の運動について

    以下の文章が正しいか否か、という問いです ---------------------- 理想気体では絶対温度が各気体分子の平均運動エネルギーに比例するので分子の質量が100倍になると分子の平均速度は1/10(十分の一)になる。 ---------------------- これは正しいのでしょうか?そもそも速度は変化するのでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 分子運動における運動エネルギーと熱エネルギー

    ご覧頂きありがとうございます。 昔、高校と大学で教わった事をふと思い出し、疑問が浮かびましたので質問いたしました。 様々な分子は回転、並進、伸縮運動を繰り返してますよね。外部から熱エネルギーを加えるとそれらの運動も活発になると記憶しています。この場合、熱エネルギーが運動エネルギーに変わったと考えても宜しいでしょうか。 しかし、水に熱を加えると分子運動が活発になるのと同時に温度も上がりますよね。 これは外部からの熱エネルギーが運動エネルギーに完全に変わることが出来ず、熱エネルギーとして発散していると考えて宜しいでしょうか。

  • 熱力の定積比熱と定圧比熱の導入部について

    熱力学では、熱の流出入=内部エネルギー変化+外部にする仕事(圧力x体積変化) という事になります。定積比熱の表現は体積変化がないので、内部エネルギーだけで表示できるので極めてわかりやすいですが、定圧比熱になると理解しにくくなります。定圧比熱を表示する式では圧力一定という条件で熱を温度で微分するとか、さらに最終的には定積比熱を使って表示したりします。定積比熱を使って定圧比熱の式を導く解説をお願いしたいのですが。定積比熱は冒頭のとおり、体積一定ということです。圧力一定による変化の一部を体積一定として表現するのかなと思いますが。 また、熱力学の本は必ずこのことを説明しますが、その先にどのような展開があるのでしょうか。例えば、定圧比熱と定圧比熱の差を求めさせたりする教科書がいっぱいあります。他の分野どのように繋がるのでしょうか。なお、流体力学の本にもこのことが書いてありますが、その後の展開がわかりません。状態方程式を使うことはありますが、この部分だけ浮いている感じがします。

  • 「分子の内部エネルギー」とは 

    「分子の内部エネルギー」とは並進運動、回転運動、振動運動で合っていますか? 間違っていましたら訂正をお願いします。

  • 気体分子運動論の問題についてです。

    気体分子運動論の問題で解答を教えていただけませんでしょうか。 是非宜しくお願いいたします。 気体分子は体積なしで無秩序な運動をしている。 分子間相互作用も無く壁への衝突は完全弾性衝突 (運動量mu 運動エネルギー 1/2mu2←(この2は二乗です)は保存される) をしているとする。 長さLの立方体の中に質量m、速度uの分子が入っていると考える。 速度uのx成分をux、yをuy、z成分をuzとすると u2←(この2は二乗です)=_______と表せる。 といった問題ですがさっぱり分かりません。 申しわけ御座いませんが教えていただいても宜しいでしょうか。

  • 熱力学の比熱について質問です。

    2原子分子気体の常温付近での定積比熱の値を温度Tと気体定数Rを用いて表せ。また、そのような値になる物理的な理由を記せ。 これは、2原子分子の場合はcv=(5/2)Rになると考えたのですが、Tを使えと書いてあるので質問させていただきました。どのようにしたらTが出てくるのか解説よろしくお願いします。