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遺伝子導入について

遺伝子組み換えなどにおいて行われる遺伝子導入の操作で、 目標となる細胞に導入された遺伝子はどうなるのでしょうか? その細胞の中のほかの遺伝子と同じように扱われ、 うまくいけばその細胞の中で働くことになるのでしょうか。 また、その細胞が増えるとき(増えるものであれば)、一緒に複製されていくのでしょうか。 もしかすると、遺伝子の働く仕組み自体が理解できていないのかもしれません。 基本的な原理から解説いただければと思います。よろしくお願いします。

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  • ベストアンサー
  • otx
  • ベストアンサー率44% (256/576)
回答No.3

まず、遺伝子を細胞に「導入」という言葉についてですが この言葉は少し曖昧です。 実験的に遺伝子を導入した後には 遺伝子が 「核内に入る」 「核内のDNAに組み込まれる」 少なくとも2つの状態があります。 そのことを念頭においての説明です。 遺伝子であるDNAから、最終的にタンパク質が作られて それが機能するのですが(例外もありますが)、 そのためには、プロモーター領域が必要となります。 プロモーターとは、DNAからmRNA(これによりタンパク質ができる)が作られるのに必要な領域です。 実験的には、プロモーターと遺伝子をつないだ状態で細胞に導入することがあります。 この場合、「核内に入れば」そのプロモーターによってその遺伝子が発現することになります。 しかし、細胞分裂してしまうと、そのプロモーターと遺伝子をつないだものは 細胞あたりの数が減ってしまいます(細胞分裂する前に複製されないからです)。 また、核内に浮遊しているので、細胞外に排出されることもしばしばあります。 結果として、導入された遺伝子は失われることになります。 それに対して、実験的に、遺伝子を細胞に導入した後、核内に入った遺伝子の中で (詳しい原理はよくわかりませんが)、細胞の「核内のDNAに組み込まれる」ものがあります。 この場合で、プロモーターと遺伝子をつないだものを導入していれば、 そのプロモーターに依存してタンパク質がつくられることになりますし、 もし、プロモーターをつないでない場合は、 遺伝子が核内のDNAに組み込まれたところにあるプロモーターによって 導入した遺伝子からタンパク質が作られることになります。 また、細胞分裂においても、核内のDNAに組み込まれているので、 細胞の遺伝子と一緒に複製されて、娘細胞もその遺伝子を持つことになります。 >うまくいけばその細胞の中で働くことになるのでしょうか。 はい、うまくいけば働くことになります。

logspike
質問者

お礼

お待ちしておりました、ご回答ありがとうございます。 まず、プロモーターの件、了解できました。 まずは遺伝子が核内に取り込まれ、 さらにプロモーター領域が存在してはじめて、翻訳が始まる、 つまり、その細胞内でも働くようになる、ということですよね。 さらにその先、細胞の増殖においてその遺伝情報が保たれるには、 遺伝子が核内DNAに組み込まれることが必要となるのですね。 つまり(適切な言い方かどうかわかりませんが)、 導入された遺伝子が目標の細胞のものとして働くには、 その新しい遺伝子が核内に入り、さらにはDNAに組み込まれることが 必要だということでしょうか。 皆さんから回答を頂いて考えてしまうのですが、 遺伝子導入というものは想像よりはるかに難しいようですね。。。 ありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • larme001
  • ベストアンサー率44% (271/608)
回答No.2

細胞とのべているので、通常の培養細胞レベルの話についてです。 一般的には、輪っか(プラスミド)で入ったベクターは核に移行した場合、ある程度自発的にヒストンなどのクロマチン構造を形成して、そのプロモーター領域に応じた同様の転写活性をするのだと思います。(でないとそもそもプロモーターアッセイなどのベクターの有用性に説明がつかない)。ただし、翻訳開始点を持っていないものは細胞分裂とともに少なくなっていくでしょうし、また細胞内の外因遺伝子に対応するメカニズムに認識されれば、沢山存在するヌクレアーゼによって分解されるので、徐々になくなっていきます。もっとも、トランスフェクションは確率論的には100%に近くても実際は入りやすかったり入りにくかったり細胞集団中の個々の性質にもよるので、入らなかった細胞の割合も増えてきていずれは発現が見えなくなるでしょう。 ただ、かなり低い確率(1%以下)で自然的かあるいは相同性組み換えを起こしてプロモーターごとうまく安定した領域に組み込まれると常に発現するようになります。(組み込まれるには輪っかが問題のない領域で切られる必要がある)そうなれば複製され続けるので安定発現が可能です。いわゆる安定発現株はそういた細胞をセレクションしてくるわけです。 ノックイン/アウトマウスとか、遺伝子組み換え作物など?のそもそも染色体自体のDNAを部位特異的に組み換えるものに関しては少し違うと思いますが、一般的なベクターによる培養細胞の増幅はこのような感じです。 あとは、大腸菌などでは真核生物とは違って輪っかのまま複製開始点等があれば増え続けることが可能で、良くそれを用いて真核生物用のプラスミドベクターの作成は行われます。

logspike
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 「安定発現」というものをすっかり忘れておりました。 導入された遺伝子が細胞内で仮に働いたとしても、 細胞分裂で複製されるかどうかはまた別の話なのですね。 そして、特別に何かの機構を利用して あらたな遺伝子を組み込むわけではなく、 偶発的にうまく遺伝子が働くようになったものが 「安定発現株」である、 大まかにはこのような理解でよいのでしょうか。 プラスミドベクターはまた少し異なるようですが、 原核生物ならば、仕組みとしてはこちらのほうが やや安定的に導入できるようですね。 ありがとうございました。

  • otx
  • ベストアンサー率44% (256/576)
回答No.1

質問者さんの知識がどの程度かを知るために質問ですが、 プロモーターという言葉はご存しでしょうか?

logspike
質問者

お礼

申し訳ありません、お礼を忘れてしまっていました。 質問が至らずすみませんでした。 ご回答いただきありがとうございます。

logspike
質問者

補足

早速の回答ありがとうございます。 プロモーターは、遺伝子上にある塩基配列で、 転写のはじまる部分だったと思うのですが、 その詳しい仕組みはよくわかっておりません。 この程度の理解ですが、ひきつづき宜しくお願い致します。

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