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「かほる」という名前の女性

kimosabeの回答

  • kimosabe
  • ベストアンサー率59% (137/230)
回答No.10

まず、「かほり」を[kaori]と発音できることについて。 11世紀ごろ一般化したとされる現象に「ハ行転呼(てんこ)」があります。これは、文節の頭以外に位置するハ行音がワ行音に発音される現象です。ハ行転呼が起こる前は、たとえば「はなは、(花は、)」の発音は [ΦanaΦa] でしたが、ハ行転呼が一般化すると、 [Φanawa]と発音されるようになります。 あはれ」と書いて[aware]、 「まとひ」と書いて「matoi」、 「請ふ」と書いて[kou]、 「給へ」と書いて[tamae]、 「かほ」と書いて[kao]、 これらは皆ハ行転呼の例です(ワ行音が現代共通語で[wa,i,u.e,o]と発音されていることはご承知のとおり)。 したがって、「かほり」を[kaori]と発音することは間違いではありません。ただし、現代仮名遣いでは、助詞の「は」、「へ」を除いて、ハ行転呼によって生じた[wa,i,u,e,o]は、「わ、い、う、え、お」と書きます。 次に「香り・薫り」の仮名遣いです。 普通、藤原定家が『下官集』(げかんしゅう、1240年頃)で提唱した仮名遣いと、それを増補した行阿の『仮名文字遣』(かなもじつかい、1363年)の仮名遣い、この二つをあわせて「定家仮名遣」 と呼んでいます。藤原定家は、同音化して[wo]と発音されていた「お」と「を」については、アクセントの違いによって書き分けようとしたようです。すなわち、高く発音される[wo]は「を」、低く発音される[wo]は「お」という書き分けです。「え」と「へ」と「ゑ」の書き分け、および「い」と「ひ」と「ゐ」の書き分けについては、平安時代後半の文献での仮名の使用例を基準にしたと推定されています。 契沖は、万葉集研究の過程で、万葉集での仮名の使用例と、「定家仮名遣」が相違していることに気付き、『和字正濫鈔』(わじしょうらんしょう、1695年)で新たな仮名遣いを提唱します。契沖の仮名遣いは、さまざまな音韻変化が起こる前の、すなわち仮名遣いの混乱が起こる前の、主に上代文献での仮名の使用例を仮名遣いの基準としています。この契沖の仮名遣いが「歴史的仮名遣」という名称で政府に採用されたのは明治時代になってからです。現在、活字化された古典のテクストの多くは底本の仮名遣いを改めて「歴史的仮名遣」に統一されています。「歴史的仮名遣」になじんでいる人は多いと思われます。信奉者もいます。 「歴史的仮名遣」が実際の発音とかけ離れていて(たとえば「今日(キョー)を「けふ」と書くなど」不便だというので、昭和21年に制定されたのが「現代かなづかい」です。 さて、「香り・薫り」については、 『仮名文字遣』に「かほり 香匂薫」とありますから、「定家仮名遣」では「かほり」です。ただし現代の一般的な日本人が「定家仮名遣」を知っていてそれを実践しているとは思えません。 「歴史的仮名遣」ではもちろん「かをり」です。 「現代かなづかい」および「現代仮名遣い」(昭和61年)では言うまでもなく「かおり」です。 結論です。 普通名詞の「香り・薫り」を現代仮名遣いで「かおり」と表記するのはもちろん正しい。公的な文書を除いて、いわば個人的な好みとして歴史的仮名遣で「かをり」と表記するのも間違いではない。「かほり」は規範(現代の日本で「定家仮名遣」は仮名遣いの規範とみなされていない)から逸脱した表記。 固有名詞である人名の場合は、「かほり」「かをり」「かおり」どの表記も命名者の随意。 また「かほり」と書いて [kahori]と発音するか、 [kaori]と発音するか、これも命名者の随意。 まあ、こんなところでしょう。

noname#136440
質問者

お礼

ありがとうございます。 >また「かほり」と書いて >[kahori]と発音するか、 >[kaori]と発音するか、これも命名者の随意。 おっしゃる通り。 ただ仮名遣い間違いなので、親が?とされます。

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