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なぜ、中国では表音文字が発生しなかったのでしょうか?

なぜ、中国では表音文字が発生しなかったのでしょうか? 他の文明や文化では、中華亜種である日本や朝鮮でも表音文字は発生していますし、エジプト文字、ウルク文字なども、表意文字から表音文字が発生しています。 中国の長い歴史の中で誰も表音文字を思いつかなかったというのはなかなか考えにくいのですが、表音文字の発生を阻害する特別な理由が中国にあったのでしょうか? よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • yanhua
  • ベストアンサー率72% (508/701)
回答No.6

まず結論を: 中国語で表音文字が発生しなかったのは、その必要が無かったからです。 以下、なぜならば: ご存知の通り、漢字は表意文字(正しくは標語文字)であるため、言語を異にする文化圏でもそのまま利用することが出来ました。その場合、漢字の意味と音を単純に借用することから始まり、漢字に自分達の言語と意味が対応する読みを充てる(日本語では訓読み)工夫が発生しました。 しかし、せっかく文字と言う便利な道具を手に入れたにも関わらず、気づいてみると自分達の母語を表記することには役立たないのです(漢字・漢語の音韻体系が日本語の音韻体系と一致しないから当然です)。 知恵は出るもので、日本人の場合は、日本語の音に近い音を持つ漢字を選んで、日本語の音節に代用したのが"万葉かな"です、この段階はまだ漢字流用の段階で、表音文字の態をなしません。以降、更なる工夫で"ひらがな""カタカナ"が出来ました。ついに自分達の母語を記述する"表音文字"を手に入れました。ベトナムでは"チュノム"、後にクォック・グー(Qu?c ng?)と呼ぶローマ字表記法に変ります)、朝鮮語では"ハングル"が相当します。 中国人にとって、漢字は元来自分達の母語の発音をそのまま表しているため、敢えて表音文字を必要としなかったに過ぎません。 中国は数千年の歴史の間、異民族王朝の方が多いのですが、北方/西方から漢族の土地を蹂躙した征服王朝はみな、文字は当然のこと漢民族の文化を踏襲してきました。有史以前に始まり、周の権威に長く育まれた春秋戦国の頃までの漢族の築いたものの底力といえましょう。 従って、他民族に征服されてもなお、漢字・漢語が最高の文化であり、文明の源泉であり続けました。そのような社会で、母語以外の言語を表記するために表音文字を生む必要はありません。侵略者である異民族の皇帝にも、彼らの音韻に近そうな漢字を充てれば済む話です。それほどの漢字の威力が古典主義にのめりこみ、自縄自縛を生み、漢字・漢語研究と発展を阻害したとの見解もあります。 *中国語にも"あっ""えっ""ん"の類はあるので、これらに対応する漢字もそれなりの数あります。単字で見れば音を示すだけの文字ですが、これを以って中国語に表音文字があるとは言えません。体系化されず言語の中で局所的だからです。表音文字は、音を示すと同時に、連鎖組み合わせで新たな意味を表現します。 むしろ中国の学者が困ったのは、膨大な数の漢字の発音を表記する方法でした。 2漢字を用いて1漢字の発音を示す「反切法」を考案しました。 1漢字で 声母=頭子音 を、更に1漢字で 韻母=後続の母音 を示す方法。 誰でも?発音を知っている基準漢字を選び、それらの組み合わせで全ての漢字の発音を表記しました。 音節文字シュメール楔形文字から、文字の効用に気づいたセム語系民族は借用を試みるに、子音主体のセム語には不具合なので、音素文字への転用の工夫をした。結果生まれたのが表音文字の元祖。以後アラビア、ヘブライ語、そしてインドヨーロッパ語族のアルファベットへと繋がる。 表意文字言語文化で現代に繋がっているのは中国周辺漢字文化圏のみ(でしょう)。 投稿寸前にANo.5氏のご指摘に関連して、 古代から文章は一部の教養あるものの特権でしたが、庶民の話柄を文章に残さなかっただけであり、庶民の発話に対応する漢字がなかったわけではありません。役人や教養人の使う言葉や文体は洗練されていましたが、漢字の母集団は庶民も役人も同じです。漢字だからこそ方言を含め異文化の種族を統一できたことは将にその通り賛同です。 以上、説明不足や断定口調になった部分もありますが誤解なきよう。 参考: *清朝になって「注音字母」が出来ましたが、文字ではなく中国語発音表記法の記号の域を出ません。 *中華人民共和国になってから「ピンイン」が制定されましたが、国際化や自国民教育の効率化などの必要で案出した、ローマ字による中国語発音表記法にすぎません。 *反切  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E5%88%87

その他の回答 (5)

回答No.5

なぜなのでしょうね、私なりに考えてみました。 まず、そもそも古代から近代にいたるまで、漢字を書ける人は一部の為政者や知識人に限られていたことが大きいと思います。 そしてその文章は文語文であって、現代中国語のように口語をそのまま漢字書きすることはありません。 論語での対話や演義ものの会話でも、その表現は出来るだけ簡潔に書かれています。 つまり、古来中国では、たとえ口語であっても文語文で書いてしまうので、口から出た言葉をその通りに書き表すことがなかったのです。 日本語でも、各地に方言があります。しかし文章に書く場合に、その方言の通りに文章にすると言うことは、ほとんどしないのと同じだと思います。 ましてや広大な大陸での方言を、いちいちその通りに書いていたのでは、意思の疎通が図れなくなります。まさにヨーロッパですね。 逆に言えば、文語文の漢字で書くからこそ、広大な国土のすみずみまで、意思を正確に伝え統治をすることが出来たのではないでしょうか。 為政者にとってはそれで充分であったので、わざわざ別の表音文字が必要だなどとは考えもしなかったのではないでしょうか。 漢字の持つ包含力や表現力、伝達力などこそが、表音文字を生み出さなかった大きな原因だったのではないでしょうか。 なお、その漢字の読みを表す方法としては、おなじ発音の簡単な漢字をあてるのと、南北朝のときに「反切」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E5%88%87 という方法を考え出しています。近代以降はほかの回答者の通りです。

noname#116741
noname#116741
回答No.4

 中国語で音を写している例で広く使われているものをいくつか探してみました。参考として、漢字の意味を書いてあります。文字の意味と関係なく発音だけが使われているということを説明するためです。

回答No.3

僕が中国人ですけど、この質問もわからないよ。。。 これは中国語の文法だろうか、文法はルールだ。それがそう話さなければならない。 でも、中国語をお上手に話したら、表音文字じゃなくても気にしないんだと思う。 HOPE YOU CAN UNDERSTAND. おまいが わかると ほしい

noname#116741
noname#116741
回答No.2

 日本の表音文字、ひらがなとカタカナは、漢字を元に作られました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E8%91%89%E4%BB%AE%E5%90%8D  ひらがなでは、まず漢字の意味を離れてその発音だけを使う万葉仮名が使われ、 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E4%BB%AE%E5%90%8D  それを草書体をいよいよ書き崩したものがひらがなです。  つまり、「あいうえお」は漢字の「安以宇衣於」の日本式簡体字であると言えます。同様にカタカナの「アイウエオ」は「阿伊宇江於」の一部分です。日本では、漢字を元に表音文字が作られました。  中国でも、漢字を元に表音文字が作られ、その構造はごく漢字的なものです。疑問文の最後につける「ma」は、同じ発音(音階である四声はちがう)の馬(ma3)の左に口を付けて(口馬)という文字が作られました。左に口が付いた文字は右の意味を離れてその発音だけを使うことを意味します。これは表音文字であるといえます。一方で、お母さんと言う意味の「ma1」は「馬」(ma3)の発音を借りてそれが女であるを意味する(女馬)という文字が作られました。これは表意文字と表音文字のハーフであるといえます。お母さんの文字が馬より後から出来た理由は、母親蔑視ではなくて、中国語のお母さんは本来「母親」(mu3 qin)であって(女馬)は英語から来た外来語だからでしょう。  このように、左に口が付く漢字はは、右の意味を離れて発音だけを借りた表音文字であるといえます。 口馬 ma 文末に付けて疑問の意味。 口恩 en 日本語の「うん」に発音も近く意味も同じ。 口愛 ai 「いや」と同じ意味。 口育 yo 「あれっ」と同じ意味。 口合 ha 「は」と笑う声。  これらは中国語の発音の一部に過ぎない、すべての発音を網羅する表音文字が無い、と言うならば、中国では適宜漢字を表音文字として使ってしまっています。漢字が外国文字である日本と違い、中国で字が読める者は漢字が読めることが前提ですから、ひらがなのようにわざわざ漢字から抽出して簡略化する必要が無かったのでしょう。  阿??施瓦辛格はアーノルド・シュワルツネッガー、歌?はゲーテです。この意味の通らない文字を見れば、中国人なら、ははぁ表音文字だなと分かるわけです。発音が写せていないではないか、と笑われる点は「アーノルドシュワルツネッガー」も「ゲーテ」も同じでしょう。新しい外来語の発音を漢字に写す際に複数の表記が生じる可能性がありますが、新華社が使ったものが標準とされるといわれています。 (口合)爾浜(ハルピン) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%B3%E5%B8%82 『市名の由来としては、白鳥を意味する満洲語、平地を意味するモンゴル語、栄誉を意味する女真語などの諸説があり定まっていない。』  満州語、モンゴル語、女真語は中国語と違いむしろ朝鮮語や日本語に近いウラルアルタイ語族ですから、(口合)爾浜も漢字を表音文字として使っていると言えます。

  • nebnab
  • ベストアンサー率34% (795/2317)
回答No.1

中国でも20世紀になって「注音字母」と「ピンイン」の2種類の表音文字が作られていますよ。 ピンインはアルファベットに声調符号をつけただけなので新しい文字とはいえないようにも思いますが、注音字母は中国人が作った文字と言えます。台湾ではまだ使われています。 注音字母 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A8%E9%9F%B3%E7%AC%A6%E5%8F%B7 2000年前の中国で表音文字ができていたら、現在の中国大陸はヨーロッパのように多数の国家が分立していたと思います。

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