自由電子とホール(正孔)、「正電荷と負電荷」の考え方

このQ&Aのポイント
  • コンデンサに直流電圧をかけると、金属中の自由電子の分布が偏り両極間に相対的に電荷(静電場)が生じます。
  • 金属内の原子から自由電子が移動して抜けてしまった部分をホール(正孔)と呼びます。
  • 自由電子の負電荷量とホールの見かけの正電荷量は作用と反作用の関係に相当します。一方、原子核と電子はそれぞれの正電荷と負電荷が拮抗し見かけ上中性を保っている状態と考えられます。ただし、陽子の正電荷は負電荷の抜け穴と考えるべきで見かけ上のものです。陽子と電子の間には中性点があり、正負の値が必ずしも同等にならない可能性があります。質量のある自由電子と異なり、電荷自体は質量を持たないため、「ある種の中性状態からの偏り」があってもよいと考えられます。
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自由電子とホール(正孔) 、「正電荷と負電荷」の考え方

自由電子とホール(正孔) 、「正電荷と負電荷」の考え方    コンデンサに直流電圧をかけると、金属中の自由電子 の分布が偏り両極間に相対的に電荷(静電場)が生じま すね。 このとき、金属内の原子から自由電子が移動して抜けて しまった部分をホール(正孔)と呼ぶと習いました。 これは金属内で自由電子という質量をもつものが移動し た結果と思います。 この場合、自由電子の負電荷量とその抜け穴の見かけ の正電荷量は作用と反作用の関係に相当しますから同 等にならざるを得ませんよね。 一方、原子核と電子はそれぞれの正電荷と負電荷が拮 抗し見かけ上中性を保っている状態と考えてよいですか? 仮に水素原子(陽子1個、電子1個)を考えた場合、陽子 はあくまで陽子、電子はあくまでも電子ですね? その場合、   (1)陽子の正電荷は負電荷の抜け穴(正電荷ホール)    と考えるべきで見かけ上のものなのか?   (2)それとも負に対し「正の電荷」というものがあると考    えるべきなのか? どちらでしょうか?        (1)である場合「正電荷」とは単に「負電荷」に対する   反作用ということかと思います。(当然正負の絶対   値は同等になるかと..)    しかしそれでは電子が単独でポツンとある場合で    も、その負電荷相当の正電荷が反作用として現れ    なければならないと思いますが実際はそうならない    ですよね。   (2)である場合、陽子の電荷と電子の電荷の間のどこ    かの中性値を基底に正負に振動でもしていない限り    正負の値が必ずしも同等にならないと思えます。    しかしそれでは電子が単独でポツンとある場合、中    性点が無くなり振動はできないので負電荷単独で現    れることができなくなってしまいます。          質量のある自由電子と異なり電荷自体はポテンシャ    ルエネルギーのようなもので質量があるとは思えない    ので「ある種の中性状態からの偏り」ならば中性に対    して「正の電荷」、「負の電荷」があってもよい、つまり    (2)でもよいようにも思えますが...    (但し、なぜ正負の素量が同じ値をとるのかという謎は    残りますが...「何故」には答えられないことが多い)         この質問箱で似たような質問と回答を拝見したのですが、    どうも、「自由電子とホール(正孔)」、「正電荷と負電荷」    の違いがゴッチャになっているような気がしましたが..    いかがなものでしょう?

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.4

とりあえず結論から、 <<「正電荷」は「負電荷」の抜け穴と考えのが正しいのか <<「正電荷」と「負電荷」は別個のものと考えるのが正しいのか 一般的には 「正電荷」と「負電荷」は別個のものと考えるのが正しい。 ただし電子とホールの場合には 「正電荷」は「負電荷」の抜け穴と考えるのが正しい。 正電荷・負電荷の対として (1)自由電子とホール、(2)電子と陽子、(3)電子と陽電子などを考える時、 陽子、陽電子は「正電荷」ですが、 ホールは「見かけの正電荷」です。 ホールが特殊な考え方なので、その他の正電荷と一緒にして考えないほうが良いと思います。 (いや、ディラック方程式から考えると・・・とか他の回答者さんから反論が来そうですが ややこしくなるので・・・) 本物の正電荷である原子核は移動できませんが、例えばペットボトルの中の泡のように 電子が足りない部分を粒子のように移動させることは出来ます。 これが大雑把な、ホールという「キャリア(電荷輸送の担い手)」の概念です。 「ホールは電子が抜けた孔」というのはすこぶる正しいですが、 それなりに複雑な仕組みを端的に言い表したものなので、その言葉だけで判断するとおかしなことになります。 ホールとは何かここで説明するのは難しいですが、(図で説明されないと分からないと思います) ホールの仕組みについて説明しているサイトは山ほどあるので調べてみてください。 それと、正電荷、負電荷はそれぞれ単体で存在できるので総量が0になる必要は必ずしもありません。 電子は電子、正電荷がないところでも存在できます。 実際にはクーロン力で引き付け合ってペアになりますから、中性の状態が普通ですが。 陽子の電荷が電子と等しい理由は、 陽子が電荷が2/3eのアップクォーク2つと-1/3eのダウンクォーク1つから構成されるから・・・ では答えになってないですね。すみません、勉強してきます。 一応質問者さんの思うところを類推しているつもりですが良く分からなかったのが1点。 電子に質量があるかないかをしきりに気にしているようですが、論点とどう絡んでいるんでしょう?

unikurage
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >一般的には >「正電荷」と「負電荷」は別個のものと考える >のが正しい。 >ただし電子とホールの場合には >「正電荷」は「負電荷」の抜け穴と考えるのが >正しい。 おかげさまで、かなりすっきりしました。 しかしNO,3さんのような見解をお持ちの方も やはりいらっしゃるようです。 >いや、ディラック方程式から考えると・・・ 所謂「ディラックの海」ですよね。 あれは確かに正孔と同じような考え方だなと思 いました。 最近は「場の量子論」とかで「0点振 動」という真空の基底状態のような(といっても僅 かに揺らいでいる)ものが考えられているようで す。 >電子に質量があるかないかをしきりに気にしてい >るようですが... 電子に質量があるか無いかを気にしているわけで はありません。 負電荷で質量のある電子が位置的に偏ることで出 来る「正孔(ホール)」という見かけ上の概念と「電荷」 というエネルギーの正負への偏移状態(見かけでは ない)は異なるものであろうということを問いたかった ためです。 >陽子の電荷が電子と等しい理由は... 仰るとおり正電荷は「負電荷の抜け穴」ではなくいず れも単独で存在できるのですから等しい必然性は無 いですよね。 その正負の素量がなぜ対象値をとるのか? 多分未解決問題ではないかと...

その他の回答 (3)

  • leo-ultra
  • ベストアンサー率45% (228/501)
回答No.3

中性子が崩壊して陽子と電子が対でできるので、そういう意味では、陽子と電子も 固体物理学の電子と正孔と同じと考えることができるかもしれません。 陽子と電子だとだいぶ質量が異なりますが、半導体中の電子と正孔も質量が異なります。 普通は正孔の方が重い。 また、正孔の概念は金属でも使います。 確か、アルミのホール係数は電子とは逆で、 アルミでは正孔が伝導を担っていたと思います。 もっと明らかな例は、昔騒がれた酸化物高温超伝導体です。 あれらは転移温度より高温だと金属ですが、正孔伝導です。

unikurage
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 >中性子が崩壊して陽子と電子が対でできるので ... そうなんですよね~ もし陽子と電子が電荷的に別個の正と負なら接 触すれば部分対消滅してしまうのでは?と思い ました。 それが単に電子が陽子の抜け穴に収まって中性 子になっているだけなら中性になる(エネルギーが フラットになる)のでなにも起こらないかな?~と 前者と後者ではエネルギーが単純に2倍違うこと になりますよね。 輪ゴムを2本のピンにかけて張って片方にだけ け引っ張ると反作用で見かけ上、反対側への力 が生まれます。 しかし両方に(正にも負にも同じだけ)引った場合 はエネルギーは2倍になりますよね。 しかも正と負の値を対象にしないことが可能にな ります。(ベクトル量との比較例なので適切では ないかも知れません)   正孔に質量? しかも抜けた電子の質量と等価 でない?(正孔のほうが重い?) 電子の抜け穴に質量があるというのはイメージ しにくいのですが、(単なる穴で見かけ上の正電 荷であって質量はないと思っていました)どのよ うなメカニズムで質量が現れるのですか? 参考になる文献があれば教えてください。 >アルミのホール係数は電子とは逆で・・・ そうなんですか~? 私もホールに関しては昔、電子工学の半導体の 解説で出てきたと記憶しておりましたものですか ら(指摘されるまで忘れてましたが...)

  • d9win
  • ベストアンサー率63% (24/38)
回答No.2

質問者の疑問は正電荷と負電荷の電荷量の絶対値が厳密に同じであるのは何故かという点でしょうが、それを考えるのにはコンデンサーの両電極の状況は良いサンプルではありません。コンデンサーの電極金属の表面電荷は自由電子の分布が偏ること現れるものだからです。金属には正孔は存在しえません。正孔は半導体にのみ現れる概念(現象)です。 正電荷と負電荷の電荷量の絶対値が厳密に同じである理由を説明する理論はないと思いますが、それを考えるならば、まずは粒子と反粒子(例えば電子と陽電子)を対象とすべきです。反粒子は電荷の絶対量が異なる以外は全く同等の粒子と定義されてるからです。そして、粒子と反粒子がぶつかると必ず光が出ます(逆方向に二つ発生する場合が多い)。また粒子のエネルギー(mc^2)の2倍以上のエネルギーを持った光は、一対の粒子と反粒子を作り得ます。 ちなみに、半導体の正孔と自由電子を反粒子と粒子の関係にあるという人は居ませんが、これらもぶつかると光が出て、光によって同時に発生します(太陽電池として働く由縁)。

unikurage
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 私の悪い癖で、質問の題意がどこにあるのか判 らないようなことをごちゃごちゃと書きすぎるきら いがあります。 以降十分注意致します。 N0,1さんへのお礼にも書きましたが、要は、 正孔(ホール)は自由電子の「抜け穴」という認識らし いのですが、 一方、全く視点を変えて 電荷においても「正電荷」は「負電荷」の抜け穴と考え るのが正しいですか? それとも「正電荷」と「負電荷」は別個のものと考える のが正しいですか? という質問なんです。 どちらとも取れるような記述を読んでしまい、迷ったの です。 もし後者なら正負の電荷量が同じである理由が未解 決なことは理解できます。という意味です。 >正孔は半導体にのみ現れる概念(現象)です。 >< そうでした。 失礼いたしました。 電子工学も勉強しなおさなくては...  

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.1

確かにこの文章を読む限り, あなたの中で 「『自由電子とホール(正孔)』、『正電荷と負電荷」の違いがゴッチャになっている」 ような気がします. 自由電子とホール, 陽子と電子の関係はそれぞれ個別に考えた方がいいと思いますよ.

unikurage
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 >あなたの中で...違いがゴッチャになっている 多分、ごちゃごちゃした文脈からそのように感じら れたとかと思います申し訳ありません。 要は、 正孔(ホール)は自由電子の「抜け穴」という認識らし いのですが、 一方、 電荷(無論、陽子や電子とは別のものと捕らえていま す)においても「正電荷」は「負電荷」の抜け穴と考え るのが正しいですか? それとも「正電荷」と「負電荷」は別個のものと考える のが正しいですか? という質問なんです。 (最初からそうすべきでした。 以後、気をつけます。) 両方の記述が散見され、迷いました。

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