サイクリックボルタンメトリーについて困惑しています

このQ&Aのポイント
  • 最近「ベーシック電気化学」という教科書を参考にポテンショスタットを作製し,サイクリックボルタンメトリーの研究を始めました.しかし、初期電位を調整しても電流が流れてしまう問題に直面しています.
  • また、硫酸の測定例では電位を走査し電流値が一つの輪になるような測定をよく見かけますが、どの電位から測定をスタートすべきかについても悩んでいます.
  • さらに、ポテンショスタットを用いて定電圧を印加すると電流が流れる現象についても疑問を抱いています.どのように考えればよいでしょうか?
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サイクリックボルタンメトリーについての質問です.

サイクリックボルタンメトリーについての質問です. 最近「ベーシック電気化学」という教科書を参考にポテンショスタットを作製し,サイクリックボルタンメトリーの研究を始めました. まず正常に動作をしているか確かめるためNaCl溶液や0.5M H2SO4溶液を用い測定を行いました. 「電気化学測定マニュアル」に初期電位は通常電流の流れない電位に設定するとありましたので,電位を0.01Vずつ調整しては数分待つということを行っているのですが,どんなに調整しても±数μA程度電流が流れてしまいます. 教科書等に記載されている初期電流が0のグラフは溶液にK4[Fe(CN)6]などを使っている例が多く,還元される物質がなければ反応が起こる電位より負であれば電流が流れないのは理解できます. しかしNaClや硫酸の場合は酸化種も還元種もあるため(両方ないと考えるのかもしれませんが)電流が流れない状態を作り出すことが困難ということでしょうか? また硫酸の測定例では電位を走査し電流値が一つの輪になるような測定をされているものをよく見かけます.この場合どの電位から測定をスタートするべきなのでしょうか? 最後に,ポテンショスタットを用いて定電圧を印加する場合,作用電極と対極間にはとある電位がかかっているとは思いますが,電気分解が起こらない電位差であれば電気二重層が形成されるだけで電流は流れないと思うのですが,上記の実験では少し変化させれば電流が流れます. これはどのように考えればよいのでしょうか? 以上長くなりましたがご教授いただければと思います. 実験装置と現状 作用電極:白金,対極:白金,参照電極:Ag/AgCl電極(飽和KCl) 硫酸を用いた簡単な動作確認において教科書に記載されているピークが得られています.

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  • c80s3xxx
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回答No.2

> 電位を0.01Vずつ調整しては数分待つということを行っているのですが,どんなに調整しても±数μA程度電流が流れてしまいます. ポテンショスタットから製作されたとは,たいへんにすばらしい.私も若い頃に簡易的なものを何台か作りました. 電流が残るひとつの可能性は,ポテンショスタットというか,OPアンプの誤差です.オフセットを完全に0にするのは難しいので. ポテンショスタットの誤差かどうかは,溶液を使わずに,たとえば1kΩとかの抵抗を2本用意して,C-1kΩ-R-1kΩ-W と接続し,このときの電流電位特性が 1kΩの抵抗のオーム特性と合うかどうかを見ると簡単です. > しかしNaClや硫酸の場合は酸化種も還元種もあるため(両方ないと考えるのかもしれませんが) 電位にもよりますが,基本的には両方ないという領域が大半です.すくなくとも,Ag/AgCl に対して±数100mVくらいの範囲ではそうです.空気下では-側は酸素還元が出やすくなるのでちょっと狭いですが. > また硫酸の測定例では電位を走査し電流値が一つの輪になるような測定をされているものをよく見かけます.この場合どの電位から測定をスタートするべきなのでしょうか? どこからでもかまいません.あのような測定例は多重サイクル後の定常曲線を示していることが多いです. > 最後に,ポテンショスタットを用いて定電圧を印加する場合,作用電極と対極間にはとある電位がかかっているとは思いますが,電気分解が起こらない電位差であれば電気二重層が形成されるだけで電流は流れないと思うのですが,上記の実験では少し変化させれば電流が流れます. 電気二重層はコンデンサですから,電位掃引に対しては掃引速度×容量分の充放電電流が必ず流れます.

motyostyle
質問者

お礼

回答ありがとうございました. > C-1kΩ-R-1kΩ-W と接続し,このときの電流電位特性が 1kΩの抵抗のオーム特性と合うかどうかを見ると簡単です. 早速試してみましたが問題なく動作しているようでした.ですのでポテンショスタットは正常に動いていると思います. > 電位にもよりますが,基本的には両方ないという領域が大半です. 酸化種も還元種もないということは,その範囲内であれば(掃引せず安定な状態であれば)電流はほぼ流れないと考えてよいのでしょうか. > 電位掃引に対しては掃引速度×容量分の充放電電流が必ず流れます. 説明不足ですいません.電位の掃引はせず電位を調整し数分待った状態においても電流が流れることが不思議でした.現状ではAg/AgClに対し0.2V程度電位差を与えただけで数十μA電流が流れているので,電気二重層が形成されている状態なだけでも電流が流れるのかという疑問がわいたのです.OPアンプの誤差もあるかも知れませんが,電位差を変えれば電流量も変わるためそれだけではないのかなと感じました.

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  • c80s3xxx
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回答No.3

> 酸化種も還元種もないということは,その範囲内であれば(掃引せず安定な状態であれば)電流はほぼ流れないと考えてよいのでしょうか. 基本的には流れません. > 現状ではAg/AgClに対し0.2V程度電位差を与えただけで数十μA電流が流れているので,電気二重層が形成されている状態なだけでも電流が流れるのかという疑問がわいたのです. ふつうはそんなには流れませんね. 白金電極や電解液のコンタミを疑うべきかもしれません. 私は定電位での電流測定で nA レベルの測定もよくやりますが,そんなにバックグラウンドが流れていたのでは,nA の電流変化は測れません. > OPアンプの誤差もあるかも知れませんが,電位差を変えれば電流量も変わるためそれだけではないのかなと感じました. オフセットに加えて,フィードバックの演算誤差もあるので,電位差を変えればずれも変わります. 最初の抵抗でやったときに,0V 設定でどのくらいのオフセットが出たか(0 に完全にはならないのがふつう),それよりも大幅に大きなものなのか,確認してみてください.

motyostyle
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました. 100Ωの抵抗を二つ繋いだ測定しましたがオフセットは3μAほどありました. 普通はそんなに流れないということで,もう少しポテンショスタットの構成を確認してみます.

noname#160321
noname#160321
回答No.1

>電位を走査し電流値が一つの輪になるような測定をされているものをよく見かけます.この場合どの電位から測定をスタートするべきなのでしょうか? どこから始めても構いませんが、理想的には溶液の起電力と一致する、つまりペンが(パソコンでやってるかも知れないけど)自分では動かない点から始めます。 CVって結構いい加減な世界だから、文献通りの電位と電流が観測されれば、つまり図形がきれいに描けてれば気にしないでバリバリ測定してそこから何かを掴んだ方が良いです。

motyostyle
質問者

お礼

回答ありがとうございました. 一応図形は綺麗に描けていますのでどんどん測定していこうと思います.

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