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溶解平衡から溶解度積への変形
例えばAgClで教えていただければ助かります。 難溶性のAgClでもごく僅かに水に溶け、飽和溶液になる。溶けた塩化銀はほぼ完全に電離していて、溶解平衡K=[Ag+][Cl-]/[AgCl]が成り立つ。[AgCl]は一定とみなせるので、[Ag+][Cl-]=K[AgCl]=Kspと表され、Kspを溶解度積という。 と書いてあるのですが、なぜ[AgCl]は一定とみなせるのでしょうか? そもそも[AgCl]って何を表しているのでしょうか?他と同様に水溶液1L中に溶けているAgClの物質量molっていう解釈なのでしょうか。だとすると溶けた塩化銀は完全に電離しているという説明から[AgCl]は限りなく0に近い数字ということなのでしょうか? 色々調べてみたのですが、一定になる理由として釈然としないため質問させていただきました。よろしくお願いします。
- TAKUKU
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> [AgCl]は単位体積中にどれだけ注目しているものがあるかということは、簡単に考えて1cm3中のmol数と考えていいのでしょうか? 基本的にはそういうことです. > 例えば、AgClであれば1cm3の質量は密度(5.56g/cm3)から5.56gあり、これは5.56÷143.5(式量)=0.0387・・・(mol/cm3)となり、これは純粋な塩化銀であればいつでもこの値で一定になるから、[AgCl]=0.0387で一定という意味でしょうか? 実際には活量で考えなくてはいけないわけですが,基本的にはその通りです.濃度が一定なら活量も一定です.活量係数の問題があるので,こういうみかけの体積モル濃度を出しても,数値自体には大した意味はありませんが,それが「変えようがない」という点が重要なのですよ.
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- c80s3xxx
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ここでいう[AgCl] は,水に溶けている AgCl ではありません.実際にはなにがしか AgCl という分子態でもいるはずだとは思いますが,これについてはとりあえず考えなくていいです. では,どこの濃度か,というと,これはあくまでも固相のなかでの濃度です.濃度というのは,まあ,単位体積中にどれだけ注目しているものがあるかということです.純AgCl 固体の場合,温度が決まれば密度が決まるので,この時点で「濃度」は固定されます.一定です.純 AgCl を考える限り,変えようがありません. たとえば,混晶というものがあります.一例として,AgCl-AgBr の混晶が作れます.この場合は,AgBr の含有量によって [AgCl] 自体が変化します.当然,AgCl の溶解度積の値を単純には使えなくなります. 本当は濃度ではなく活量で考えるべきですが,活量にしても同じことで,いくつであるかはともかく,純物質ではある定数にしかなりえません. 純粋な凝縮相 (固相や液相) の活量を形式的に1と取るのは,「定義」だと単純に思ってはいけません.これは本当はいくつだかわからないが,どうせ変化させることができないのだから,標準条件の定義を純物質の状態に取る,と決めたことと引き替えに1になっているのです.本来は,標準状態は,活量が1の条件で,溶液ならそうなる濃度に設定するわけです.しかし,純粋な凝縮相は活量を変えることができません.そこでその状態を標準状態と定義して,活量は1で扱えるようにしているのです.
お礼
ありがとうございます。[AgCl]は単位体積中にどれだけ注目しているものがあるかということは、簡単に考えて1cm3中のmol数と考えていいのでしょうか? 例えば、AgClであれば1cm3の質量は密度(5.56g/cm3)から5.56gあり、これは5.56÷143.5(式量)=0.0387・・・(mol/cm3)となり、これは純粋な塩化銀であればいつでもこの値で一定になるから、[AgCl]=0.0387で一定という意味でしょうか?
- nious
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決まり事と考えたらいいと思います、 沈殿は固体だから濃度の概念がありません。溶媒と均一に混ざった状態ではないからです このような場合には特に活量を1(濃度1M)と決めてしまい、式から消してしまいます。
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