脳内神経伝達物質について
- 脳内の神経伝達物質として、グルタミン酸とギャバが重要な役割を担っています。
- グルタミン酸は脳内の電気信号の伝達に関与し、ナトリウムイオンの電気信号を伝える役割を持っています。
- 一方、ギャバはクロールイオンと関係があり、神経活動の抑制に重要な役割を果たしています。
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脳内神経伝達物質について
脳内の神経伝達物質で次のようなことを、ある本を読みましたら出ていました。 * 脳の中でよく使われる伝達物質には「グルタミン酸」というアミノ酸だ。それはナトリウムイオンの電気信号を伝えるの役立つ。 もう一つは「γアミノ酸」といって、通称ギャバという物質。これはCLイオンと関係がある。 量でいえば、この二つ(グルタミン酸とギャバ)で脳のほぼ全てを握っていると思っていい。 という内容です。 そこで、教えていただきたいのは、 私は、脳内神経伝達物質として、セロトニンやドーパミンやノルアドレナリン、アドレナリンやアセチルコリンなどのほうが多いのかと思っていました。 上の説明によると、「グルタミン酸やギャバの二つでほぼ全てを握っている」としていますが、グルタミン酸は、どんな働きをしているのでしょうか。セロトニンなら心の安定、ドーパミンならやる気、ノルアドレナリン、アドレナリンなら集中力の働きをしていますが、多量に使われているグルタミン酸はどんな働きをしているのでしょうか。
- mashu166
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こんにちは。 「Gul(グルタミン酸)」と 「GABA(γアミノ酪酸)」 我々の脳内では、このふたつは「中枢系の情報伝達に用いられる伝達物質」と考えて良いと思います。 神経伝達といいますのは伝達物質を受け取った神経細胞の「興奮のある無し(活動電位)」が「0,1信号」として出力されるということです。 そしてここでは、 「Gul(グルタミン酸)は興奮性伝達物質」 「GABA(γアミノ酪酸)は抑制性伝達物質」 として働きます。 「Gul受容体」は「Na+」を通過させる「+イオン・チャネル」と連動しています。神経細胞は「+イオン」の流入によって膜内電位が上昇し、活動電位に近付きますが、「-イオン」ですと電位は逆に引き下げられます。「GABA-A受容体」は「Cl-」を流入させて神経細胞の興奮を抑制させる働きを持っています。 神経細胞は通常Gul及びGABAの受容体を複数持っており、周辺の発信細胞から送られて来る「Gul興奮性入力」と「GABA(抑制性入力)」、この「+-の合計」が閾値を超えることによって出力信号が生み出されます。我々の脳内ではこれによって「0,1信号」が処理されており、中枢系における情報伝達の約40%がこの「Gul(興奮性)」と「GABA(抑制性)」の組み合わせで行われています。 「NA(ノルアドレナリン)」 「DA(ドーパミン)」 「5-HT(セロトニン)」 このようなものは中枢系ではほとんどが「修飾性伝達物質」として働くものであり、GulやGABAのように直接の情報伝達に用いられるものではありません。 「伝達物質の修飾作用」といいますのは特定の信号を伝達するのではなく、投射された神経細胞の働きを変化させるということです。これらの伝達物質はそれを含有する専用の神経核から「中枢系広域」に対して「一斉投射」されるものであり、我々の脳内で覚醒状態といいますのはこの修飾作用によってコントロールされています。 修飾作用といいますのは投射された広域の神経細胞の働きを一様に変化させるというものです。 「NA(ノルアドレナリン)」は興奮性の修飾作用を持っています。このため、Gul・GABAによって情報伝達の行われている神経細胞にこのNAの投射がある場合は興奮が発生しやすくなりますので、通常では伝わらない信号でもスムースに伝わってしまうということになります。これを「修飾性物質の促通効果」と言います。 例えば、我々が見たり聞いたりした「感覚情報」といいますのはGul・GABA伝達によって伝達されるわけですが、この信号は皮質・感覚野に到達しなければ知覚処理というのが行われません。このため、我々はいちいち気に止めなかった情報は見たという記憶さえ残らないわけです。ですが、果たしてここでNAの広域投射が成され、脳内の覚醒状態が亢進している状態である場合、感覚情報は中枢系の深部に伝わりやすくなります。NAといいますのは主に環境の変化に備えるための「ストレス対処反応」を発生させる修飾物質であり、これによって脳内の注意力が高まっている場合は広い領域で神経伝達が活発になり、記憶も作られやすくなります。 「DA(ドーパミン)」といいますのはストレスではなく、環境からの入力が報酬と判定された場合、「報酬系回路」と呼ばれる一連の領域に興奮性として働く修飾物質です。我々はこれによって環境に発生した報酬に対する「行動選択の動機」、即ち「意欲」を獲得するわけですが、これがいわゆる脳内の「やる気のスイッチ」です。 「5-HT(セロトニン)」といいますのは「抑制性」の修飾物質であり、脳の安静覚醒状態を保つ働きを担っています。何か事が起こったときに興奮性として一斉投射されるNAやDAとは違い、この5-HTといいますのは環境の変化とは関係なく、脳内では常に一定量が分泌されています。このため、身辺に発生した問題が無事解決されるならばNAやDAの投射は止まりますので、我々の脳はこの5-HTの恒常的な抑制作用によって速やかに安静覚醒状態に戻されるようになっています。 修飾性伝達物質といいますのは脳内広域の覚醒状態を変化させるものであるため、一時的な分泌量は多いように思われます。ですが、「0,1信号」によって行われる情報伝達に使われるGulやGABAといいますのは、我々が何かを感じたり考えたりするときには絶えず消費され続けています。そして、中枢系においてはこれによる神経接続が全体の40%を占めていることが調べられています。 感覚・運動系の入出力においてもこの組み合わせが神経系全体における情報伝達の最も基本的な構造であり、近年、脳科学の書物では専らこのような事実が一般的な解説として取り上げられています。
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- owata-www
- ベストアンサー率33% (645/1954)
専門ではないので参考程度にとどめて欲しいですが この2種類は主にシナプスの神経伝達に用いられています、グルタミン酸はシナプスを興奮させ、GABAはシナプスを抑制する作用を持ちます
お礼
さっそく、ご回答くださり、感謝します。 ありがとうございます。 教えていただきました点を、ふまえて、もう少し研究したいと思います。 感謝。
- kt1965
- ベストアンサー率34% (116/339)
それらは、理化学研究所の脳フロンティア研究グループやアメリカのNIHなどの研究グループによって、1980年代後半から分かってきていたことです。 具体的に「グルタミン酸」や「ギャバ」は、「脳内伝達物質」の原料になるからなのです。生成プロセスを書くと、とんでもなく複雑怪奇になってしまいますので、以下にあげる参考文献などを読まれると良いでしょう。 一般向け *信州毎日新聞・科学文化部著、「脳、偉大なる小宇宙」、紀伊国屋書店。 専門家向け *E.R.Kandel, J.H.Schwartz, T.M.Jessel, Principles of Neural Science -forth edition -, MacGrawHill
お礼
さっそく、ご回答くださり、感謝申し上げます。 ありがとうございます。 ご紹介いただきました、「脳、偉大なる小宇宙」の本を読んでみます。
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