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メキシコの豚インフルエンザ対策について
。今回の豚インフルエンザの報道で、感染された方の報道はありますが、メキシコでの 感染源とされる豚の対策の報道を見ておらず不思議に思っています。 各国が警戒レベルをあげて対策をしている報道は大々的にされていますが、メキシコの豚の感染源の特定等の報道は見ていません。(見落としているのかも知れませんが) 今までの鳥インフルエンザの発生時の対策として膨大な数のニワトリ等の処分や 狂牛病の時のような牛の処分といったショッキングな報道はまだ見ていません。 ひょっとして豚インフルエンザは一般的にある症状で 今回、豚からヒト→ヒトからヒトへの感染となったために大問題になったので、感染源の豚の特定や処分はされていないのでしょうか。
- ToughBoy
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獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。 No.1さんの回答で概ね正しいのですが、もう少し詳しく書きます。 豚インフルエンザはヒトのインフルエンザと同じように、世界中で普通に見られる病気です。日本では症状が軽微で畜産上あまり問題にもならないため、法律上では届け出対象にもなっていないため、発生数やウイルス保有率など詳細は判っていませんが、マジメに探せばけっこう出てくるでしょう。 特に今回のH1N1という亜型は、全世界でも最もありふれたタイプです。 今回の新型インフルエンザ騒動で豚の対策が行われていない理由は、No.1さんが考えるとおり、ウイルスが既に「ヒト→ヒト」で容易に感染する「ヒト型」に変異してしまっている以上、豚の対策は意味がない、ということです。 例えれば、火事が出てしまって家が燃えているのに、ガスコンロの火を消そうとしても意味がない、ということです。 過去、「新型インフルエンザ」が発生するメカニズムは、 1.自然宿主であるカモ類から鶏に感染する 2.鶏はこのウイルスに高い感受性を持つため、ウイルスがカモの体内にいる時より激しく増殖する 3.また、鶏は"家畜"なので密度が高い状態で飼育されている 4.2と3により、鶏にウイルスが侵入すると総体的なウイルス量はケタ違いに増える 5.そうすると豚にウイルスが侵入する可能性が高くなる 6.豚は鳥のウイルス、ヒトのウイルス(あくまでインフルエンザウイルスの話ですが)が共に感染しやすいという特徴がある 7.また、インフルエンザウイルスは遺伝子の構造上、生体内で容易に遺伝子組み換えを起こす 8.なので豚に鳥とヒトのウイルスが共感染すると、遺伝子組み換えにより「新型インフルエンザウイルス」が出現する可能性がある ということなのです。 鳥インフルエンザは少し特殊で、カモから感染したままの「鳥インフルエンザ」は、特にたいした病気ではありません。ですが、鶏ではあまりに増殖が激しいため、稀に感染した鶏を全て殺してしまう激烈な病原性を持つウイルスに変異してしまうことがあります。これが「高病原性鳥インフルエンザ(HPAIと略す)」です。 HPAIは畜産上、甚大な被害をもたらすので家畜の病気として法的に淘汰の対象となります。発病した鶏だけでなく、同一農場で飼育されている鶏は全て殺処分対象です。 豚インフルエンザは、症状も軽微ですし豚のウイルス単独で新型インフルエンザになるわけではないので公衆衛生上の監視必要度も低く、これまであまり真剣に監視されてこなかった経緯があります。OIEのリスト疾病でもありません。 ただ、鳥インフルエンザが蔓延している地域では、豚の監視は強化する必要は大いにあるでしょう。 今朝(29日)のニュースで、インドネシアでH5N1を保有した豚が多数見つかった、というのがありましたが、これは非常に危険な状況だと思います。 ちなみにこのH5N1、現にインドネシアなどアジアでは鳥から直接ヒトに感染して多数の死者が出ていることもあり、「鳥→ヒト」経路による新型インフルエンザの出現が非常に危惧されてきたところです。 ですが、このウイルスのヒトに対する病原性が非常に強いこともあって、あくまで「単発の感染」で摘発することができていたので、ここからすぐにでも新型インフルエンザが出てくる可能性はあまり高くない、と個人的には思っていたのですが、豚から1割という高率で見つかったのはかなりヤバイのではないか、と思えます。 でも、アジア諸国はHPAIですら殺処分できなかったわけですから(だからこそ蔓延した)、豚の殺処分なんてまずできないでしょうね。 もうひとつ、このH5N1は「高病原型だから怖い」と思われていたと思いますが、この「高病原型」というのはあくまで「鶏に対する病原性が高い」という意味で、ヒトに感染した時どうか、というのはまた別の話です。現にヒトに対する病原性も強いわけですが。 でも、豚については「調査して初めて判った」ことから、おそらく病原性は弱いのでしょう。豚に対しても強毒なら、豚がバタバタ死んで調べるとH5N1だった、ということになるはずですから。 高病原性と低病原性は、ウイルスが細胞に感染する時に関与するHA蛋白のアミノ酸配列(つまりは遺伝子配列)で決まります。この配列により、「呼吸器か消化管にしか感染できない」か「全身臓器に感染できる」かが決まり、全身臓器に感染できるHA蛋白のウイルスを「高病原型」と呼んでいるわけです。 ただし、これはあくまで「鶏に対する話」です。高病原型のHA蛋白を持っていても、鶏以外の動物に感染した時の病原性は判りません。 そういう意味では、「強毒型」の方が防圧は遙かに容易です。感染すれば短期間で行動不能になり致死率も高いのではあれば摘発も容易ですし、他の動物(あるいは人間)にウイルスをばらまく機会も減るわけですから。 感染しても平気な顔してウイルスをばらまかれるというのが、最も困難ですね。 鶏や豚のインフルエンザについて徹底的に監視すれば良いのでしょうが、人も金も足りませんし。鶏の監視は非常に強化されていますが、豚の監視はまだまだ不十分でしょう。 また、これは全世界で同レベルの監視をしないと意味がありません。 日本では鶏の監視は強化されていますし、鶏を監視してインフルエンザを確実に摘発・淘汰している以上豚の監視の必要性は薄いのですが、日本で新型インフルエンザが発生することはない、と今の時点では言えるにしても、諸外国で発生すれば結局同じことですし。 今になって日本の農水省が豚の監視を強化する、みたいなことを言ってますが、隣の家が火事で既に燃えていて、こちらに延焼する危険性が増しているという状態の時にガスの元栓を確認する、みたいな行為ですね。仮にH1N1が日本の豚から取れても(取れるでしょうし)、それがなんだ、という感じです。それがヒトに感染して「ヒト型」になるのなら、世界中で年に3回くらい新型インフルエンザが出ているでしょう。 ま、意味がゼロだとは言いませんが、そんなことに貴重なマンパワーと金を使ってる場合か?とは思います。
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- USB99
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今回のウイルスの現状です。今、分かっているのは http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19193 新インフルエンザは少なくとも2つの豚インフルエンザ由来であり、その一つは北アメリカで1998年に検出された3つのインフルエンザが混ざったものである。今までのところ、この株は豚では見つかっていない。
お礼
専門的な情報ありがとうございます。今回のH1N1のreassortantsが H1N2 and H3N2 swine viruses等とのことで メカニズムが理解できないことあります。 virusesの複雑さがさらにわからなくなりました。 これからの情報を違う観点で見ることができそうです。
- pipi-goo
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本で読んだ知識ですが・・・ 新しいインフルエンザは鳥から発生すると言われています。一般的に鳥のインフルエンザは人に感染しません。 鳥インフルエンザは豚に感染します。豚インフルエンザは人に感染します。つまりは豚が触媒になって鳥インフルエンザが人に感染し、やがて人から人への感染していくと考えられています。 このような事から従来は新しいインフルエンザの発生源は中国になると警戒されてきました。中国の農家では豚とアヒル等の鳥を一緒に飼育している事が多いためです。なので今回のメキシコはノーマークだったと思います。 従来、鳥インフルエンザが発見された時点で豚→人の連鎖を防ぐため鳥の大量始末を実施してきましたが、今回は既に豚→人→人と連鎖してしまっていますので、今更豚を始末しても意味が無いという事ではいでしょうか。感染源の特定はやっているようですよ。まだ判明していませんが・・・。まだ謎が多いようです。
お礼
・ご回答ありがとうございます。 確かに今回のインフルエンザは日本で一般的に予測されていたアジア発でない点はノーマークでしたね。 まだ感染源が特定されていないようで対策が不明なようですね。
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お礼
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