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なぜ応報刑ではないか

rapunzel22の回答

回答No.5

応報刑の歴史的意義については、まさにNo.1の方がおっしゃている意義を有していたようです。 つまり、現在のように、犯した罪に相応する「大きな」刑を与えるべきだという考えではなく、犯したの「限度で」刑を与えるべきだという考えです。 永遠に続く復讐の連鎖を遮断するために、国家が仲介して、当事者の代わりに罪の限度で復讐するものだったんですね。 しかし、国家による復讐代行システムにも綻びが出ます。 中央集権的国家体制が構築されるにつれて、強力な権限を持つ国王が権力を濫用して、自分の意思に沿わない人間を恣意的に罰する危険性が生じるようになったのです。 これをきっかけに、国家権力を法律によって縛ろうとする立憲主義体制が構築され、憲法やら罪刑法定主義という近代国家体制が出来上がりました。 それらの根底にある考えは、権力は危険であるという考えです。 その強力で危険な国家機関から人民を守り、人権を保障するという精神が近代憲法の根底であって、それに基づいて、様々な被疑者・被告人の権利が用意されています。 それらは全て国家機関から国民を守るという考えです。 しかし、どんな制度も必ず綻びが出てきます。 つまり、過度に加害者を保護する結果となり、被害者を保護できなくなったのです。 これが、今現在、我々が直面している問題です。 近い将来、必ず揺り戻しが起きると思います。 そうやって歴史は繰り返されるのだと思います。 弁護士になった人間は、近代憲法の歴史(人権重視)を必ず学んでいますから、一般的に「左翼的」思想になることは間違いのないところです。 現実問題として、国家機関は極めて危険ですし、弁護士が人権を守らずに誰が守るんだという話ですから、世の中で一人くらい加害者の立場に立った人間も現実問題としては必要なわけです。 しかし、当初の憲法が想定した程、左翼的思想家の人達が叫ぶ程、人間は美しくなかったのです。 国家機関は危険であるが、同時に、一般国民もまた容易に「悪」へと変移し、制度を悪用するものなのです。 もはや、人間を、人権を絶対的に保障しなければならないという根底は破綻しています。 かといって、国家機関が危険である点は変わりません。 結局のところ、人間は堕落する存在であって、国を統治する最善の方法など存在しないのでしょう。

chika-nova
質問者

お礼

厳罰化がよく叫ばれている現代は、揺り戻しの兆候といったところでしょうか。 >結局のところ、人間は堕落する存在であって、国を統治する最善の方法など存在しないのでしょう。 という結論になってしまうのは残念ですが、そうなのでしょう。ただ、歴史は繰り返されるとはいえ、歴史から学んで少しでも前回より改善できるよう、努力しなければならないのですね。 ご回答ありがとうございました。

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