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未殺菌の牛乳と子牛
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獣医師です。 母牛が「乳汁中に病原体を排出する疾病」に罹患していて、子牛がその母牛から「未殺菌の乳を飲めば」感染は普通に起きます。 乳汁というのはほとんど血液なので、血中に病原体が出現するような感染症では乳汁感染というのは起き得ます。具体的にはご質問で例として挙げられた結核病やブルセラ病、ヨーネ病など多数あります。 ただ、では子牛がバタバタ病気になるのかというと別にそのようなことはありません。 何故かというと単に「これらの疾病に罹患している牛の数が少ない」というのが理由のひとつとして挙げられます。 結核病もブルセラ病も前の回答にあったとおり、家畜保健衛生所により全ての乳用牛が定期的に検査を受けています。法律では5年に一度なのですが、多くの都道府県ではもっと短い検査間隔で実施されています。 その状態で、結核病もブルセラ病も、日本全国で数年に1頭、という発生ペースです。ヨーネ病は近年増加傾向にありますが、それでも全国で年間1,000頭台です。 また、これらの疾病に感染した母牛の乳を子牛が未殺菌で飲んでも、感染率は100%というわけではありません。 さらに、牛といっても大きく「乳用牛」と「肉用牛」に分けられますが、これらは同じ牛でも飼養形態はまったく異なります。 乳用牛の多くはホルスタイン種ですが、これらの子牛は母親から乳を飲ませてもらうことはほぼありません。ほとんどは代用乳(いわゆる粉ミルク)で育ちます。 なぜかというと、酪農家にとって「牛乳」は売り物ですから。少なくとも乳用種の子牛が「母牛から直接乳を飲む」ことはありません。 最近は飼料代が高騰しているので、代用乳で子牛を育てることが経済的に辛くなり、「搾乳した牛乳」を少し子牛に回す、という飼い方をしている農家は増えているようです。この場合は合乳すなわち「その酪農家の全ての牛の牛乳が混ざった乳」を飲ませることになります。なのでその中に1頭でも感染症に罹患している牛がいると、その農家で育てられている全ての子牛に感染のリスクが生じてしまうことになります。 ま、先ほども述べたように感染率は100%ではありませんし(疾病によっては10%未満のものも多くあります)、多くの牛の乳によって薄められているのでさらに感染率が下がるのですが、"罹患牛の子牛だけでなく、その農家で使用される全ての子牛がリスクを負う"ことになるので、結果として感染率は低くても感染数は増加する、という結果になることもあります。 事実、経乳感染するいくつかの感染症の中では、近年になって罹患数が増加しているものがいくつかあります。 それに対し肉用牛の中でも高級牛肉となる和牛は、その子牛は長期間母牛から直接乳を飲んで育ちます。ですから母牛が感染症に罹患していた場合、子牛にも感染するリスクは高くなります。 というわけで、全ての感染症が経乳感染するわけではありませんが、経乳感染するいくつかの感染症では、「母牛→乳→子牛」という感染ルートは重要視されています。 その疾病によって各々のパラメータは大きく異なるので、なかなか十把一絡げには論じられないのですが。 念を押すならば、いくつかの人畜共通感染症については法律によって検査が義務づけられており、摘発・淘汰を行うことによって清浄化が維持されています、それに加えて殺菌という二重の安全策が講じられているというわけです。 なので上記の話は、あくまで「母牛と子牛の話」です。
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- fumi26
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ご指摘の通り、人獣共通感染症である結核、ブルセラ病などに感染した乳牛が日本でもときたま発生します。都道府県の家畜保健衛生所は全頭を対象に定期的に検査を行っており、陽性の牛は法律により殺処分されております。 http://www.pref.fukushima.jp/kaho-kenchu/hp_page/b_bouekika/b01_bouekika_setumei/boueki_setumei.html 当然、子牛も感染の危険にさらされますし、牛舎での蔓延も懸念されます。開発途上国では、牛乳は貴重なタンパク源にもかかわらず、この防疫が徹底されておらず、JICAは専門家を派遣して指導しております。 当然、子牛や同居牛にも感染します。 付け加えれば、市販の牛乳は殺菌されており、牛乳経由の感染の恐れはありません。安くて美味しい飲料ですので、消費の低迷と飼料価格の高騰による酪農家廃業を防ぐため、もっと飲んでください。生乳は乳糖の甘さから市乳とは一味違いますが、殺菌技術の向上から日本の市乳も味がしっかり感じられ、うまくなりました。
お礼
ありがとうございました。 定期的に全頭検査をすることで罹患牛を除き、さらに殺菌をすることで二重に安全を保っているのですね。
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