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性格は遺伝する?

noname#160718の回答

noname#160718
noname#160718
回答No.9

 No.5のJagar39です。 >犬種とか人種による性質の違いは個人の性格の差とはちょっと違う気がするのですが‥  私は「人種」には触れていません。家畜の品種のことのみを述べてきました。  それは家畜を育種する際には、その「性格」が選抜・淘汰の基準となる場合があり、しかもその選抜淘汰は人為淘汰なので、自然淘汰より桁違いに淘汰圧を高くすることができるため、判りやすい形で「性格」を品種ごとに定着させることができるからです。  つまり、「性格を特定集団に定着させることができる」という事実が、「性格に遺伝が関係ある」ことの非常に強力な証拠になる、という論理です。  人間の場合は、性格に遺伝が関係あるとしても、それは自然淘汰によって選択淘汰されています。ですから淘汰圧が人為淘汰に比べれば弱いため、特定の集団に特定の性格が定着する、という現象を明確に見ることができません。  なので人種毎に性格の違いのようなものがあるとしても(確かにあるように見えますが)、それは遺伝的背景によるものなのか共通の文化的背景のせいなのかを判別することはとても困難です。  警察犬や軍用犬を育種する場合、とりあえず「攻撃的な性格」でありながら「主人の命令には絶対服従」する犬を作りたいわけです。  で、古来から人類がやってきたことは、望む性質を持った犬を残し、そうでない犬を淘汰してきたわけです。  その結果、ドーベルマンやジャーマンシェパードは、そのとおりの性質を持った犬種になっています。  猟犬でも、獲物を見つけて主人にその場所を指し示して教える用途、主人が撃ち落とした獲物を拾ってくる用途、獲物を威嚇して追いつめる用途、様々な用途にそれぞれ「スペシャリスト」の犬種を育種してきています。  レトリーバーは「主人が撃ち落とした獲物を拾ってくる」犬種です。  獲物は鳥類、主にカモなどの水禽類だったので、水を恐れる犬はダメです。普通の犬は訓練しないと泳げるようになりません(そもそも水に入りたがらない犬の方が多い)のですが、レトリーバー系の犬では何も教えなくても喜んで川や海に飛び込む犬の方が多いです。そういう犬を選択してきたからです。  また、獲物を自分で食ってしまったりしてはダメですから、モノに執着しない性格が要求されますし、他の鳥などに気を奪われてもダメなので、闘争心はない犬の方が望ましいわけです。  訓練を受けないシェパードはたいへん危険な場合が多いです。飼い主がエサをやるのにも危険を感じるような例も珍しくありませんが、レトリーバー系で人に攻撃する犬なんて滅多にいません。  犬から離れると、軍鶏は闘鶏のために極めて攻撃的な個体を選抜して作出した品種です。その結果、群飼いすると最後の1羽になるまで殺し合いをするほど攻撃性が高い品種になったのですが、それを食用の品種にしようとした人がいました。  食用として買うには群飼をしなければどうにもならないのですが、普通に軍鶏を群飼いにかると延々と殺し合い続けるので、軍鶏の中でも少しでも攻撃性の弱い個体を選んで交配をしていったそうです。  そうやって作出したのが「東京軍鶏」という品種です。  牛の話にすると、乳用種のホルスタインは、搾乳のために飼う牛です。  搾乳するには牛の後ろ足の前にしゃがみ込んで乳房を触る必要があるのですが、普通は動物は乳房のような柔らかい組織を触られるのを極端に嫌がります。嫌がらないのは犬や猫などの特別に人に馴れた動物だけです。  でも、乳房に触られるのを嫌がって蹴りを入れたりするような牛だと搾乳ができませんから、そういう神経質な牛は人間は淘汰してきました。  今のホルスタインにも、まあ多少神経質な個体はいますが、それでも搾乳ができないほど神経質な牛はまずいません。  ですが、同じ牛でも黒毛和種は、子供を産ませてその子供を肥育して出荷する肉用種です。人間が搾乳することはまずありません。  この黒毛和種の乳房近くにしゃがみ込むような行為は・・・まあ「自殺行為」ですね。(申し遅れましたが私は獣医師です)  子牛も、ホルスタインだと子牛を母牛が育てることはまずありません。40kgの子牛しか産まないのに1日40kg以上も乳を出すので(この能力も育種した結果ですが)、子牛に母乳を飲ませたら飲み過ぎによる下痢で子牛がほとんど生き残れないでしょうし・・・  なので、子牛は生後直後に母牛から離して人工哺育するわけですが、自分が産んだ子牛に執着する母牛もまた淘汰されてきたわけです。  ですが黒毛和種は、最近の規模が大きい農家は別ですが、これまでほとんど「子牛を育てるのは母牛に任せきり」だったわけです。むしろ子牛を育てるのが上手い牛が選択されてきた歴史があります。  なので、母牛のそばにいる子牛を触るという行為は、一般的にかなり危険です。母牛を捕獲して安全を確保してからでないと子牛には触れないことが多いです。それどころか、気配を察知すると捕獲もさせてもらえず、もう戦る気満々・・・という雌牛も珍しくなく、病気の子牛を治療することもできずに弱って死んでいくのを指をくわえて見ているしかない・・・という経験も複数回あります。  長々と書きましたが、使役用途の犬はもちろんその用途にマッチした「性格」の個体を選抜し、マッチしない性格の個体を淘汰してきた結果、それぞれの犬種で特有の性格を非常に高いレベルで定着させることに成功しています。  牛や鶏などの産業動物ですら、能力(毎日卵を産む鶏とか1日60kgの乳を出す牛とか)だけでなく、「性格」も選択・淘汰の対象になってきた結果、それぞれの品種でやはり高いレベルで特有の性格が定着しています。選択・淘汰基準の優先順位が違うので、犬ほどではありませんが。  ある特定の性格を持つ個体だけを選択して交配し、その子孫もまたとの性格を持つ個体だけで交配させ・・という選択交配を繰り返した結果、その特有の性格が高いレベルでその品種に定着した、という事実が「性格に遺伝子が関係している」という推論の、極めて強力な証拠になっている、と考えられる、というのがNo.5で書いたことです。  人間の場合はそこまで強力な選択圧をかけることができないので、これほどくっきりと明瞭な形でこの現象を見ることができない、ということです。

noname#84760
質問者

お礼

ありがとうございます。 > 私は「人種」には触れていません。家畜の品種のことのみを述べてきま > した。 家畜の種類毎の差ではなく個人の人格形成に遺伝がある程度関わっているのだろうかということをお尋ねしました。

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