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寺院境内墓地への納骨のみの可否

お忙しいところ、お読みいただきありがとうございます。 このたび母が亡くなり、母が戒名をつけないことを遺言として残していたこともあって、お寺の境内にある祖先の墓に納骨のみを希望したところ、お寺のほうから、「本寺の境内にある墓は戒名なしで納骨することはできない」と言われてしまいました。葬儀も母の希望で無宗教で行いましたが、そのお墓に納骨する以上、その仏教の宗派の決まりごとの法事を行うことも求められています。母はこのような仏事を嫌っておりましたが、家族の希望としてはできればこの墓に納骨をしたいのです。この決まりは、このお寺の慣習としてこれまでとらえられてきていたようです。 こういった場合、単にその寺の境内の墓への納骨のみを主張することはできるのでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。

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  • amida3
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回答No.1

それは、一般的には無理です。多くの裁判例があります。 そもそも寺院墓地はその寺院の構成員である檀家が、その属する宗派の儀式を経て納骨し、その後の法要を行う前提条件で使用を許諾されているものであり、厳密には、無宗教で葬儀を終了した時点で多くの寺院の墓地使用規約上では墓地の使用権を喪失し、墓地を撤去の上更地に戻して寺院に返却しなければなりません。 裁判例でも、寺院墓地管理者の有する「自派の典礼を施行する権利」を認定し、埋葬を依頼する者には、寺院が有っているその権利を差し止める権利はないとの判断し、また寺院墓地管理者は、異宗の典礼をおこなった上での埋葬依頼や、儀式典礼を行なうことなしに埋葬や埋蔵をしたいという依頼に対しては、「自派の典礼を施行する権利」が侵害されることを理由として埋葬を拒むことが出来るとしています。 ある判決では、墓埋法第十三条に言うところの「埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたとき」にこれを拒み得る「正当の理由」にあたるとしています。更にもし寺院墓地管理者が自派の典礼を施行出来ないとするならば、寺院墓地と共同墓地との区別が喪失してしまい、多数の国民の宗教的感情を著しく害するとし、納骨を依頼する者がその寺の典礼をどうしても受忍出来ないというのであれば、他の墓地等に改葬する以外にないと断じています。 なお、平成八年の東京高裁判決のように、寺院の典礼を受けないことを理由に、直ちに埋葬を拒否することは出来ない、という判断が示された裁判例もあります。この係争の場合にはその寺院の「墓地使用規則」を裁判所が問題視し、寺の「墓地使用規則」上、寺院墓地を使用する上での負担として、その宗派・寺側の「典礼権」を行使する規定が無く、事実上の慣行に過ぎないとしました。 ですから、もし、訴訟で争うなら寺の「墓地使用規則」や「檀信徒規約」(寺院によって規則等の名称等は異なります。)など、ご質問者さんがその寺院の維持管理団体の構成員(一般に「檀家」という)として義務付けられている内容の検討からはじめなければなりません。(ただ、今までに無かったこのような裁判例が出た後から多くの寺院で宗派の指導もあり規則で明確化していると思います。) 寺院墓地は霊園事業とは異なり、事業ではなく、その寺院の維持管理団体の構成員である檀家が義務を果たしている前提でお互いに使用できることとしている墓地であることも理解しておく必要があるでしょう。

tome135
質問者

お礼

たいへん詳しい回答をいただきありがとうございました。 私が疑問としていたことが明確になり、とても参考になりました。

その他の回答 (3)

  • masirota
  • ベストアンサー率30% (6/20)
回答No.4

わたしも我が地域の墓地でトラブルがありいろいろ知ることになりました。 そもそも墓地とは昭和23年の墓地埋葬法改正によって埋葬できる墓地は市町村が有する墓地、法人格を有する団体が所有する墓地、お寺が証する墓地、の大きく分けて3種類が埋葬を許可されているものになっているそうです そのうち公的墓地と法人団体墓地には宗派などの制約が一切ありませんが、お寺の所有する墓地だけには「所有者のお寺と同じ宗派だけを許可」と言う制約が付きます。 どういう言い方をお寺からされたか分かりませんが、お寺としては「戒名無し、無宗派=寺と異なる宗派」と判断されてしまっては墓地埋葬法に触れる疑いがあるので困るという考えじゃないでしょうか 上のことを踏まえて今一度話し合いをされてはいかがでしょうか もし貴方のお母様がそのお寺の檀家であったなら「同じ宗派」と理解される可能性もあると思いますよ

tome135
質問者

お礼

貴重なご意見をありがとうございました。是非参考にさせていただきます。

回答No.3

はじめにご母堂様の冥福を祈ります。 平成八年東京高裁判決等を根拠にご希望通りの納骨のみを主張することはできます。しかし、寺院側は“自派の典礼を施行する権利”や“典礼権”等を根拠に確実に拒否するでしょう。 どうしてもご母堂様の意向を通そうとするのならば法的手段に出るしかありません。そこまでする考えがおありならアドヴァイスいたします。ただし、お彼岸で忙しいので彼岸明けの回答になりますが。 他の回答にあることは寺院側の一方的な都合を述べているにすぎず、その都合が本来あるべき姿ではあるとは言えません。 今回の件は、じつは先祖の墓がある寺院側に問題があったために生じたのだということを寺院側は認識し、そして改めなければなりません。 法的手段に出てまでご母堂様の意向を通そうとするつもりはないのなら、寺院の意向に従うか他に墓を設けた方が無難です。 お考えをお聞かせください。 合 掌

tome135
質問者

補足

お忙しいところ、ご親切なご提案をありがとうございます。義母が仏事を嫌っていて、戒名は要らないと言っていたのは確かですが、どこのお墓に入りたいのか、散骨でよいのか、などは確認することができませんでした。亡くなる前は認知症もありましたので、はっきりとした意志の確認もできない状態でした。お寺の境内にあるお墓に入れてほしいと義母が言い残したわけでなく、葬式も無宗教を望んでいたくらいですから、きっとお墓についてもこだわりはなかったと思います。私どもは、仏教のしきたりについて詳しくないので、単に家族が眠っているお墓に納骨したいと思っただけです。これまでお寺に維持管理費などはずっと支払っていたし、これからも撤去する予定はありませんが、家族の中には自分も無宗教の葬式にしてほしいという者もいるので、共同墓地に新しい墓を作るとか、散骨にするなども、考えています。いずれにせよ、嫁の立場の私の一存にはなりません。今回の件は、寺院側に問題があったために生じたのだというご意見には興味がありますが、母の意向が明確でない以上、法的手段にまで出ることはないと思います。

  • amida3
  • ベストアンサー率58% (448/771)
回答No.2

No.1のamida3です。 追加で、別の側面から書きます。 > 寺のほうから、「本寺の境内にある墓は戒名なしで納骨することは > できない」と言われてしまいました。 これはその寺を預かる住職として当然で、住職としては決まりごとを皆さんに伝える役目はありますが、この件で納骨を許諾する立場に無いのが当該宗教法人の設立目的からして一般的ですし、もし、認めてしまったら他の檀家さんに説明がつきませんし、住職の解任さえ求められてしまいます。 基本的に、寺院墓地はその寺院の仏弟子が納骨できる場であり、その寺院が仏弟子としての名(戒名等)を付けてその寺院の仏弟子として納骨されます。 また、当該宗教法人の施設の維持管理等の費用は、檀家であるメンバーから年会費・月会費的に集めて収支がちょうど良くなりメンバーへの法事や葬儀はタダでOKというようにはなっておらず、仏事の習慣に合わせて葬儀やその時の戒名・法事といった宗教儀式の際に維持管理費用をみんなで応分に負担し合い、全檀家によって支えられ、50年100年という単位で見ればどの檀家もそれ相応に応分の負担をしているという形で収支が成り立っています。ですから、特定の方だけがその負担をしないということは、寺院の維持費の支出総額が決まっている以上他の方がその分を間接的に負担することになり、寺院の維持管理上もまた檀家間でも支障の生じる問題へと発展しかねないことであります。 寺院の維持管理は、何かの時にまとめて負担するのかor月額会費で払うのかの違いこそあれ、町内会館の維持管理と同じであって、その構成員が費用負担をしていますのでその点も見逃せない点であることを付け加えさせていただきます。ですからある寺院の事例では、その寺院で葬儀を行っても行なわなくても寺に納める費用負担は同じ金額であるとしている寺院さんもあります。 もし、無宗教でというお母さまのご遺志を尊重されるのでしたら、すでに納骨されている代々その寺院の維持をしてきたご先祖の遺志とは異なるかもしれませんが、場合によっては離壇し宗教に関係の無い霊園等に改葬されてはいかがでしょうか?今回の納骨の件が何とかなったとしてもご質問者さんがその寺院の檀家としての義務を今後担い務めるつもりが無いのなら今後も問題は生じてきます。 そのような方も少なからずいますので。

tome135
質問者

お礼

心のこもったご回答をありがとうございます。先祖からのお墓は私たちだけでなく、他の親族にとっても大切なものなので、ずっと維持管理費用は負担してきましたし、これからも、すぐにそのお墓を移すわけにはいかないと思います。今回母の希望で無宗教で葬儀を行いましたが、宗教上の考えは別にして、単純に家族とともに葬ることができればと思いました。しかし、難しい問題があることがよくわかりました。母の葬り方はまた家族で考えてみようと思います。 アドバイスはたいへん参考になりました。

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