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散乱の緩和時間がなぜ分母にあるの

はじめまして 半導体物理学をこの春から勉強し始めました。 キャリアの散乱を考えるとき、なぜ緩和時間が分母になるのか悩んでいます。また全体の緩和時間を考えるとき、格子振動による散乱と不純物による散乱、それぞれの緩和時間を逆数にして足しています。なぜわざわざ逆数にするのか、全く見当がつきません。アドバイスをいただけませんか よろしくお願い致します

みんなの回答

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.2

ANo.1です。 補足ですが、「複数の粒子」や「複数の散乱粒子」というのは、緩和時間の異なる粒子群(フォノン、イオン化不純物、中性不純物など)という意味です。「ある粒子」というのは、その中の同じ種類の粒子を指します。例えば、N1 はフォノンに衝突する回数、N2 はイオン化不純物に衝突する回数という意味です。

okarakko
質問者

お礼

奥深いんですね。inara1さんのように分かりやすく記されている本などがあればと思いました。本当にありがとうございます。

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.1

緩和時間 τ というのは、キャリアが何かの粒子に衝突しながら進むときの、衝突時間間隔の平均値だと思ってください。 長さ L [m] の距離を速度 v [m/s] でキャリアが運動するとき、キャリアがその距離を通過する時間 t [s] は    t = L/v となります。この間に粒子と衝突する回数 N は    N = t/τ= L/( v*τ ) --- (1) です。散乱源が複数あるとき、それらに衝突する回数は、ある粒子に衝突する回数の和になります。複数の粒子に対する緩和時間を τ1、τ2、・・・ とすれば、キャリアが距離 L だけ進む間に、それらの粒子に衝突する回数は    N1 = L/( v*τ1 )、N2 = L/( v*τ2 )、・・・ ですから、全体の衝突回数 N0 は    N0 = N1 + N2 + ・・・ = ( L/v )*( 1/τ1 + 1/τ2 + ・・・ ) --- (2) となります。したがって、複数の散乱粒子があるときの緩和時間を τ0 とすれば、式(1)を参考にすれば    L/( v*τ0 ) = N0 --- (3) で表わされるはずです。式(2), (3) より    N0 = L/( v*τ0 ) = ( L/v )*( 1/τ1 + 1/τ2 + ・・・ )    → 1/τ0 = 1/τ1 + 1/τ2 + ・・・ となります。この式には τ しかありませんが、もともとは L/v が両辺にかかっていて、衝突回数の和を表わしているということです。 1/τ は1秒間に衝突する平均回数になります。したがって1秒間で複数の粒子と何回衝突するかで考えると、上式がダイレクトに出てきます。

okarakko
質問者

お礼

ありがとうございます、確率とかトンチンカンなことを難しく考え過ぎていました。物性はイメージが湧かないので、これまで避けてきました。でも最後の一行で私のような素人でもイメージできました。ありがとうございます。

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