• ベストアンサー

蛍光スペクトル

kaitou_1の回答

  • ベストアンサー
  • kaitou_1
  • ベストアンサー率47% (8/17)
回答No.3

#1さんの説明の通りですが、いくらか、図などがあった方がわかりやすいかもしれませんので、参考URLにgoogleで出て来たページを紹介します。ページ中程にあるJablonski Diagramの左側が蛍光について示した物です。以下、おそらく溶液の蛍光についての質問であると予想して、述べます。 さて、蛍光の過程について述べますと、蛍光とは図にある青の矢印に対応する励起光を分子が吸収します。その後、図では黒色の矢印で示された光を発しない緩和過程(溶媒などに熱エネルギー等の形でエネルギーを渡し、エネルギーの低い状態へ移動する)を経て励起状態振動基底状態へ移動します。そして、図では緑の矢印で示されている蛍光が発光します。 質問者様のおっしゃる励起スペクトルはこの青色の矢印の波長を変えながら緑色の矢印すべてひっくるめた蛍光全体の強度を測ります。このとき、電子励起状態の振動基底状態や振動励起状態(図では太い横線が各電子状態の振動基底状態を示し、その上の細い横線がその電子状態の振動励起状態を示しています。)へ励起されますので、励起光の波長は電子励起状態の各振動状態のエネルギーに対応したものとなります。溶液などでは、振動励起状態へ励起してもすぐにその電子状態の振動基底状態へ緩和されますので、緑の矢印全体の強度というのは、励起された分子の数に比例します。つまり、励起スペクトルは分子の吸収スペクトルに比例したようなスペクトルが得られるわけです。(もちろん、いろいろ例外はありますが) さて一方、質問者様のおっしゃる蛍光スペクトルは緑色の矢印をさらに分光器などで分散させて矢印一本一本を別々の波長として観測するスペクトルです。つまり、波長は電子励起状態の振動基底状態から電子基底状態の振動励起状態のエネルギーに対応したものとなります。 蛍光スペクトルにおいて、励起光の波長がわからないと言うことですが、溶液などでは励起分子はすぐに電子励起振動基底状態へ緩和しますので、励起光の波長を変えて励起する分子の振動状態を変えても、蛍光スペクトルはすべて電子励起振動基底状態からのもので、波長とその強度比は変わりません(励起スペクトルのように全体の強度はかわりますが)。このような場合、励起光の波長を書かないことが多いです。 図でもわかるように、励起光の波長と蛍光発光の波長はは電子励起振動基底状態のエネルギーをはさんで、励起光は電子励起状態の振動エネルギーだけ高いエネルギー(短い波長)になり蛍光は電子基底状態の振動エネルギーだけ引いエネルギー(長い波長)になり、それぞれの振動エネルギー構造が似ていれば、鏡像のような形になることがわかります。 以上、「励起光が書いていない」ということから類推して、すべて溶液の蛍光測定と仮定してお答えしました。気体や分子線を使ったLIFではちょっと話がかわってきますので、その点はご留意ください。

参考URL:
http://www.jp.jobinyvon.horiba.com/product_j/spex/principle/index.htm#01
calp-love
質問者

お礼

回答ありがとうございます 図まで用意していただいて感謝します つまり 励起スペクトルは、励起光の波長によって変わる蛍光の強さを測定したもので、蛍光スペクトルは、物質が発する蛍光のそれぞれの波長の強さを測定したものということですよね 鏡像関係になるのは、蛍光は励起光より熱などで失われた分だけ弱くなるから。 ということは 励起スペクトルの横軸は励起光の波長 蛍光スペクトルの横軸は蛍光の波長 ということであってるでしょうか?

関連するQ&A

  • 蛍光スペクトルについて

    蛍光スペクトルを測定する際に、励起波長を固定して測定しますよね? そして測定データには縦軸に蛍光強度、横軸に波長が出てきます。 そこで質問なのですが、横軸の波長は何なのでしょうか? 例えば、300nmに励起波長を固定して測定したとします。 そして、蛍光スペクトルデータには290nm~350nmくらいの範囲に蛍光が出たとします。 その際、300nm以外の場所は何を表しているのでしょうか? 更に、当てる場所によっても蛍光強度は変化しますよね・・・? つまり、当てる波長と結果の波長の関係性がいまいち理解できません。 教えてください、お願いします。

  • 蛍光スペクトルが長波長側にも出るのはなぜ

     よく吸収スペクトルと蛍光スペクトルは鏡像になっているといわれますが、なぜ長波長側にも蛍光スペクトルが観測されるのでしょうか。  蛍光スペクトルを観測するとき、吸収スペクトルで一番長波長のものを一番目の励起状態S1とするとそれ以降の励起状態は振動緩和や内部変換などでS1の最安定配置になってから蛍光を出すと思うので蛍光スペクトルは一つのピークのみになってしまうのではないでしょうか。  また、例えばS1と二番目の励起状態S2のエネルギー差が大きくS2から蛍光を出すとしてもエネルギーが大きくなりS1の最安定配置からの蛍光よりも短波長になってしまうと思います。よって、蛍光スペクトルで一番長波長なのはS1からの蛍光となり鏡像とはならずに吸収スペクトルと交差する部分が生じると思います。 なぜきれいな鏡像になるのかわかりません。ご指導の方よろしくお願いします。

  • 蛍光スペクトルについて

    蛍光ペンを紙に塗って励起波長350nmで蛍光スペクトルを測定したが、黄色と緑色のペンで違いが見られなかったんですが この原因がどうしてもわかりません 教えてくれませんか?

  • 吸収スペクトルと蛍光スペクトルの関係について

    分析化学で、吸収スペクトルと蛍光スペクトルは互いに鏡像の関係にあると習ったのですが、なぜ鏡像の関係になるのでしょうか?りん光スペクトルと吸収スペクトルは全然鏡像の関係にないですよね。前者は一重項間の励起-遷移で後者は遷移が三重項から一重項なので、経路が関係しているのでしょうか・・・。

  • 蛍光励起スペクトルと蛍光スペクトル

    有機化合物の光励起初期過程について調べる実験で、吸収スペクトル、蛍光励起スペクトルと蛍光スペクトルについて扱いました。蛍光性を示さない物質は蛍光励起スペクトルと吸収スペクトルが一致しない結果が得られ、それは自分でも納得しています。問題は、蛍光励起と蛍光のスペクトルの強度です。蛍光励起スペクトルの強度がとても大きいのにも関わらず、蛍光スペクトル強度がとても小さいもの(exテトラセン)や、逆に蛍光スペクトル強度が大きいのに蛍光励起スペクトルが小さい(exローダミン)もの。この大小関係の裏にどのような化学的背景が有るのかが解らないです。ご回答宜しくお願いします。

  • 蛍光・励起スペクトルについて

    蛍光スペクトルや励起スペクトルを測定しています。 私の測定している分子にはハロゲン置換基が導入されています。 今までは基本となる骨格が同様の分子で測定を行っており(周囲の置換基は異なる)、それらのUV、蛍光、励起スペクトルを測定していると全くではありませんが大体似たようなスペクトルが得られています。 しかし、今回初めて大幅に異なるスペクトルが得られました。 ハロゲン置換基はスペクトルに影響を及ぼすのでしょうか?

  • クロロフィルaの蛍光スペクトル

    実験で色素をクロマトグラフィーで分離した後、分離したクロロフィルaの蛍光スペクトルを測定したのですが、660nm辺りのピークの吸光度が0.2(濃度低)になるものを分光蛍光光度計で測定したところ励起スペクトルのピーク付近では異常はなかったのですが、660nm辺りの吸光度が1.8(濃度高)になるものを測定したところ励起スペクトルのピーク付近で放物線がくぼんでしまう(0.2では662nmがピーク波長として検出されたものが1.8の方は662nmがバレー波長として検出され、その前後の655nm,671nmがピーク波長として検出されました)異変が生じました。この異変はなぜ起きるのでしょうか?よろしくお願いします。

  • スペクトルについて

    アントラセンの吸収スペクトルと蛍光スペクトルの波長ー吸光度のグラフを作成したところ、鏡像関係になりました。どうしてでしょうか?

  • 励起スペクトルとUV吸収

    ある論文を読んでいて、励起スペクトル測定時にはピークがあるのに対し、UV測定時には同様の波長の光でピークが見られないというようなことが書いてあったのですが、このようなことはありえるのでしょうか? 励起スペクトルでピークがあるということはその波長の光を当てた時にモニターした波長の蛍光が見られるということで、その光を吸収していると思うのですがこの考えは間違っているのでしょうか? 論文を読んでいるとエキシマーが関係しているようですが分かる方がいましたら教えていただきたいです。

  • 励起光・蛍光の波長スペクトル

    吸光・発光の波長は不連続な値をとるけれども、なぜ実際の励起光・蛍光のスペクトルは連続になるのかを教えてください。