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正当防衛?過剰防衛?
正当防衛、過剰防衛の判断基準というのに、一般的な基準はあるのでしょうか? 例えば、包丁をもった押し込み強盗に、こちらもたまたまそこにあったバット(特に準備していた訳ではない)で強盗を叩き、重傷を負わせた場合は、過剰防衛になるのでしょうか? 過去の似たような判例で判る方いらしたら、教えてください。 また、こちらが空手とか柔道の有段者だった場合、正当、過剰防衛への判断基準に影響出るのでしょうか? また、もしその強盗が女性、高齢者、未成年者、身体障害者(特に格闘技経験とか無し)で、こちらが20-30代の一般的男性の場合、正当、過剰防衛への判断基準に影響出るのでしょうか? 宜しくお願い申し上げます。
- 10thDan
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正当防衛に関しては、下記のように刑法36条1項で成立要件、同条2項で過剰防衛が規定されています。 「1項:急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。 2項:防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。」 ただし、No.2の方が仰るように、いわゆる盗犯等防止法1条で、下記のような正当防衛の特則が設けられています。 「左ノ各号ノ場合ニ於テ自己又ハ他人ノ生命、身体又ハ貞操ニ対スル現在ノ危険ヲ排除スル為犯人ヲ殺傷シタルトキハ刑法第三十六条第一項 ノ防衛行為アリタルモノトス 1号:盗犯ヲ防止シ又ハ盗贓ヲ取還セントスルトキ 2号:兇器ヲ携帯シテ又ハ門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ若ハ鎖鑰ヲ開キテ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入スル者ヲ防止セントスルトキ 3号:故ナク人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入シタル者又ハ要求ヲ受ケテ此等ノ場所ヨリ退去セザル者ヲ排斥セントスルトキ 」 文語体なので読みにくいですが、要するに、強盗等を排除するために犯人を殺傷した場合は、正当防衛になるということなので、質問文のバットで重傷を負わせた事案を単純に当てはめれば、正当防衛が成立するため、過剰防衛には該当しません。 武道の有段者による正当防衛の成否が争われた判例としては、「勘違い騎士道事件」があります。これは、正当防衛の要件である「急迫不正の侵害」を誤信(勘違い)した上で、防衛行為に出た事案ですが、防衛手段としての相当性を逸脱していたとして、過剰防衛に問われました。 http://www.takagai.jp/catchaser/hanrei/scs620326k41-2-182.html 強盗犯人が体力的に劣る場合は、その反撃行為が刑法36条1項の「やむを得ずにした行為」に当たるか否かが問題になります。これは、「相当性の要件」といわれ、それ以外に防衛手段がなかった場合にだけ、正当防衛が適用されるものです。 例えば、自分より体力的に優位で屈強な犯人に対しては、持ち合わせのナイフによる反撃も、「やむを得ない行為」に当たりますが、老人や年少者に対しては、これが当てはまりません。素手で殴るだけとか、威嚇するだけなど、他の手段でも防衛が可能だと考えられるため、この場合は過剰防衛になります。 このように、犯人の状況によっても、当然に相当性の要件等の判断基準が異なります。
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- walkingdic
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>包丁をもった押し込み強盗に、こちらもたまたまそこにあったバット(特に準備していた訳ではない)で強盗を叩き、重傷を負わせた場合は、過剰防衛になるのでしょうか? 単純にそういう例では判断は出来ません。つまり、正当防衛なのか過剰なのかという判断はより踏み込んで、状況を詳細に検討して初めて判断がつけられるものです。 しかしながら、判断が微妙なケースも多々出てくることは当然あり、それは裁判という形で最終判断するしかありません。 ただ自宅に侵入した押し込み強盗でしたら、特別法(盗犯等の防止及処分に関する法律)があって、正当防衛とみなす要件がかなり緩和されているので、ご質問のケースで通常想定できるようなシチュエーションだとすれば大抵は正当防衛とみなされるものと考えられますが。(内容次第ですけど) 詳しい解説は既回答をまず見てください。 http://okwave.jp/qa2609235.html >こちらが空手とか柔道の有段者だった場合、正当、過剰防衛への判断基準に影響出るのでしょうか? 出るでしょう。 >もしその強盗が女性、高齢者、未成年者、身体障害者(特に格闘技経験とか無し)で、こちらが20-30代の一般的男性の場合、正当、過剰防衛への判断基準に影響出るのでしょうか? 出るでしょう。 ただこれらも一要素でしかありません。
お礼
当方の各質問に対しての丁寧なご回答有難う御座いました。
- 6dou_rinne
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ケースバイケースですので一概には決められません。 たとえば包丁を持った強盗に対してバットで叩いた場合でも、相手がむくつけき男でこちらが女と言う場合は正当防衛になるかもわかりませんが、こちらが剣道の有段者だったりすると、重傷を負わせたりすれば過剰防衛になります。(包丁をもった手をはたいて軽い怪我をさせたくらいなら正当防衛でしょうが。)
お礼
ご回答有難う御座いました。やはりケースバイケースですね。
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お礼
条文と判例も頂きまして、有難う御座いました。やはり状況により複雑である事が確認できました。