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1=0.99999....?

1=0.99999....は本当? 1つの実数を一意的に表現できなくていいのかな? 実数が連続であることとなにか関係があると聞いたことがあります。 わかりやすく説明していただけないでしょうか。

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  • stomachman
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回答No.9

nikorinさんは、大変深くこの問題を考えていらっしゃると思います。なぜなら > 任意の2つの実数(の表現)が与えられたときに、それらが同じものか否かをどうやって判断するんだろう? まさに、これがポイントだと思います。そして答えは、実数の定義そのものにあります。  実数の定義の仕方には幾つか方法がありますが、歴史的に最初にきちんと実数を定義したデデキントの「切断」というやり方だと以下のようです。  初めに「桁数が有限の小数」というのは有理数に他ならない。0.123とは 123/1000の略記法と考えても同じ。この事を思い出しておきます。(後で使います。) [1] まず、有理数(つまり分数で表される数)の集合をQとします。Qの各要素(つまり有理数)同士の間には大小関係が成り立ちますね。この大小関係を使って、有理数を適当に二つの集合SとGに分けます。ただし (1) S∪G = Q (どの有理数qもSかGのどちらかに分ける。余らせてはいけない。ここに"∪"は集合の和です。) (2) S∩G = φ (SとGの両方に含まれる要素はない。∩は集合の共通部分、φは空っぽの集合です。) (3) Sのどの要素sについても「どんなg ∈G を持ってきても、s < g である。」が成り立つ。従って、Gのどの要素gについても「どんなs ∈S を持ってきても、s < g である。」が成り立つ。  (s ∈Sとは、sがSの要素である、という意味です。) という風になっていなくてはなりません。(この分け方を「切断」と言います)  S = Q - G, G = Q - S であることは自明と思います。(このマイナスは集合の引き算です。つまり、"Q-G"とは、「Qの要素のうちGに含まれない要素」を集めた集合という意味ですね。) *以下で、   M(q) = 「qを越えるあらゆる有理数の集合」   m(q) = 「q未満のあらゆる有理数の集合」   という記号を使うことにします。(M(q), m(q)はqを含みません。) qが有理数なら、Q = M(q) ∪{q}∪m(q) です。({q}は要素を1個だけ持つ集合で、その要素がqです。) [2] 切断の分類  切断、すなわち(1)(2)(3)のルールによる分け方をすると、 (a) Sには最大の要素sがあり、Gには最小の要素gがある。---× (b) Sには最大の要素はなく、Gには最小の要素gがある。 (c) Sには最大の要素sがあり、Gには最小の要素はない。 (d) Sには最大の要素はなく、Gには最小の要素はない。 の4通りのケースが考えられます。 しかし ・(a)のケース。  このケースが生じることはありません。もし(a)が成り立つとすると、二つの有理数s<gの間には(s+g)/2という別の有理数があり、これがSにもGにも含まれないことになって、(1)に違反するからです。 ・(b)のケース。  Gの最小の要素をgとするとき S=m(g), G = Q-S = M(g)∪(g}, という事です。 ・(c)のケース。  Sの最大の要素をsとするとき G=M(s), S = Q-G = m(s)∪(s} という事です。 ・(d)のケース。  G=M(#), S=m(#)。この"#"の所に入るのが実は「無理数」です。詳しくは後で説明します。  さて(c)の場合において、Sの最大の要素sをGに引っ越しさせますと、(b)の状態になります。引っ越ししたsがGの最小の要素になるわけですね。この手直しを行えば、 (b) Sには最大の要素はなく、Gには最小の要素gがある。 (d) Sには最大の要素はなく、Gには最小の要素はない。 のどちらかの場合になるようにできます。(以下、(c)のケースは使いません。) [3] いよいよ実数の定義です。 ●『このように分けたSの事を実数と言います。』 (なんですと? とリアクションしてくださいね。) Sを決めればG=Q-S(QからSを除いた残り)と決まってしまうので、Sだけ指定すれば十分です。(以下、実数として見たときのSを[S]と書いて、区別しやすくします。) この[S]の値は、  どのSの要素sについても、s<[S]であり、しかも、  どのGの要素gについても、[S]≦g 。 と定義します。 だから   (b)の場合、実数[S]はGの最小の要素gと同じです。つまり有理数です。   (d)の場合、実数[S]は、どのSの要素よりも大きく、どのGの要素よりも小さい無理数です。  すなわち、[S]の値は(b)の場合はSの中に具体的に含まれている有理数ですが、一方(d)の場合には「2つの有理数の集合S,Gで挟まれた値」として表されています。 例を見てみましょう。 (例1)上記の(b)の場合、[S] = 1であるというのは、 S=m(1) , G=M(1)∪{1} ということです。すなわち(有限小数が有理数であることを思い出して) Sが例えば0, 0.9, 0.99, 0.999,.....を含んでいて、 Gは例えば1, 1.1, 1.01, 1.001, .... を含んでいる、という意味です。 (例2)上記の(d)の場合、[S] = √2であるというのは、 S = m(√2), G=M(√2)ということです。すなわち Sが例えば1, 1.4, 1.41, 1.414, 1.4142, 1.41421 .....を含んでいて、 Gが例えば2, 1.5, 1.42, 1.415, 1.4143, 1.41422..... を含んでいる、という意味です。 [4]無限小数と1=0.999.... ●1.41421356.... という無限小数は S=m(1)∪m(1.4)∪m(1.41)∪m(1.414)∪m(1.4142)∪..... という無限個の集合の和を表す、という表現なんです。 ●0.999...という無限小数も S=m(0.9)∪m(0.99)∪m(0.999)∪m(0.9999)∪..... という無限個の集合の和を表している。  "0."の後ろに幾つ"9"が並んでいても、その個数が有限であれば全部Sに入ってしまいます。そしてSには最大の要素はない。  一方G(=QからSを取り除けたもの)の方には1が含まれます。だって、m(0.9),m(0.99),m(0.999),m(0.9999),.....のどれも1を含んでいませんから。またGは1よりも小さい有理数を含んでいないことも明らか。 従って、G=M(1)∪{1}ですね。だからS = Q - G = m(1)です。確かに(b)のケースになっています。  以上から、 S = m(1) ですから(例1)によって、 [S] = 1 になります。 [5]まとめ 0.9999...... は無限個の集合の和という表現。1は有理数を使った表現。しかしてその実体は、無限個の有理数の集合Sです。 実体がある。だから、 『表現によらず、同じなのか違うのか、きちんと判断できる。』 これが「実数を定義した」という事、その本質です。 [*]ついでに 「無限大」は数ではないから、わり算しちゃいけません。「無限大」とは「無限大であるという性質」であって、しかも普通の数はこの性質を持ちません。(超限順序数の理論や、超限解析学では、数の概念を拡張した「数’」が出てきて、その中には「無限大であるという性質」を持つ「数’」も現れます。両者の数’の概念は全く別物ですが。) またゲーデルの不完全性定理は無限について学ぶには最適とは思いません。

nikorin
質問者

お礼

じっくり読ませていただきました。 デデキントの「切断」の概念はちょっと聞きかじったことはあるものの ちゃんと考えたことはありませんでした。こういうふうに使うんですね。 実数の実体は集合だというのは驚きです。実数は数直線状の「点」というイメージを持っていましたから。 まさに「なんですと?」です。(^^; なるほど、たしかにSには0.99..は含まれないしGの最小の要素は1ですね。 2つの表現を見ると実数というのは、「点」というより微小な広がりをもった もの(実体は1つなのに!)のようにも感じますが、(あくまでイメージですが) これは行き過ぎでしょうか? 実数の定義の仕方には幾つか方法があるとのこと。これについては調べてみたいと思います。 ありがとうございました。

その他の回答 (11)

  • senjyu
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回答No.1

No.21512を参照してみては?

nikorin
質問者

お礼

ありがとうございます。読んでみました。 ですが、私の知りたいことはもう少し本質的な部分なんです。

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