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水の特殊な構造とその理由
joshua01の回答
こんにちは。 質問者さんの意図に関して私の理解が正しければ、このご質問は専門家の中でもよく議論になるようですので、ちょっと置き換えて回答してみましょう。 ご質問を言い換えてみると、「水という、こんなありふれた物質が生命システムにとても有利な特性を持っているなんて、何という奇跡でしょう!」でしょうか。 実は、この分野の専門家はさらに言い換えています。 「人類は、液体の水がふんだんにある惑星で、水の特徴に依存した生命システムとして誕生した。だから、我々にとって液体の水は身近な上にその特徴は恩恵が深いのは当然。では、他の物質(例えばアンモニアやメタン)が液体としてふんだんに存在する星ではその物質を利用した生命が誕生しているのだろうか。それどころか、気体や固体の反応性を中心とした生命がどこかに誕生しているのだろうか。もし、水に頼らない生命が存在するなら、水の持つ特徴もとりたてて驚く必要はないだろう・・・」 残念ながらその答えはまだ見つかっていません。 ガス生命体などは荒唐無稽なはずですが、宇宙はあらゆる驚きに満ちているようです。 (考えても見れば、地球上の生命系での議論においてさえ、”すべての生命は太陽の何らかの形で必ず太陽エネルギーに依存している”はずだったのに、”深海熱水噴出口生物群”のように、理論的に全く太陽エネルギーに依存しない生命系が発見され、それどころか、”地球に誕生した我々の祖先は熱水と硫化化合物のエネルギーを使用していて太陽エネルギーは使っていなかったはず”(液体の海については恩恵があるが・・)という仮説の大転換も起きています) こうなると、「生命」の定義にまで含めて考える必要があるようですね。 議論を行う上で、生命を、「一定の大きさの範囲に限られるもの」で、「物質配置に規則性のある”体”を自己複製するもの」として考えると、「宇宙全体が生命だ」という議論はなくなり、体は固体(ゲル等の半固体を含む)で作られる必要があるので「ガス生命体」は除外されます。(ただし、ガス生命型のシステムの存在自体を否定するわけではない) そこまで考えてから更に考えてみると、 ・生命反応の主要媒体として気体を利用すると、一定時間内に衝突しあう分子の数が少なすぎて、宇宙誕生からの130億年ではシステムになりにくい ・生命反応の主要媒体として固体を利用すると、反応速度が遅すぎて、宇宙誕生から130億年ではシステムになりにくい ことになるようでます。 加えて、主要媒体として液体を利用すると、質問者さんの印象の内容に近づいてきます。その結果、次の例のような議論が生じています ・メタンは液体で存在できる温度範囲が広く(マイナス何十度ですが)液体メタンの存在する惑星や衛星は液体水の存在する地球型惑星・衛星より遙かに多いはず(太陽系にもあります)だが、物質の反応を促進する(イオン化する)能力に乏しく、水を媒体とする場合に比べて反応の種類や速度は遙かに乏しいだろう ・アンモニアも液体で存在する星があるはずで、生命(類似)反応に関係するいくつかの特性は水と比べても大きく劣らない点では期待できる。ただし、表面張力が乏しいので、初期の「細胞」になるまでの壁は厚いかもしれない ということで、「水」は物性としてはなかなか特別なもので、それにアミノ酸系の物質の組み合わせは想像し得る他の組み合わせの中では特別に生命システムに向いているのは事実のようであり、それが常時液体で存在できる軌道位置の幅は狭く、その結果、水の特性と地球の軌道位置には驚きと感謝を持っても良いかも知れませんね。 (ただし、先の「熱水・・」の原理で、もっと遠い場所(木星の衛星エウロパなど)でも地熱で水が存在して生命が発生している可能性もあります。「常温」とは、我々にとっては「常温」ですが、宇宙ではほんの一部の極めて狭い範囲です。むしろ、水を基準にしているから「常温」かと。) 一方、このような科学の議論の中では、「生命のために都合の良い特性を持っている水をふんだんに与えられた神に感謝」ということを強調すると、「それ、逆じゃん。水がふんだんにある星だったから俺たち水・アミノ酸型生物が存在しているんだぜ」というツッコミは入りますね。 (良くある例えが、”飛行機が空中分解して投げ出されたが、大変に都合良い形の茂みに絶妙の角度で落ちたので助かった。何と神は巧妙な仕組みを用意して慈悲深いのだろう”と言ったら、”喜んでいるところすまないが、この事故で君以外の99人は死んでいるのだけど・・”) まあ、ご愛敬で。 長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。 お役に立てば幸いです。
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