• ベストアンサー

構成要件、違法、責任の判断順番について

犯罪に当たるかどうか判断する場合1構成要件、2違法、3責任の順に判断すると教科書に書かれているのですが、例えば321の順に判断すると、結論が違ってしまうのでしょうか。なぜこの順番なのかその必然性がよく分かりません。先に主観面を判断しても後で客観面を判断すれば答えは同じになるような錯覚がありどこから始めてもよいのではと思っています。明確でなくても構いませんので、何かご存知の方おりましたらよろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • DoubleJJ
  • ベストアンサー率34% (127/367)
回答No.1

構成要件から判断されるのは、近代刑法は罪刑法定主義の精神から出発しているので、「法規に違反しない行為はそもそも処罰さえされない」という原則をあらわすために、 まず客観的な構成要件で法規の該当可能性の判断をすることにしているということなのでしょう。 しかし現在は主観的構成要件要素といって、本来客観的な部分である構成要件に、行為者の認識、過失といった主観的な要素を加味されて構成要件というものが成り立っていると考えられています。 例えば路上で人が死んでいる。死んでいることは明らかで行為者が誰かもわかっているが、過失致死なのか殺人なのかよくわからないという事件を考えた場合、過失致死と殺人の構成要件に該当する→違法性もある→どうやら殺そうという認識で行為に及び、死なせてしまったらしい→殺人罪であるという方法をたどるのは迂遠であり、構成要件の機能が希薄でもあるのです。 なぜなら本来構成要件にはどういう意思で行為に及んだか、どういう法益侵害を行ったかを判定する機能を有する「犯罪個別化機能」があるはずですが、人を死んでいるという場合に当事者の主観的内容を判断する前に「過失致死と殺人罪の2つの構成要件に該当する」としてしまうことはその犯罪個別化機能に反すると考えられるのです。 犯罪個別化機能を発揮させるためには、殺人罪か過失致死罪の区別をするためには、構成要件の段階で「殺す意思」なのか「誤まって死なせてしまった」かを判断しなければ いけないのです。 ですから実際は1の構成要件の段階で2と3も審議しているのです(構成要件の違法性、責任の推定機能などとよく言われます)。ですから先に客観面だけを判断しているということではないことになります。 しかし実務においては全く関係がありません。警察がこの人が構成要件に該当しているかどうか、違法性はあるか、などと順序だてて捜査するわけでもありません。実務では これらの処理を同時に行います。構成要件や、違法性といったものは学問的な意味合いが強いですので、責任から判断するとどうなるんだ等とあまり深く考えずに、そういうものなんだぐらいの認識でおられるといいのではないかと思います。

nikoniko500
質問者

お礼

まずは、お礼が遅くなりましてすみませんでした。大変分かりやすく丁寧なご説明で助かりました。構成要件で、違法かどうか有責かどうかが判断されているという点が特によく理解できました。構成要件は違法、責任と無関係なものではなくまずは大雑把に構成要件で、違法と責任を判断して犯罪を個別化し、その後しっかり細かく違法と責任を考えるということがDoubleJJ様のご回答ではないかと思っております(間違っているかもしれませんし、たとえが悪いような気がしますが)。もしこのような理解でよろしければ、構成要件が最初に来る意味がわかるような気がしました。違法と責任の順位は学問的になるということで納得できました。 まだまだ勉強はじめたばかりなので、頑張りたいと思います。 本当にありがとうございました。

関連するQ&A

  • 行為無価値論者からすれば、違法性判断は客観と主観の二つを対象とするとのことです。

    行為無価値論者からすれば、違法性判断は客観と主観の二つを対象とするとのことです。 では、その違法性が構成要件として類型化されたとき 違法性の主観面は構成要件の具体的にどことどこに「配属」されましたか? (2)構成要件的故意は、結果無価値には存在しない概念です。 結果無価値は「違法性判断には主観はいらない」という発想からだそうですが 責任にある要素を類型化して構成要件的故意とするのも結果無価値は許せないのですか? 第1次審査ステップである構成要件に類型的に加工した主観面があるとより多くの案件が落とせて ずいぶん楽なんだけどなあ。 「構成要件は違法・責任類型である」というフレーズはやっぱり使えないかな、結果無価値論者には。 (3)そもそも、行為無価値論者が構成要件的故意として類型化作業に入る際に、 なぜ違法性からだけでなく責任からも主観面を募ったのですか? 違法性に在った主観面だけでは物足りなかった?

  • 構成要件的故意、というものは主観面を類型化したものであります。

    構成要件的故意、というものは主観面を類型化したものであります。 違法性の主観と責任の主観を類型化したものです。 しかしなぜ構成要件として類型化する際違法性の主観面のみでなく責任の主観面もヘッドハンティングしてきたんでしょうか? ただでさえ主観面を類型化するなんて難しいことなのに、 元々個別的様相がつよい責任から招きいれても構成要件の「社風」に馴染まないのは明白です。 なんだか場違いなところにきたみたいで居心地悪そうです。 だったらいっそ責任のところに留まってもらったらよかったのではないでしょうか?

  • 刑法の違法性と構成要件についてです。

    刑法の違法性と構成要件についてです。 (1)行為無価値2元論では、 違法=結果無価値+行為無価値(態様) 責任=行為無価値(心理) と解します。 そうすることで構成要件として類型化する際、結果無価値のみでなく 行為無価値をも取り込めるゆえ、結果的に無実になる人を構成要件の段階で 排除できるからです。 さて巷では 構成要件=違法・責任類型 という標語が一般的になっております。 実はそこのところがよくわかりません。 なぜなら構成要件は責任要素を類型化しないでも十分役割を果たせるからです。 たとえば同じ殺意があっても、明確な殺意なのか、未必か、過失か、によって 今回は199条の構成要件なのか、210条か、205条かが変わってきますが そうした選定は 違法要素のみでまかなえるのではないでしょうか? 違法=行為無価値も含まれているのです。 それなのになぜ責任要素も取り入れる必要があるのでしょうか? (2)具体的に、構成要件に行為無価値が取り入れられたことがわかる項目(犯罪名や論点)はなにになりましょう? とくに、客観的構成要件(実行行為、結果、因果関係)に加味された事例を知りたいです。 (3)(2)で挙げられたものは、結果無価値論者によればどう主張しているのでしょうか?

  • 刑法「構成要件的故意」について

    質問です。 刑法の構成要件における「故意」についてです。 事例として 甲はピストルの引き金を引いて 乙に発砲した。その結果乙は死亡した。 という場合、 まず、甲はピストルの引き金をひき発砲した。 発砲したことにより乙が死亡したと 実行行為ー結果ー因果関係が揃い 甲のした行為は、客観的構成要件に該当しますよね。 次に甲がこの時に、自分が発砲すれば乙は死ぬだろうと 分かっていて発砲したのであれば 構成要件的故意が認められるとなっています。 主観的構成要件要素として、内心の事情などとして 構成要件的故意が認められるとなっています。 ここで、疑問なのですが、刑法の基本類型においては 構成要件とは、形式的に判断されるものとなっていますが 1、まず一つとして何故、形式面なのに主観を 介入させるのでしょうか? 2、それと故意については、「責任」の段階でも 判断しますよね。 となりますと故意というのは、構成要件段階で 一度主観面を判断し、また責任の段階でも また主観面として判断するということでしょうか? バカなのか分かりやすく説明してくれるとありがたいです。

  • 犯罪の構成要件について

    犯罪の成立要件(行為、構成要件、違法、有責)の内、「構成要件」についてどなたか刑法に詳しい方ご教授お願いできないでしょうか? ・構成要件の定義(構成要件って何?) ・構成要件要素 ・客観的構成要件、主観的構成要件 上記についてなるべく詳しく、また分かりやすく(窃盗罪や殺人罪等の具体例などで)お教え願えれば幸いです。 刑法について勉強をはじめたのですが、基礎的なところからつまづいてしまい一向に前に進めず本当に困っています。 刑法の講義書をはじめネットなどでも調べてみたのですが、正直なところ難解すぎて理解できません。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 「不可罰」「犯罪不成立」「構成要件該当性あるが違法性or責任阻却」「無

    「不可罰」「犯罪不成立」「構成要件該当性あるが違法性or責任阻却」「無罪」 これらの関係・用法がイマイチ把握できません。 たとえば、刑事未成年の行為は「不可罰」と表現されています(山口総論・西田総論)。 と同時に、当該未成年は「無罪」です。 また、「構成要件該当性あるが責任阻却」とも言えますが、 だから「犯罪不成立」であり「無罪」と言えるのかどうかは自信がありません。 構成要件を犯罪類型とみるか否かで結論が異なりそうな気もしますが、 突っ込みすぎて少々混乱しています。 明確な定義の上で紹介されているのを見たことがないので、 ラフに使っても通じるのでしょうが、 論者は何らかの識別をしているように思います。 分かりにくい質問で申し訳ありません。

  • 暴行罪の構成要件について

    暴行罪の構成要件について (※一度マルチポストだと誤解され 削除されましたがマルチポストではありません。) 犯罪成立まで流れを勉強しているのですが どこからが暴力になるのかいまいちわかりません。 構成要件→違法性→有責性→犯罪成立だと思いますが ・空のペットボトルでポコッと叩くのは構成要件に該当しますか? ・消しゴムを投げてたまたま通りかかった人に当たった場合構成要件に該当しますか? ・彼女が彼氏をビンタしたら構成要件に該当しますか? ・彼氏が彼女をビンタしたら構成要件に該当しますか? ・ネクタイを引っ張ったら構成要件に該当しますか?

  • 構成要件的故意は責任部門のみを類型したものと見たいのですが、駄目ですか?

    構成要件的故意は責任部門のみを類型したものと見たいのですが、駄目ですか? Rwにあった主観も類型されたとみるべきですか?

  • 規範的構成要件(意味の認識)

    刑法で、規範的構成要件(意味の認識)と責任段階での違法性の認識。 これはどの説でもリンクするものですか? リンクというかほぼ同じことを二重で聞いてるものですか? これはいやらしい本だ、との認識あれば(構成要件該当すれば) 違法性の可能性は当然あったといえますから(責任故意も倣って該当)、 けっきょく同じことを二回聞いてることになるのですよね?

  • 犯罪の成立要件について・・・

    犯罪は構成要件に該当し違法で有責な行為と定義され、つまり構成要件該当性、違法性、有責性が犯罪の成立要件だと言うことは分かるのですが、もう少し分かりやすく教えてもらえますでしょうか?よろしくお願いします。