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熱力学第2法則の統計力学的説明。

熱力学の第2法則の統計力学的な説明ってどうなるのでしょうか? S=klnW W:状態数 において、状態数が最大な場合はもっとも実現しやすいからというのは 理解してます。ただしこれは状態数のすくない状態(非平衡)より状態数の 多い状態の方が実現しやすい。すなはち、「平衡状態では状態数が最大化する。」という説明です。 この説明は、非平衡状態と平衡状態を比較して、後者が実現しやすいというものであり、非平衡な状態から出発してエントロピーが時間的に変化して 最終的に最大化するまでの間の時間変化には触れていません。 私が疑問なのは、この間のエントロピーの時間発展をどう説明するのか? というものです。 例題として念頭においてるのは非平衡な状態から平衡状態への系の緩和過程 を考え、その間のエントロピーの時間変化を追って、「エントロピーが増えるでしょう」という説明が可能か?というものです。 もともとは平衡状態定義されたエントロピーという概念を非平衡系 にも拡張して理解しないといけないという困難がつきまとう問題で、 単純にはエントロピーを S=S(q ,p): q,pは相空間上の点 のようにミクロな量として定義してその時間発展を追えばよさそうで、 実際、エントロピーを何か 微視状態の平均として定義する方法は あり、 S=k∫ρ(q p)lnρ(q p) :ρ(qp)は確率密度関数。 と定義できるのですが、愚弟的にこの定義で非平衡状態からの時間変化を 追う方法がよく分りません。 また本質的な問題として、上の定義はρ(qp)で時間発展が決まりますが、 ρはリウビルの定理から時間反転に対象であり、そもそも不可逆過程を 表現する式になっていません。 ここ数年ことあるごとに気になっていますが、いまだに分りません。 みなさまのご意見お待ちします。

みんなの回答

  • nadja
  • ベストアンサー率33% (5/15)
回答No.3

No.2のnadjaです。 この問題はいい問題です。Hamilton力学系と確率論をつなげる(平衡統計力学は狭議に確率論に属すると仮定する)ことを考える際、力学系に「逆温度」なる概念をどう定義、導入するかを考えてみるのがいいかもしれません。今のところ細かなところを見れば、物理系を特徴付けるHamiltonianだけが、両者の概念で出てきているだけで、それ以外の概念、「自由エネルギー」や「作用」などの両者の固有の概念がどのように、相手方に対応するかを見ればいいと思います。 参考になるかどうか分かりませんが。。。。

  • nadja
  • ベストアンサー率33% (5/15)
回答No.2

確率過程のシナリオで理解してみてはどうでしょうか。 その説明をやる前に以下にリンクを張った「逆温度について」の発表資料(pdfとppt)を参照ください。「統計力学的」というのは狭義の「確率論的」もしくは「統計学的」というものであり、確率論のリテラリで解釈したほうがすっきりしますよ。 T. Cover et. al. のElements of Information TheoryのThe Second law of thermaldynamicsの章(第1版と2版で章が変更しています)に詳しくかかれています、あくまで定常確率過程としての物理現象を捉えたら、という感じですけど、物理実験を理解するためだったら、下手な物理の本を読んで煙に巻かれるよりは、すっきりすると思いますよ。

参考URL:
http://www.cas.dis.titech.ac.jp/~higo/wiki/study/index.php?%C2%E81%B2%F3%CA%D9%B6%AF%B2%F1
PAM123
質問者

お礼

アドバイス。ありがとうございます。 「逆温度について」は、詳細にはこれから読んで見ようと思います。 ここで扱っているのはいわゆるカノニカル分布ですよね。 たしかに、カノニカル分布であれば対象としている系は、熱浴とのエネルギーのやり取りがあるので系の時間発展は決定論的ではなくなり、確率過程で考えてもいいような気もします。  うーん。そうですか、確率過程で考えてみる。なるほど。 logρ での時間発展で考える場合のネックはリウビルの定理によって、 相空間の体積が変化しない=>エントロピーが変化しない。 となってしまうことのようです。 確率過程で考えればエントロピーの時間発展出てきますかね? ちょっと考えてみます。

PAM123
質問者

補足

仮に確率過程でエントロピー増大が導出できても、やはり、何かふにおちないところがあります。 Hamilton力学の枠組みでエントロピーの増大がでてこないというのは、どうも、不思議でならないのです。 我々の無知により初期状態を正確には知りえない。あるいはある非平衡な状態=初期状態の可能性が限定された状態から出発し、時間の経過に より、(粒子同士の何度もの衝突により)初期状態の情報が失われていく ってなストーリで、(情報)エントロピーの減少(増加)が、理解できそうに思えてきましたが、それでもやはり、粒子の運動はHamiltonianで 一意にきまっていることを考えると、上のシナリオとHamilton力学との関係が、どうもうまく理解できません。

  • nomercy
  • ベストアンサー率66% (12/18)
回答No.1

これに関連する話題は BoltzmannのH定理 でしょうか。 例えば  鈴木増雄 岩波講座 現代の物理学4 統計力学 の第一章に 適当な模型を用いて S(t)=k∫ρ(q p)lnρ(q p) という時間に依存する関数が単調増加することが示される。 ということが書いてあります。 一般的にこれを示すのは困難なので適当な模型を用いるしかないわけですが、簡単なものとして W個の状態があり、これらの間を確率a_{lm}=a_{ml}で遷り変わるということを考えたときに時刻tにおいて状態lをとる確率P_l(t)は  dP_l(t)/dt = -Σ_m a_{lm} P_l(t) + Σ_m a_{ml} P_m(t)  というマスター方程式で記述される。 というものを考えています。 この場合には先ほど定義したエントロピーが単調増加することが示せるようです。 また、これ以外の幾つかの模型でも同様のことが言えるみたいです。 自分で計算を確認したわけではないですが一応参考までに。

PAM123
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 やはり、どうしてもうまく行くようにしたモデルが必要なんですよね。 上記のマスター方程式 dP_l(t)/dt = -Σ_m a_{lm} P_l(t) + Σ_m a_{ml} P_m(t)  は私はあまり知りませんでしたが、きっと、 時間に不可逆な方程式ですよね? BoltzmannのH定理も衝突という形で不可逆な要素を取り込んでいます。  ほんとうに第1原理からはじめようとするとどうしても、 時間的に可逆なリウビル方程式から出発して、 不可逆な現象を導出するという、はなから無理であるような話になってしまい。 これをどう考えるべきか?が悩ましいのです。

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