旅の王子って？

質問

またまたオペラを題材にした質問です。モーツアルトの魔笛の主人公は旅の王子ですが、実際にこの物語のようにヨーロッパの中世に王子が供もつれづに旅をしたりすることはあったんでしょうか？　おとぎばなしにはこういう王子がよくでてくるように思います。私の空想だと、お供がいないような王子だから、自分の国では後継ぎには程遠い立場なので、どこかの男子に恵まれない王家の婿ねらいで武者修行の旅をしていたように見えます。ハッピーエンドで終わる物語の場合、ねらいどおりに、お姫様をゲットしてめでたしめでたしですが、こんなことって実際にあったんでしょうか？　それともおとぎばなしの中だけ？

回答No.2

caesar-x2 · ベストアンサー

おとぎ話もオペラもフィクションとして作られていますから
実話じゃないのはまずわかりますよね。
王子という役柄は、演劇においては天使や悪魔などと同じく
ありふれたものです。
ほとんどの場合、それは特定の誰かではありません。
合理的な理屈があるわけでもありません。
演劇における”お約束”の一つです。
限られた時間、少ないセリフで、物語を構成しなければならない必要上、
説明がないとどういう人か分からないようなキャラクターでは困ります。
王子様、とくれば、もうそれで身分や権限が聴衆に理解されるわけで
そういった共通認識を利用するのが、脚本の基本的な技術であって、
ウルトラマンが登場したら当然、怪獣を倒すだろうと思うのと同じで
ウルトラマンの代わりに、違う者が登場したら、コイツ悪玉か善玉か
今からなにんすねん、ということになって
まず誰で、何をするのか、なぜかなど様々な説明を要します。
そういうことじゃ駄目なのです。

さらにもう一ついうと、プリンスを日本語では
単純にイコールで王子様と誤解していますが、これは間違いです。
プリンスというだけでは、実は王子か王太子、公子かその他のプリンスか、
わかりません。
だからその人物の出身が、王国なのか公国なのか、伯国ほかなのかは
実はプリンスという一言では判断できないのです。
もちろん、フィクションですから、多くの場合、
国名は実在しなかったり、
ハムレットのように国（デンマーク）は実在しても人間は実在しない場合もあります。

またこれらの”お話”のほとんどは中世を舞台にしていますが
実は、ほとんどは中世を舞台にして近世以降に書かれた物語のため、
時代背景などが混在していることが多いです。
王侯や王子などが旅をするモチーフというのは、
明らかに十字軍をモデルにしたものですが、登場する人物の服装などは
十字軍のものよりも新しく描かれるのがほとんど。
さらに騎士道物語で吟遊詩人に長らく語り継がれたベースがあって
そのなかには挑戦と征服というテーマが必ずあります。
つまり騎士は旅をして、魔物やら聖杯やらを探し（クエスト）、
何らかの困難にぶち当たって、それを克服する過程が物語の中心になっています。

円卓の騎士やそれに関連する話というのは、
語り継がれるたびに、聴衆を喜ばさせるために変更が加えられていて
おとぎ話のベースになるような話も多数登場しますが
要するに、ハッピーエンドで終わるのは
聴衆がそれを望むからにほかならず、実際にそうなったからはもちろんなく
聞き手の期待を形にしたものに過ぎません。
だから子供向きでない、オリジナルストーリーというのは
どれももっと残酷でバットエンドも多いわけです。
それが長い年月を経て、大衆受けするように変化しただけのことです。

お礼

ご回答ありがとうございました。
よくおとぎ話とかファンタジー小説、ロールプレイングゲームなんかに出てくるキャラクタなので、本当にいたのかと思ったんですが、魔法使いとかドラゴンなんかと同じレベルの想像上のキャラクタだったんですね。
ちょっと、がっかり。

回答No.1

nacam

国王の正式な王子クラスですと一人で出歩く事などできません。
必ず従者がつきますし、そもそも自由に結婚などできる立場ではありません。
結婚も全て政略結婚です。
>男子に恵まれない王家の婿ねらいで
なんて事もありえません。
男子後継者のいない王家などは、ヨーロッパ中の王侯貴族の注目の的です。
戦争してでも手に入れたいほどですから、放浪してなどあるはずがありません。

ただしそれが婚外子であったり下級貴族であった場合などは状況が異なります。
国王が召使に手を出して生まれた子などは、貴族として認められずに育ちますが、後日王の子だと分かった場合に、官僚などに迎えられる事もあり、貴族並の待遇を受ける場合もありました。
また領土らしい領土を持たない騎士階級などでは、従者を連れずに領内を行動する事は珍しい事ではありませんでした。
そういった下級貴族も殿様ですから、放浪の旅なども有ったかもしれません。
特にそういった貴族の次男や三男は、領土を継げるアテも有りませんから、養子のアテが無い場合など特に。

お礼

ご回答ありがとうございます。

やっぱり、現実にはあり得ない話ですか。

魔笛って、王がなくなった後の王妃と大臣の権力争いで、双方が王の娘と、その婿候補の王子を利用しようとしたという話なので、実際にありそうな気がしたんですけど。