• 締切済み

NMRに関して

NMRを理解しようと本を読んでいるのですが、 よく分からなかったことがありましたので教えて 頂けると助かります。 (1) 300MHzと600MHzのNMRを比べると600MHzの方が分解能が 高いと言われますが、それはどうしてなのでしょうか? 300MHzの測定機ではδ=0と1の間は300Hzですが、 600MHzでは600Hzあり、このことが関係しているのでしょうか? (2) NMRチャートの右側(高磁場領域)を低周波数、 左側(低磁場領域)を高周波数とされるのはどうしてなのでしょうか? 原子核の周りは右側にいくにつれて電子によって遮蔽される度合いが大きくなり、 より強い磁場をかける必要があるため高磁場領域と 呼ばれるのだと自分なりの考えをしました。 この高磁場領域では原子核に歳差運動をさせるのに必要な ラジオ周波数がどうして低いのかよく分かりません。

  • Nrd
  • お礼率41% (5/12)
  • 化学
  • 回答数3
  • ありがとう数4

みんなの回答

noname#160321
noname#160321
回答No.3

(1)300MHzと600MHzで測ったとき、両者で化学シフトは変化しません。 一方カップリングはカップリングの値が変化しません。ですから、似た場所にあって重なり隠れていたピークを分離して観測することが出来ます。 このことは特に二次元スペクトルの時便利です。 (2)磁場を安定化させるのとは発信周波数を安定化させるのでは磁場を安定化させる方が楽です。 なぜなら磁場の有効数字が圧倒的に大きいからです。発信周波数は固定することは簡単ですが線形に振ることは至難です。 そこでnmr装置は発信周波数を固定し磁場を線形に振ります。右側での吸収が高磁場に比例し左の吸収が低磁場に対応するので。今でも周波数を振っていた昔通り右を高磁場と呼びます。

Nrd
質問者

お礼

有り難うございました。

回答No.2

(1)はそういうことです。 二つの水素原子核AとBがあって、それぞれの化学シフト値が3.00と3.10だとします。 300 MHzのマシンだと、テトラメチルシランを0 Hzとした場合 Aの共鳴周波数は3.00ppm X 300 MHz = 900 Hz、 Bは 3.10 ppm X 300 MHz = 930 Hzなので、共鳴周波数の差は30 Hzしかありません。 一方、600 MHzのマシンだとAは1800 Hz, Bは1860 Hzとなり、共鳴周波数の差は60 Hzに増大します。化学シフトで考えるとどちらのマシンも変わらないように見えますが、電磁波のエネルギーで考えれば遷移エネルギーが倍化しますので、分解能が上がることが理解されると思います。 (2) こんどは水素原子核A(3.0 ppm)とC(8.0 ppm)を例にあげてみます。 マシンは300 MHzということにします。遷移エネルギーはAが900 Hz, Bが2400 Hzですね。 決まった強さの磁場をかけて、ラジオ波の周波数をスキャンしてNMRを測定することを考えてみましょう。この場合は、Bの方が遷移に必要なラジオ波の周波数は高くなります(あたりまえですが)。 ですから、Bのシグナルが出るチャートの左側は高周波数となります。 一方、NMRは他の分光法と異なり、ラジオ波の周波数は固定しておいて、磁場の強さをスキャンしても同じスペクトルが得られます。 AとCに2400 Hzのラジオ波が照射されている状態を考えて見ます。 Cは300 MHz(のラジオ波で水素原子核のスピンが共鳴する磁場)の超伝導コイルの磁場をかけてやれば、遷移します。 しかし、Aの方はこの磁場では、アルファーとベータスピン間のエネルギー差が小さすぎて遷移できません。遷移するには、もっと強い磁場をかけて、エネルギー差を広げてやる必要があります。具体的には、 300 MHzの磁場では900 Hzで共鳴する=800 MHzの磁場をかければ2400 Hzで共鳴する ということで、Aの方が共鳴させるのに高磁場が必要になります。 このような理由から、チャートの左を低磁場、右を高磁場と呼びます。 ちなみに、昔のNMRはラジオ波を固定し、電磁石の生成する磁場の強さをスキャンしていたという歴史的な理由から、今でも高磁場領域、低磁場領域と呼びます。 もちろん、現在の超伝導マグネットでは磁場の強さは一定なので、高磁場、低磁場というのは現実とは異なりますが。 最後になりましたが、説明の中で”900 Hzのラジオ波”とか書いてますが、これは省略で、実際にはこれは”900 Hz + 300 MHzのラジオ波”です。テトラメチルシランの共鳴周波数(300 MHzのマシンなら300 MHz)をプラスした値が、実際に共鳴するラジオ波の周波数です。

Nrd
質問者

お礼

有り難うございました。

noname#69788
noname#69788
回答No.1

NMRは、理論が難しいのでデータ解析が出来ればよいといわれました。

関連するQ&A

  • NMRについて

    NMRについていくつかの疑問があるので、質問したいと思います。 (1)原子核の周りには電子が周っていますよね??この電子はNMRの測定において無視できるのでしょうか? (2)スピン量子数が0とは、どういったことなのでしょうか??核がスピンしていないということでいいのでしょうか? (3)核磁気モーメントを静磁場中におくと、なぜラーモアの歳差運動をするのでしょうか?また静磁場でなかった場合は歳差運動はしないのでしょうか? (4)外部磁場とはどのようにして当てるのでしょうか?やはり、コイルに交流電流を流して振動磁場を発生させ、この振動磁場が外部磁場のことなのでしょうか? (5)NMRでは有機化合物ではなく、無機化合物も測定できます(スピン量子数によりますが・・・)が、実際に無機で測定されている化合物はあるのでしょうか? (6)最終的にν=ω/2π=γB/2πまたはω=γB(ω:角速度 B:外部磁場の強さ γ:核磁気回転比)といった式がでますが、何を言いたいのでしょうか?  質問が多くて誠に申し訳ございませんが・・・1つでもわかる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願い致します。

  • NMR

    以下の文章は、薬剤師国家試験模擬試験の問題なのですが、あいにく解答が無く正解がどれかわからないのでお聞きします。 a:60MHzの測定装置を用いた1ppmは60Hzに,400MHzの測定装置を用いた1ppmは400Hzに相当する。 b:通常、化学シフトはppm単位で表し、スピンースピン結合定数はHz単位で表す。 c:低エネルギーのスピン状態から高エネルギー状態に励起させるのに必要なラジオ波の周波数は、1H,13C,15N等の各核種について固有値であり、それぞれ外部磁場の強さに対応して一定値を示す。 d:ベンゼンのプロトンは、ベンゼン環の磁気異方性効果により、シクロヘキセンのオレフィンプロトンより高磁場領域で共鳴する。 e:1H-NMR測定法では水(H2O)は溶媒として使えないので、水の代わりに重水(D2O)を用いる。 以上の5つの文章のうち、3つが正解です。dは高磁場領域→低磁場領域の間違いだとわかるのですが、問題はeの文章です。これって間違いですか?

  • NMR (設定値(?)について)

    NMRについて 以前からこのサイトにおいて、 いろいろな質問がなされていて、 いろいろな参考文献などが挙げられているということは 知っているのですが、、 残念なことに、それらの本が、 学読ではすべて貸し出し中、近くの本屋さんには 売っていないという状況で、 いくつか至急知りたいことがあるので教えてください。 29Si NMRについての質問です。 (1)spinning rate 5kHz resonance frequency 79.30MHz a 45°pulse length of 4.1us(マイクロセカンド) recycle time 60s The chemical shift were expressed with respect to tetramethysilane 設定値についてなのですが、 どういう意義があるのか教えてください。 NMRスペクトルは 共鳴周波数を固定しておき、 基準物質、試料中のそれぞれの Si原子(?)が共鳴を起こすために必要な 外部磁場を測り、 化学シフト量 = (Bo)r*10^6/ {(Bo)r-(Bo)s} 但し (Bo)r :基準物質中のシリコン原子が共鳴をおこす      ために必要な外部磁場 (Bo)s :試料中のシリコン原子が共鳴を起こすために      必要な外部磁場 を計算することにより得られる。 (違いますか?) ということで、共鳴周波数の意義はわかっている と思うのですが、他の設定値の意義が わからないです。

  • NMR概要について

    NMRの概要に↓のような説明があるのですが。いくつかの疑問があります。 「磁場のなかにおいた試料に電磁波を照射させると、試料中の原子核がその特性に応じて異なるエネルギー状態を生じる。核磁気共鳴分光法とは、このエネルギー差に相当する電磁波を与えたときに起こる共鳴吸収を観測し記録する方法である。NMR法は有機化合物の構造決定や医療分野ではMRIなどとして応用されている。」 とあるのですが (1)その特性といいますのは、要は何なのでしょうか??核スピンのエネルギー吸収、放出過程のことなのでしょうか? (2)共鳴吸収とは何かよくわからないのですが・・? 例えばHの核が周ってたとして、それによって周波数が生じる。←これと外部磁場からのパルス?がどうなるとNMRが観測できるのでしょうか? (3)NMRは有機化合物やMRIには利用されないのでしょうか?? まことに恐縮ながら、一つでもわかる方がいらしたら教えて頂けるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

  • NMRの原理について(ゼーマン分裂に関する疑問点)

    NMRの原理についての質問です。 NMRは、核スピン量子数が0でない原子核の磁気モーメントの変化を測定している事は理解できます。しかし、なぜ外部磁場によって磁気モーメントが磁場に平行なスピンと逆平行なスピンに分かれるのかが理解できないでいます。外部磁場を加えた瞬間に磁気モーメントを持つ全ての原子核が安定なスピン状態に反転しそうなものですが・・・・・・?

  • NMR装置の○○MHzの表記の意味

     最近のNMR装置は、普通その性能を表すのに、○○MHz(270 MHzや400 MHzな ど)と呼ばるようですが、この意味は何でしょうか。参考書には、よく共鳴周 波数の値だ、と書いてありますが、どうも磁石の強さを表しているように思い ます。確かに、MHzは周波数の単位ですし、磁場(磁束密度)の単位はG(ガウス) やT(テスラ)となるはずですが、周波数がNMRの装置の性能を決めるのでしょう か。NMRに詳しい方のご意見をお伺いしたいです。よろくお願いします。

  • NMRについていくつか教えて下さい。

    NMRの原理について教えて下さい。 チャートの見方はすでに知っているのですが、実際に装置の中では何をやっているのかを教えて下さい。 これは試料を静磁場下におき、ラジオ波の周波数を変えて掃引していき、その吸光度を見るというのが 実際にやっていることですよね? となると2次元NMRは何をやっているのでしょうか? 例えばCOSYの場合だと、試料を静磁場下におき、Aのラジオ波の周波数を固定し、 Bのラジオ波の周波数を変えて掃引していき、その吸光度を見て、Bの掃引が終わるごとにAの周波数を変えていくというのが 実際にやっていることですよね? これは合っていますでしょうか? それと2次元NMRについてなのですが、これは1次元NMRとの装置における違いは単にラジオ波発生器が2つあるということだけですよね? これって装置の値段としては大して差はないということなのでしょうか? 簡単な改造で二次元の機能を付加出来るものなのでしょうか? それと2次元NMRと一口に言っても、COSYやNOESYなどいろいろな種類がありますが、これらは一つの装置で基本的に全て行えるものなのでしょうか? それとも一つの装置に対して1つしか機能がついていないものなのでしょうか? よろしくお願い致します。

  • NMRに関する問題(1)

    先日、課題でNMRに関する設問がでたのですが、 (1)観測の対象となるエネルギー遷移について簡潔に述べよ。 (2)磁場掃引測定と周波数掃引測定が同等である理由を述べよ。 この二問なんですが、(1)に関しては、ネットでいろいろ調べたのですが、いい答えがでてこなく、(2)に関しては、授業で、「一つは電磁波の周波数を一定に し磁場を掃引する方法。もう一方は磁場を一定に保ち周波数を掃引する方法。」ということは習ったのですが、同等である理由が載っている資料がなく困っています。 ぜひ教えていただけないでしょうか? よろしくおねがいします。

  • NMRについて(ゼーマン分裂)

    NMRのゼーマン分裂について 核スピンに外部磁場をかけると、核スピンは外部磁場に沿った方向と、逆方向を向いたものの2種類にわかれます。 このうち逆方向の核スピンの方が磁場に逆らっているため、高いエネルギーをもつことはわかったのですが・・・ なぜエネルギーの低い状態の核スピンの方が数が多いのでしょうか??

  • NMR 振動数と化学シフト

    NMRで振動数をNMRの周波数MHzで割ると化学シフトが出ると思うのですが、この値は、いろいろな周波数のMHzですると、振動数や化学シフトが実際に計算してみると同じ状態のプロトンでも異なってくるように思えます NMRのMHzをかえても振動数や化学シフトなどと統一して系統立てて関連付けることはできないでしょうか よろしくお願いします