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焼き入れについて
SortaNerdの回答
まず、炭素が燃えるというのは、鉄の内部にある炭素は外の酸素に触れないので燃えることはないでしょう。 焼入れの効果の話をする前に金属の変形の話から入ります。 もし金属原子がきちんと格子状に並んでいたら力をかけてもほとんど変形せず、計算上今の数百~数千倍の強度になるといわれています。 それが計算より弱くなる理由は、格子がいたるところで狂っている(格子欠損)からです。簡単に言えば、四角形を隙間無く並べてあるところに三角形が混じっているようなものです。三角形の隣の四角形は形が狂ってひずみが溜まります。 そのような格子欠損のある金属に力をかけると、狂った格子の隣にある原子が、狂った格子の原子と手をつなぎ替え、格子の狂いが移動します。先ほどの例で言えば、「三角・四角」と並んでいたものが「四角・三角」となるようなものです。 格子欠損の移動はひとつの原子が手をつなぎかえるだけなので非常に小さい力で起こります。原子がきちんと並んでいたら原子の一列全部手をつなぎ替えなければいけないのでものすごい力が掛かるわけです。 一つ一つの格子欠損の移動は小さくても、金属中にはたくさんの格子欠損がありますから、いろんな場所の格子欠損が移動することで小さい力で大きな変形ができるわけです。 この格子欠損をなくせば硬くなるわけですが、残念ながら今の技術では不可能です。そこで次善の策として格子欠損の移動をしづらくするということがあります。 格子欠損が移動する先に異物があると、そこで原子が手をつなぎ替えにくくなるため抵抗となります。 異物は炭素などの別種原子であったり、金属の結晶粒の境界であったりします。 というわけで、炭素を入れたり、急冷によって結晶粒を小さくすることによって硬さが増すわけです。
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