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共役ジエンの1,2付加と1,4付加について

noname#62864の回答

noname#62864
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回答No.1

例がないと説明が難しいので、1,3-ブタジエンへのHClの付加を例に挙げて説明します。 この反応は求電子付加ですので、はじめにH+が付加して、下式のカチオンを生じます。ここで、*は正電荷と考えて下さい。←→は共鳴を表します。 CH3-CH*-CH=CH2 ←→ CH3-CH=CH-CH2* 次にCl-がこれに付加して、1,2-付加体と1,4-付加体を生じます。 1,2-付加体:CH3-CHCl-CH=CH2 1,4-付加体:CH3-CH=CH-CH2Cl 理由を説明するのは困難ですが、1,2-付加体の方が生成速度が速く、低温では主として、1,2-付加体が生じます。これが速度論支配と呼ばれる反応です。すなわち、生成速度の速い物質が多く得られるという意味です。 可逆反応の場合、反応の種類によっては、高温で生成物の分解が起こり、出発物質や、反応の中間体にまで戻る反応も起こります。 そのために、反応系全体が化学平衡になり、最も安定な物質が多くなります。結果的に、熱力学的に最も安定な物質が多く得られることになります。これが熱力学支配の反応です。アルケンの場合には多置換のものが安定ですので、1,4-付加体の方が安定であることになり、これが熱力学支配の場合の主生成物になります。 要するに、低温の場合には全体が化学平衡にならず、生成速度の速い生成物が多く得られます(速度論支配)。高温の場合には、全体が化学平衡になって、熱力学的に安定な物質が多く得られます(熱力学支配)。ただし、これは可逆反応に限ったことであり、非可逆反応では、温度に関わらず速度論支配になります。

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