• ベストアンサー

血糖値(グルコース)測定値に対する溶存酸素の影響について

anisolの回答

  • ベストアンサー
  • anisol
  • ベストアンサー率48% (146/301)
回答No.11

いろいろ調べたところ、ほぼ解決しました。(私は調べることしかできないので) アメリカ電気化学会発行のInterface誌に次の説明があります。参考URLのPDFファイルの3ページ目です。(一応訳をつけましたが、いいかげんなので、原文を読んでください) The ferricyanide is not as efficient at shuttling electrons with the enzyme as oxygen; therefore, any oxygen in the solution can compete effectively for the enzyme site, producing a signal that is related to glucose, but not in the same way as the ferricyanide-mediated signal. フェリシアン化物は酸素ほど効率的に電子を運ばないので、溶液中の酸素は酵素のサイトに競合し、グルコース量と関連する信号を発生するが、フェリシアン化物による信号と同じではない。 Oxygen can give a positive bias in such a system, meaning measurements are skewed higher, limiting the accuracy at low glucose values. 酸素はこういった系では正のバイアスを与え、測定値は高い方へ傾き、グルコース量が低い場合の精度を制限する。 (この文章はちょっとわかりません。グラフを見ても酸素は負のバイアスを与えると思うのですが。) さらに"producing a signal that is related to glucose, but not in the same way as the ferricyanide-mediated signal"との部分がわからないので調べてみたところ、Anal. Chem. 誌に次のような説明がありました。(ただし、酸化剤はフェロセンを使っています。フェリシアン化物の論文はClin. Chim. Actaにあるらしいのですが、図書館にこの雑誌がないので) While some interference from oxygen is expected, the current decrease occurs as the base electrode was not poised sufficiently positive to reoxidize any hydrogen peroxide generated by the enzymatic reaction, eq 1. 酸素による何らかの影響が考えられるが、電流の減少は、酵素反応で生じた過酸化水素を再酸化するのに充分なほどベース電極の電位が高くない場合に起こる。 (nemuinemuiさんの「酸化電位が高くなる」というのはこのことを指していると思います) まとめると、 ・酸素の影響は グルコース + O2 → グルコノラクトン + H2O2 の反応によるもの ・もし過酸化水素もフェロシアン化物と同じく電極で酸化されたとすると測定値には影響がないが、過酸化水素を酸化するほど高い電位をかけると血中の代謝物の影響が大きくなるため、できない。 ・よってフェロシアン化物だけが電極で酸化され、酸素による酸化の分だけ、測定値は低くなる。 MiJunさんご指摘の血中酸素量ですが、血糖は通常4~8mmol/L、動脈血の酸素が0.15mmol/Lということなので2~4%の誤差でしょうか…? rei00さんのお書きになったフェリシアン化物-フェロシアン化物の標準電極電位ですが、もしフェロシアン化物が空気酸化を受けにくいとしたら、速度論的な問題かもしれないですね(熱力学的には不安定でも)。(「コットン・ウィルキンソン 無機化学」の鉄(II)の空気酸化に関する記述で思いつきました。この点に関しては千谷利三「新版 無機化学」の記述はあまり正確ではないかもしれなかったですね。すみません。) (コットン・ウィルキンソン初めて見てみました。訳本は敬遠していたんですが、rei00さんのおっしゃるようにわかりやすいですね。私の知識は高校時代の「新版 無機化学」で止まっているので、これで勉強しなくては…) 参考文献 "Biosensors: Blockbuster or Bomb? -Electrochemical Biosensors for Diabetes Monitoring" L. S. Kuhn, Interface, pp. 26-31, Winter 1998. http://www.electrochem.org/publications/interface/winter98/IF12-98-Pages26-31.pdf "Ferrocene-Mediated Enzyme Electrode for Amperometric Determination of Glucose" A. E. G. Cass et al., Anal. Chem., 56, pp. 667-671, 1984.

参考URL:
http://www.electrochem.org/publications/interface/winter98/winter98.htm

関連するQ&A

  • グルコース定量についてです・・・

    血液中のグルコース量はグルコースオキシダーゼを利用すれば測定できる。この酵素はβ-Dグルコースにしか作用しない酵素であるのになぜ血中の全体のグルコース量がわかるんですか?

  • 血中酸素濃度の単位について

     一般的に、血液ガス装置で測定する場合など、酸素濃度の単位がTorrやmmHg、Paなど気圧の単位が使われていることはご存じかと思います。    門外漢の私としては、血液という液体の中の酸素濃度なので、気圧で表示されるのは理解ができません。例えば、水道水の酸素濃度(水道局の資料など)では、単位がmg/L、ppmとなっており、 溶存酸素の量がどれくらい含有されているかなので、こちらの単位は理解はできます。  色々調べた結果、血液に接する大気中の酸素分圧と血中の酸素飽和度は相関関係があるので、 酸素分圧に換算しているのかなと推論しています。的外れな考えだったらすみません。 上記、酸素濃度の単位が気圧の単位か、どなたかご教示していただけないでしょうか。

  • 亜硫酸第一鉄とは?溶存酸素との関係

    管工事の勉強をしています。 参考書のDO(溶存酸素)の項目で、 「溶存酸素は水質の汚濁を示す指標ではないが、酸化物、亜硫酸第一鉄などの還元性物質による直接酸化、  微生物による有機汚濁物の浄化作用、魚介類の生活などにとっては欠くことのできないもの」 との説明がありました。 亜硫酸第一鉄とは何なのかを踏まえて、前半のくだりを具体的に説明していただけないでしょうか。 化学にはかなり疎い自分ですが、以下にように推測解釈してみました。 あっているでしょうか? 第一鉄は二価の鉄イオンでFeSO3のこと。 人間の生産活動等で自然界に放出(または、間接的に生成)されるが、 生命にとって有害性があるので、溶存酸素による酸化除去作用が必要。

  • 酸素濃度の単位

    酸素濃度の単位についてですが、%, mmHg, kPa, mg/L, ppmと人によっていろいろな単位が使われているようです。飽和している空気中の分圧を指している場合(前3つ)と、液体中の溶存酸素を示している場合(後ろ2つ)があるというところまではわかるのですが、溶存酸素を%であらわしていることがあります。これは何の%なのでしょうか?血液検査だと%はヘモグロビンの飽和度で、溶存酸素とは違ったものですが、溶存酸素を%であらわすとはどういう意味か教えてください。

  • 酸素解離曲線

    動脈血(酸素分圧 100mmHg)1dLが組織に到着してから静脈血(酸素分圧 40mmHg)として心臓に向かうまでに 組織に供給した酸素量(ヘモグロビンが運んだ酸素と血液中に溶解して運ばれたものの総量)はいくらか? 酸素血液中のヘモグロビンの量 15g/dL 1gのヘモグロビンは1.34mLの酸素と結合する 酸素の血液への溶解度 0.03mL/L/酸素分圧mmHg ヘモグロビンの飽和度 動脈血中 97% 静脈血中 75% これの解き方なんですが (15 × 1.34 × 0.97) + (0.03 × 0.1 × 100) から (15 × 1.34 × 0.75) + (0.03 × 0.1 × 40) を引くのであっていますか? 解答がなくて答え合わせが出来なくて困っています。 あと酸素の血液のへの溶解度の式が自信無いのですがこれで合っているのでしょうか?

  • へキソキナーゼIVとグルコースに関して

    廣川書店の『レーニンジャーの新生化学第4版(上)』という本(ちょっと要約しています。)には 『・・肝臓の主要なヘキソキナーゼIVであり、それは筋肉のヘキソキナーゼI~IIIと三つの点で異なる。第一にヘキソキナーゼIVが半分飽和するグルコース濃度(10mM)は、血中グルコースの通常の濃度より高い。肝細胞に存在する効率的なグルコーストランスポーターは、サイトゾルと血液中のグルコース濃度をすぐに平衡化するので、ヘキソキナーゼIVはKmが大きいことによって、血糖値による直接的な調節を受けることが可能である。食後のように血中グルコース濃度が高い時には過剰のグルコースは肝細胞に取り込まれ、そこでヘキソキナーゼIVによりグルコース6-リン酸に変換される』とあるのですがそこで疑問があります。(Q)上より「食後、過剰のグルコースは肝細胞にとりこまれる」ということですが、では過剰になっていない残りのグルコースはこの時(=食後)どうなっているのでしょうか?教えてください。おねがいします。

  • 酸素濃度について

    動脈血採血で測定した血中酸素濃度と、パルスオキシメーターで測定した血中酸素濃度の違いを教えてください。 母が肺疾患があり、普段パルスオキシメーターで測定しておりSpO2値が95以上ありますが、血液を採取して測定したところ、75でした。医師からは低いと言われましたが、酸素吸引を無理にすることはないと診断を受けました。 パルスオキシメーターと血液を採取した酸素濃度の値が異なるのはどうしてなのでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 血糖値測定器の試験紙(センサー)購入が難しい理由

    血糖値の個人管理をする場合に測定器本体と血液採取の針とその器具は簡単にネットでも購入が可能なのに試験紙(センサー)のみ高度管理医療機器に指定されネット販売禁止なうえ、資格をもった特定の調剤薬局でしか購入が出来ないのはなぜですか?単純に医療用測定器の一消耗部品のセンサーなのに体温計や血圧計やパルスオキシメータ(血中酸素濃度測定器)と同様に簡単にネット販売等で購入可能にしないのは不思議です。しかも注射針と同等の血液採取の針は高度管理医療機器にはなっていないのも矛盾します。センサーは各社の血糖値測定器専用なので個人での血糖値測定の方法を(センサー購入のし難さで)普及させないようにしている様に思えてなりません。合法的にアメリカから通信販売で入手する方法もありこの様な規則は無いに等しくなってしまうのではないでしょうか。 国内販売の血糖値計も売れ難くセンサーのコストも下がらず業界から淘汰されるのでは。 医療施設での需要はあるでしょうが・・・。厚生労働省の隠された思惑もあるのか?

  • 肺胞気酸素分圧の求め方

    今、期末試験の勉強をしているのですが肺胞気酸素分圧の求め方が分かりません。 今やっている例題は 肺胞気の組成を測定したところ、酸素15.9%、二酸化炭素4.9%、窒素79.2%であった。 1気圧は760mmHg、37℃の飽和水蒸気圧は47mmHgとするとき、肺胞気酸素分圧を計算しなさい。 と、言うものです。 公式から全部わかりません。 どなたか教えてください。お願いします。

  • グルコース検出ロジック

    ルコースオキシダーゼを用いるグルコース用のバイオセンサー動作において勉強しております。 (1)市販の血糖測定器に血液の代わりに血液相当の砂糖水濃度を入れたら相関するdataが出る物なのでしょうか? (2)また砂糖水濃度を0.001%から5%まで変化させた場合市販の血糖測定器はリニアリティを示す物なのでしょうか? (3)市販の血糖測定器には約0.5vの電圧10sec、ゼロ電圧10sec、次に約0.5v 10sec都合30secの時間が加わり、 最初と最後の2回電圧を加えているのはなぜですか?また血糖測定器に表示しているのは2回の内どこの値を 表示している物なのでしょうか?ご存じの方おりましたら教えてください。